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投稿日:2023年11月12日更新日:2023年11月19日

【評価・レビュー】龍が如く7外伝の良い部分・悪い部分を徹底解説

11月8日に発売された『龍が如く7外伝 名を消した男』ですが、今作はリーズナブルな価格設定になっていて、ストーリーボリュームも従来の半分程度と公表されていました。

というわけで早速クリアしてしまったわけですが、サブストーリーは9割消化といった感じで(アクティビティは除く)本編クリア時間は17時間でした。メインストーリーだけだと10時間、全てのアクティビティをコンプリートで40~50時間のボリュームだと思います。

というわけで今回は『龍が如く7外伝 名を消した男』のレビューを書いていきます。

龍が如く7外伝の良かった部分

まずは龍が如く7外伝の良かった部分からレビューしていきます。

展開が早く凝縮された熱いストーリー

今作は価格的なこともあって、過去作よりもコンパクトにまとめられているので、展開も早くサクサクと進む印象を受けました。RPG仕立ての前作が大ボリュームで、ストーリーもじっくりと描かれていたのとは対照的ですね。

個人的な事情ですが、長編作品が遊び難い年代になってきたので、このぐらいの規模感というのはアリだと思いました。

コンパクトな分、中身が凝縮されているのでハラハラとする展開が頻発し、飽きることなく夢中になってストーリーを追うことが出来ました。

特に、桐生一馬が声を詰まらせ号泣するシーンはシリーズ屈指の名場面だと思いました。ここまで人間臭い桐生を見たことがありません。

また、登場人物もキワモノ揃いで魅力的です。

特に、『獅子堂』と『三代目 西谷誉』の”何をやらかすか分からない感じ”が、作品の方向性を決定付けていて良かったですね。ラストバトルも龍が如くシリーズ屈指の熱さでした。

サブストーリーやアクティビティを自然に楽しませる工夫

今作はサブストーリーやアクティビティへの導線が良く出来ていると感じました。

過去作ではメインストーリーだけ遊んで、サブストーリーやアクティビティは遊ばない事も多かったんですよね。メインストーリーの流れが遮られるのが嫌だったからです。

一方で、今作はサブストーリーやアクティビティを自然に楽しませる工夫が出来ているんですよね。

  • 赤目ネットワーク(サブストーリー)
  • 闘技場
  • 育成要素

この3点が上手く連動していて、ついつい遊んでしまうんですよね。

赤目ネットワークの依頼では報酬と育成に必要なポイントが手に入り、闘技場では多額の賞金と強力な装備を購入する権利が得られます。

赤目ネットワークと闘技場はストーリー的にも重要なポジションに置かれているので、「メインストーリーの進行を妨げられている感覚ない」というのも遊んでしまう理由ですね(ちなみに闘技場では桐生以外のキャラクターも操作可能!)。

また、能力強化や装備品で『強くなった』という感覚をしっかりと感じられるので、”育成自体が楽しい”というのもあります。そして、「もっと強くなりたい」という衝動に駆られて赤目ネットワークと闘技場の攻略を進めてしまうわけなんですよね。

この自然な導線のおかけで、思ったよりもボリューム不足感は感じなかったです。

ちなみにサブストーリー自体は『ChatGPT』的な時事ネタを盛り込んでたり、『ロストジャッジメント』とのコラボもあってとても楽しめるものになっています。

サクサクと進められるバトルと育成要素

過去作に比べてバトルと育成がサクサクと進むのも個人的には良かったです。

今作のステータス強化は『龍が如く0』と同じで金を使うことで行います。また、赤目ネットワークをこなすことで得られるポイントが必要なステータス項目もあります。

雑魚を倒すだけでも結構儲かりますし、赤目ネットワークや闘技場といった金策要素も充実しているので、どんどん成長していくんですよね。

大量の敵は新しいバトルスタイル『エージェント』の”アルティメットヒートモード”でサクッと一網打尽に出来ますし、強敵は従来タイプのバトルスタイル『応龍』を使い、一点集中で撃破。合わせて火力重視のスキルを優先的に取得していけばだいぶサクサクですね。

『やりがい』を求めると物足りなさはありますが、”外伝”と割り切って遊べばこのサクサク感はなかなか良いですよ。

なお、戦闘システム自体は完成度の高いロストジャッジメントに寄せていて、バトルスタイルは本作独自のものになっている感じで良かったです。

桐生のバトルスタイルに関しては、個人的にはスタイリッシュな『エージェント』よりも、従来の喧嘩アクション『応龍』のほうが好きでしたね。ガジェットを駆使する戦い方は桐生には合わない気がしますし、爽快感も薄い気がしました。やはりパワー重視じゃないと桐生一馬という感じがしないんですよね。

