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更新日:2021年11月02日

【イジメ】賛否両論なロストジャッジメントのストーリーを考察します【結末・ネタバレ】

 

キムタク主演の大作『ロストジャッジメント』のストーリーですが、『イジメ』というリアルな社会問題に切り込んでいるという性質上、賛否両論なようです。

例えば、「復讐殺人を繰り返す桑名の気持ちは分かる」という意見がある一方で、「無関係な人を犠牲にする復讐はオカシイ!」という反論があったりして、プレイヤー同士がバチバチにぶつかり合っていたりしますね(;^ω^)

というわけで、今回は賛否両論なロストジャッジメントのストーリーをいくつかの項目に分けて考察していきたいと思います。

ネタバレありで、本作をクリアした人向けの記事となっていますのでご了承ください。

なお、ロストジャッジメントのレビュー記事も投稿していますので、良ければこちらも参考にしてもらえると嬉しいです(‘ω’)ノ

【評価・レビュー】イジメを描く衝撃作!LOST JUDGMENTの良い部分・悪い部分まとめ

ロストジャッジメントは『3つの正義の虚しさ』を描いたストーリー

本作は次の3つの正義に焦点を当てたストーリーになっていると考えます(あくまでイジメに焦点を当てた場合です)。

  • 『法』という正義(八神)
  • 『復讐』の為なら犠牲はいとわないという正義(桑名)
  • 『群れの異物の排除する』という正義(イジメ加害者)

『法』の正義については法治国家では当然の考えですが、本作では『法の不完全さ』が原因で救えない人が出てきてしまっています。

それにより、『復讐』という正義が行使されるわけですが、これは無関係な人を犠牲にする『諸刃の剣』であり、テロリストに近い思想と言えます。

作中では澤陽子先生だけが『犠牲』として挙げられていますが、実際にはそれ以外の犠牲・被害が出ます。例えば、イジメ加害者の間宮由衣の子供や夫は何の罪も無いのに『殺人ほう助犯の息子(夫)』として十字架を背負う事になりますし、江原の妻も『殺人犯の妻』として嫌がらせの被害に遭うかも知れません。他にも、同姓同名というだけで全く無関係な人が被害に遭うようなケースも実際にあるわけです。

『群れの異物の排除する』ことを正義とすることには意見が分かれると思いますが、作中でも語られているように人間が群れを守るために本能的に行使される正義であると言えます。実際、松井達にイジメられていた香田さんは不本意ながらバスケ部の足を引っ張っていたわけで、あのイジメはある意味『バスケ部という群れを守る為の行動だった』と言えるわけです。

この作品で感じたことは『正義=善』ではないという事。

復讐やイジメは犠牲・被害が出ている時点で『善』とは言えないのは明白ですが、八神が訴える『法』という正義も救えない人がいるわけだから『善』とは言えないんですよね。

ただひたすら虚しさだけが伝わってくる『正義』の対立を描いているように思いました。結末を見れば分かるように結局誰も救われていないわけですからね…。

しかし、製作者としては伝えたいメッセージがあったはずです。それについては後述します。

冒頭にも書いたように、賛否が分かれる登場人物の言動だったり、プレイヤーに判断をゆだねる感覚がラスアス2に通ずるものがあって、非常に考えさせられるストーリーだと思いました。

【評価・レビュー】ラストオブアス2が史上最悪の神ゲーである理由【良い部分・悪い部分まとめ】

江原の息子へのイジメを止められなかった澤陽子は教師失格なのか?

ネットでは本作のヒロイン的位置付けである澤陽子先生の評判はあまり良くないようです。

  • 正義感が強いだけで何も出来ない無能
  • 担任なのに香田さんのイジメに気付かないとかあり得ない
  • 江原の息子のイジメを黙殺した最低な人

というような辛辣な意見が目立ちましたね…。

しかし、私は現実であれば人並み以上に優れた教師だと思いました。

基本的にイジメは教師が見ていないところで行われるので、生徒から相談を受けるか監視カメラでも仕掛けない限り知ることは難しいはずなので、香田さんのイジメに気付かなかったのは仕方ないと思います。

江原の息子へのイジメを結果的に黙殺してしまったのは、確かに彼女の過ちだったと思いますが、26歳という若さで学校やPTAという組織を敵に回すことが可能でしょうか? 会社員に例えるなら末端の社員が会社の不正を実名で告発するようなものです。八神みたいな人間離れした強靭なメンタルを持ってるならまだしも、現実であればまず不可能でしょう。

彼女が正義感の強さを行動で示せなかったのは、若く地位が低かったのが理由だと思います。地位の低い末端の教師がいくら正論を言っても周りを動かす力はありませんからね。10年、20年後には正義感の強さに地位が追い付き、周りを動かせるようになっていたと思います。

好き嫌いはあると思いますが、間違いなく澤先生の存在はロストジャッジメントのストーリーにリアリティを持たせることに大きく貢献していると思います。

「なんで私だけ…!」間宮由衣の逆切れ発言はイジメの本質を表している

この項目に関してはかなり長い文章になってしまったので、以下の記事にまとめましたのでこちらをご覧いただければと思います。

【ロストジャッジメント】間宮由衣がストーリーに深みを持たせた良キャラである理由【イジメ問題・ネタバレ】

桑名はエンディング後も犯行を続けたか?

