良作だけど惜しい!ステラーブレイドレビューをプレイした感想【5つの良い点、4つの悪い点】
韓国のゲーム制作会社シフトアップが手掛ける『ステラーブレイド』ですが、世界的に売り上げが好調みたいで、続編の開発も検討されているようですね。
先日、一通りクリアしてトゥルーエンドに到達したので、レビューしていきたいと思います。
この記事の目次
ステラーブレイドは惜しさが目立つ良作である
詳細にレビューする前に全体を通しての感想から話していきます。
ステラーブレードは優れた部分がある一方、「ここを改善すればもっと良くなる」といった惜しい部分が目立つ作品というのが率直な感想ですね。
優れた戦闘システム
特に優れていると感じたのは戦闘です。
ソウルライクのようなスタミナの概念はありませんが、ジャストパリィとジャスト回避を駆使した『敵の攻撃を見極める戦い』が楽しく、そういう部分はソウルライクに通じる部分です。
ソウルライクは攻めより守りが重視されますが、ステラーブレイドは攻めと守りが同等のバランスに仕上がっていて、アグレッシブな戦いが出来るんですよね。
どうしてもソウルライクの戦闘は攻めの部分が地味になりがちなんですが、ステラーブレイドは派手でスタイリッシュな攻めも堪能出来るのが優れていると感じました。
スキルツリーや装備によって、火力重視、スピード重視、防御重視というように性能が変わるのも良かったです。
楽しさと惜しさを感じる探索要素
ステラーブレードでは収集物が多く、しっかり時間をかけて探索する必要があります。
ファストトラベル可能範囲も最小限に留められていて、プレイヤーが自分の目で見て、自分の足で探索することが求められるゲーム設計になっています。
最近の作品は親切設計になり過ぎていて探索の楽しさが失われつつありますが、本作の探索は手探り感を感じることが出来て好印象でした。
ただ、ゲーム中盤以降の探索は、楽しさよりも面倒臭さが先行するようになってしまったのが勿体ないと感じました。その理由として挙げられるのが、探索要素のメインとなる舞台が、荒野や砂漠であることです。殺風景なエリアを何度も行き来することになるので飽きてしまうんですよね…。探索エリアがもっと見栄えする場所なら印象も違ったかも知れません。
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といった感じで全体を通しての感想はこんなところです。『戦闘』と『探索』を重視した作品といった印象でした。他の部分の評価は以降の項目で紹介していきます。
ステラーブレイドの5つの良い部分
ステラーブレイドの良い部分を紹介します。
スタイリッシュで楽しい戦闘
冒頭でも紹介したように、戦闘の楽しさは折り紙付きですね。
『守りだけでなく攻めもいけるSEKIRO』といった感じなので、よりアグレッシブな戦いを求める人には優れた作品だと思います。
デフォルトの難易度はSEKIROよりも難しい印象ですが、スキルを駆使すればある程度ゴリ押し気味に攻略出来るので、その塩梅が丁度良い感じですね。
また、アクションが苦手な人向けに難易度を下げることも可能です。ジャストパリィやジャスト回避がしやすくなるようにアシストが入ったり、被ダメージが減るといった調整が入ります。与ダメージはほぼ変わらない印象なので、難易度を下げても手応えはそこそこある感じですね。
作品を盛り上げる多彩なBGM
作中に使われるBGMはボーカル入りのものが多く、かなりの力の入れようですね。ジャンルも多彩でシーンに合わせた物が上手く使われていると思います。
また、一部の楽曲は『ニーアオートマタ』の音楽プロデューサー岡部啓一氏のスタジオが関わっているので、ニーアのテイストを感じる事が出来るのも良かったです。
美しいグラフィック
キャラクターグラフィックは注目されていただけあって、しっかり作り込まれていますね。
衣装のバリエーションの多さもさることながら、風になびくポニーテールのディテールも見どころです。
また、ボスキャラクターを中心としたグロテスクなクリーチャーの造形も大きな魅力です。
手探り感のある探索
探索要素は今どき珍しいタイプで、自分の目で見てしっかりと探索する必要があります。
勿論マーカーも表示されますが、それだけに頼っていると見落としやすい調整となっているんですよね。
ファストトラベルもあえて不便になっていて、ある程度は『自分の足で歩く』よう作り手に誘導されているのですが、このクラシックな感じが個人的には楽しめました。