数々のミニゲーム

龍が如くと言えば数々のミニゲームの存在。使い回しも多いですが、新規収録要素も多数あります。これらをしっかり遊び尽くそうと思えば、かなり長く遊べると思います。

生キャバ

お馴染みのキャバクラですが、今作は実写になっています。

好き嫌いはあると思いますが、有名Youtuberやアイドルが出演しているのでファンにはたまらない内容だと思います。

セガ レーシング クラシック2(デイトナUSA2)

セガのアーケードレースゲームの移植作品です。大人の事情で名称が変わっていますが、当時熱狂的なファンも多かった『デイトナUSA2』初の移植ですね。

待望の移植は良かったのですが、パッド操作の最適化が不十分な感じもします。スティック感度をもう少し甘めに出来れば、より良かったと思います。

その他多数

  • ポケットサーキット
  • ソニック・ザ・ファイターズ
  • ファイティングバイパーズ2
  • バーチャファイター2.1
  • セガ・マスターシステム(タイトル多数)
  • カラオケ(新曲あり)
  • 他にも色々

龍が如く7外伝の悪かった部分

続いて龍が如く7外伝の悪かった部分を紹介していきます。

自身の存在を消した桐生一馬が割と気楽な感じなことに違和感

今作のストーリーは『龍が如く6』のラストで桐生一馬が名を捨て、自身の存在を世の中から消した、その後を描いたものとなっています。

過酷な運命なはずが、作中では割と生き生きとしていて違和感を感じました。

もちろん、ストーリーの要所要所ではそういった過酷さが伝わるシーンもあるのですが、それ以外では比較的に自由奔放なんですよね。

桐生一馬の生存が明るみになれば、大切な子供たちを危険に晒すことになるのに、「その自覚ある?」と言いたくなってしまうんですよね…。組織に対しても割と反抗的ですし…。

サブストーリーはいつものことなので良いのですが、メインストーリーはもっとシリアス路線を貫いても良かったのではないかと思います。

住民サブクエの水増し感

今作のサブクエは大きく2通りあって、1つは赤目から依頼されるサブストーリー的なもの、1つは住民に依頼されるおつかい的なものがあります。

後者の住民に依頼されるサブクエの水増し感がなかなか酷い出来だと思いました。

  • 「寿司が食べたい」
  • 「弁当が食べたい」
  • 「酒が飲みたい」

といった似通ったサブクエが無数にあります。

序盤の金策・ポイント稼ぎとして重宝はするのですが、遊びとしては手抜き感があって楽しくないんですよね…。

使い回し要素が多い

これは龍が如くシリーズが「1つの繁華街を再現する」という性質上、仕方がないのかも知れませんが、やはり使い回しの多さが気になりますね。

ミニゲームなんかは新規収録のものを除けば過去作と全く同じですから、やり込んでコンプリートするような人は苦行でしかないと思います。

あと、個人的に気になっているのが3Dモデルの流用です。

クオリティの高い3Dモデルを流用するのは全然良いのですが、PS3クオリティの3DモデルがPS5時代の今でも使われているのは流石に何とかして欲しいですね。

特にタクシーのテクスチャーを貼っただけのテールランプなんかはレトロゲー並みです。そろそろ一新して欲しいですね。

龍が如く7外伝の得点

86 / 100
86 / 100

※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。

項目別評価

グラフィックス ☆☆☆★★
クオリティのムラが目立つ。古い作品の流用箇所はクオリティが低い
サウンド ☆☆☆☆☆
世界観に引き込む声優・俳優の演技力
熱中度 ☆☆☆☆☆
メインストーリーはショッキングで目が離せない
ボリューム ☆☆☆★★
価格相応のボリューム。過去作から流用しているミニゲームを楽しめるかどうかで評価が分かれる。
遊びやすさ ☆☆☆☆★
基本的には良好。昔から思っているけどターゲットロック機能が欲しい。

『自身の存在を消す』という決断をした桐生一馬のその後を知りたければ、龍が如く7外伝は遊ぶべき

今作は外伝という事でコンパクトな作品ではあるものの、ストーリーは桐生が「名を捨て自身の存在を抹消する」という重要な決断をしたその後を描いているので、とても魅力的なものになっていると思います。

特に、桐生が言葉を詰まらせ号泣する場面は、他の作品では見られない演出だったので必見です。

「外伝だから…」という理由で、購入を控えている人は勿体ないので、ぜひ遊んでみてください。

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