本作のストーリーは『7人の続殺人を犯した桑名は出頭もせず姿をくらます』というモヤモヤが残る終わり方をするわけですが、その後桑名はどういう行動を取るのかを考察したいと思います。

まず、エンディングのワンシーンでさおりさんが「たぶんそんなことは無いはず。八神さんに話を聞いた限りでは」と桑名が犯行を止めることを示唆していますが、これまでの龍が如くシリーズであれば「丸く収まって良かった」となるんですが、ロストジャッジメントでは希望的観測でしかないと思うんですよね。

なぜなら、桑名自身が犯行を続ける旨の発言をしていますし、残り5人のイジメ加害者の遺体のありかを通報した際、「”イジメ加害者”の遺体」と言っているからです。わざわざ”イジメ加害者”と強調しているのは見せしめ的な意味合いがあると思います。さらには、足が付かないように匿名での通報しているんですよね。

ということから、桑名の考え方に大きな変化は無いように感じます。エンディングでは葛藤するような表現も見られましたが、イジメが無くならない限り、今後もイジメ加害者への粛清と見せしめを繰り返すと思います。

「澤先生みたいな犠牲を…」と連呼する八神に思う事

物語終盤になると「なんで澤先生が犠牲にならないといけないんだ!」と連呼する八神に対して、多くの人が否定的な意見を出していますね。

確かに、一般的な作品であればもっと色んな方法で桑名を説得すべきだったかもしれませんが、八神が澤先生の死に固執するのはロストジャッジメントにリアリティがあるからこそだと思います。

八神の場合、過去の事件に対する後悔もその一因ですが、そうでなくても人の死を目の当たりすれば固執して当然だと思うんですよね。

ましてや、桑名は法律が通用しない相手なわけですから、澤先生のような犠牲を強調して感情で訴えるしか方法が無いのだと思います。

桑名の犯行動機は「イジメ被害者救済のため」ではない?

桑名がイジメ加害者を殺しまわる理由を「イジメ被害者救済のため」だと言っていますが、正直それは建前上の話だと思います。

なぜなら、イジメ被害者を救済するような正義感の持ち主が、澤先生のような犠牲を容認するとは考えにくいからです。「弱者を救済するために弱者を生贄に差し出すようなもの」なんですよね。それに、遺族ならまだしも他人の為に殺人なんて普通は出来ないと思います。

ということから、桑名の犯行動機は『教職を追われたことに対する腹いせ・復讐』だと思います。そう考えれば彼の行動に納得がいきます。

標的こそ違いますが、桑名がやってる事って「俺を不幸にした社会が悪い」と主張する無差別殺人犯と大差ないんですよね。実際、八神や九十九、杉浦などには意識的に襲撃して殺しかけていますからね。

”お前らのせいだ” 、主題歌『蝸旋』が真に意味するもの

作中で御子柴は殺される直前「自殺するとは思わなかったんです!」と言って責任逃れをしていますが、同様に桑名や江原、楠本といった人物も「澤さんが犠牲になるとは思わなかった」と言って責任逃れをしているんですよね。

この『責任逃れ』を言い換えた言葉が『お前らのせいだ』です。

そしてこの言葉はプレイヤー自身への問いかけの意味もあると思いました。

プレイヤーの大半がイジメの傍観者であり、イジメ被害に遭う人がいても「加害者(お前ら)のせいだ!」と言って、自分が傍観してイジメを止めなかった事を棚上げしているわけなんですよね。

そういう無責任な私たちへのメッセージも込められていると思います。

実際のイジメでも傍観者の存在がカギとなる

本編ラストシーンでは、香田さんが「もっと早くに助けられればよかった。ごめんね。」とイジメ被害者に声をかけていますが、ゲーム上では被害者に対しての言葉ですが、実際は傍観者であるプレイヤーへのメッセージだと思います。「ファーストペンギンとなった香田さん達に続いて、現実の傍観者達も声を挙げられるようになってほしい」という想いが込められていると感じました。

イジメは加害者だけでなく、傍観者という存在があって成立するものです。誰も止めなければエスカレートし、加害者が過ちに気付くことも反省することも無いでしょう。

一方で、作中では傍観者が声を上げてイジメを止めたからこそ、イジメ加害者の松井達が自分たちの間違いに気付いて反省し、心を入れ替える機会になったわけです。傍観者が声を上げることの重要性がよく分かる一コマだったと思います。

加害者に復讐することは事後対応でしかないと思うんですよね。イジメ問題を根本から改善するには傍観者が声を上げることが大切だと私は考えます。イジメが深刻化して自殺者が出てしまえば、正義と正義の虚しい対立が起こるだけです。亡くなった命は戻りませんからね。

作中で『傍観者がイジメを止めた未来』『イジメを止めず自殺した未来』の両面をあえて描いたのは、そこに製作者が伝えたいメッセージがあったからだと思います。

・・・

以上が、ロストジャッジメントのストーリー考察になります。

この作品を通じて少しでもイジメに対しての意識が変わることを願いたいですね。

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