丁寧な日本語訳
ステラーブレイドは韓国のタイトルですが、日本語翻訳・吹き替えは完璧ですね。さすが、ソニーがパブリッシャーを務めているだけあります。
また、セリフに合わせてキャラクターの口を動かす『リップシンク』も日本語に最適化されているのも驚きました。キャラクターの口の動きが日本語に合っているので、”吹き替え感”が無く自然です。
ステラーブレイドの4つの悪い部分
続いてステラーブレイドの悪い部分を紹介します。
少し癖のある戦闘の操作性
良い部分で紹介した戦闘ですが、若干調整が惜しいところがあると感じました。
まず、本作はL1ボタンでジャストパリィをして反撃するのが基本戦術の1つになりますが、それとは別に『L1ボタン + □/△/〇/×ボタン』という操作で発動する『ベータスキル』というものがあり、「ジャストパリィからの反撃」のつもりがベータスキルを誤爆しがちなんですよね。
ほかにも、敵を撃破するとロックオンが解除されてしまう事ですね。倒した後は自動で近くの敵にロックオンが移るようにした方が快適だと思います。
あとは、使うボタンが多い事ですね。SEKIROやダークソウルのイメージで遊ぶと複雑で、操作に慣れるのに時間を要すると感じました。
なかなか疲れる探索要素
先ほどは『手探り感のある探索』としてプラス評価をしたわけですが、これはマイナス評価にもなると感じました。
ゲーム後半で登場する広域エリアの探索は『手探り感』よりも『面倒臭さ』が先行しているように感じたというのが正直なところです。というのも、広域エリアでの探索は殺風景だったり、同じ場所を行き来しないといけないので飽きてしまうんですよね。
また、進行可能な場所と不可能な場所の判断が難しい場所も多く、「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤していると画面酔いしてしまうんです。
『最初は楽しかったけど、終わってみると疲労感を感じる探索』だったので、その辺のバランス調整をもう少し頑張って欲しかったと思いました。
フォトモードが存在しない
キャラクターデザインやアクションのカッコ良さが魅力の作品なのに、フォトモードが実装されていないのは勿体無いと思いました。
おそらく後々実装されるとは思いますが、発売時点で実装しておいてほしかったです。
ストーリーの描き方が弱い
ストーリーの大枠としては王道であり、良い題材だと思うんですが、イマイチ刺さらなかったです。
その理由として挙げられるのが、登場人物の掘り下げが足りないということです。
1つ例を挙げると冒頭で離脱するタキとの再会ですね。イヴは涙を流しますがプレイヤーは置いてきぼりです。なぜなら、プレイヤーはタキとイヴのエピソードをほとんど知らないからです。
リリーやアダムといった主要人物も同様で、「いつの間にそこまでの関係に!?」と思ってしまいました。
ステラーブレイドの得点
※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。
項目別評価
- グラフィックス ☆☆☆☆☆
- キャラクターやクリーチャーのデザインが魅力的!
- サウンド ☆☆☆☆☆
- 作品を盛り上げる楽曲はどれも一級品。サントラが欲しくなる。
- 熱中度 ☆☆☆☆★
- 戦闘の楽しさは抜群だが探索疲れを感じる
- ボリューム ☆☆☆☆★
- サブクエストや収集要素を全てやるとそれなりのボリュームだが、メインストーリーは比較的短め。
- 遊びやすさ ☆☆☆☆★
- 探索要素(特に後半)は改善の余地あり
ステラーブレイドはどんな人にオススメ?
というわけで以上がステラーブレイドのレビューとなります。
戦闘部分に絞れば名作クラスのクオリティだと思いました。探索要素やストーリー部分は惜しい感じですね。ただ、アップデートやDLCで調整・補足すれば十分挽回出来ると思います。
現時点ではSEKIROライクのアクションが楽しみたい人ならオススメ出来る作品だと言えるでしょう。
逆にキャラデザや衣装目的で購入するのは現時点ではあまりオススメしません。なぜなら、フォトモードが無いので、キャラデザや衣装を存分に楽しむことが難しいからです。
なお、ステラーブレイドは商用的に既に成功しているようで、続編の制作も検討しているとのことです。今作は1作目ということで粗削りなところも目立ちましたが、続編が発売されるのであれば色々とブラッシュアップされてくると期待出来ますね!