ライズオブローニンを忖度無しレビュー!プレイした正直な感想【10つの良い点、8つの悪い点】
幕末を舞台にしたオープンワールドゲーム『Rise of the Ronin(ライズオブローニン)』を100時間ほどプレイしたので、今回はこちらを忖度無しで良い部分、悪い部分を徹底レビューしていきます。
この記事の目次
ライズオブローニンってどんなゲーム?ざっくりと感想
ライズオブローニンの良い部分・悪い部分のレビューの前に、全体を通してどんな作品だったかを簡単にレビューしていきます。
まず、一言で感想をまとめると、『前評判の悪さが嘘みたいな、とても良く出来た作品』でした。
確かに、前評判で言われていたグラフィックの旧世代感だったり、オープンワールドの造りが古臭いというのはその通りなんですが、グラフィックはすぐ慣れますし、古臭さも言い換えれば「変に凝ってなくて遊び易い」ということで悪くありません。
ゲーム性はコーエーテクモのソウルライクゲー(死にゲー)『仁王』シリーズや『ウォーロン』をベースとしていて、白熱の戦闘と中毒性の高いハクスラ要素が堪らない出来です。そこに、クラシックなオープンワールド要素が合わさったという感じですね。
ソウルライクゲー、死にゲーと聞くと「難しいそう…」と感じる人も多いと思いますが、難易度調整が可能ですし、探索をしっかりやればキャラも育つので、誰でもクリア可能なバランスに仕上がっています。
オープンワールド要素は『治安改善(エリア解放)』、『お尋ね者討伐』、『猫探し』、『撮影スポット巡り』といった単純なものですが、思いの他、幕末(江戸時代)の日本がリアルに再現されていて探索が楽しいですし、ボリューム感もしっかりあるので満足度は高いです。
ストーリー的には史実ベースでファンタジー要素無しのリアルな世界観なので、日本史の勉強にもなるかも知れません(一部、IFストーリーが展開されたりもするのでその辺は注意!)。
私は死にゲー好きなので難易度:宵闇(ハード)で遊びましたが、感覚的には『仁王3』といった感じで大満足の出来でした。
ライズオブローニンの良い部分10つ
続いてライズオブローニンの良い部分を紹介していきます。
剣戟が楽しい爽快アクション
ライズオブローニンの戦闘アクションは奥深く爽快です。
いわゆるソウルライクとSEKIROライクを合わせた戦闘システムですが、『石火』で敵の攻撃を弾いた時の効果音とエフェクトが気持ちイイです。
SEKIROよりシビアで、しっかり相手の動きと攻撃タイミングを見極める必要がありますが、その分上手く対応出来た時の気持ち良さはひとしおですね。
レア装備報酬が嬉しいハクスラ要素
敵を倒しドロップした装備でキャラクターをどんどん強化していく『ハクスラ要素』が楽しいです。
同じ装備でも基本性能、特殊効果、レアリティなどが異なるので、ただ敵を倒すだけのミッションでも「どういう装備をドロップするんだろう?」というワクワク感がありますね。
幅広い難易度設定と報酬
難易度設定の幅広さもライズオブローニンの良さです。
最高難易度の『宵闇(ハード)』にすれば、死にゲーの仁王シリーズに準ずる難易度になりますし、『薄明(イージー)』にすればアクションが苦手でも無理なく楽しめます。
なお、難易度は高くするほど高レアリティのアイテムをドロップしやすくなるので、挑戦意欲が湧きますね。また、途中で難易度変更が可能なので、キャラクターが育つまではイージーで進めて、途中からノーマル/ハードに変えて、ドロップアイテムのレアリティを向上させるという遊び方も出来ます。
探索が捗る!軽快な操作性とゲーム内容
キャラクターの挙動は軽快で、馬による移動や、滑空装置による飛行も可能なので、広大なオープンワールドを快適に移動できます。
また、メインストーリーやサブストーリーを除けば、ゲーム内容もシンプルなのでサクサク進み、戦闘とキャラクター育成に専念出来る仕上がりになっているのは良かったです。
バランスが取れた複数戦
本家ダークソウルやソウルライクゲーにおける複数戦は批判的に捉えがちですが、ライズオブローニンでは上手く調整されています。
他の作品だと、味方が複数いる場合は「NPCを囮にして背後から殴るだけ」のバランスになりがちですし、敵が複数いる場合はただただ理不尽なことが多いです。
一方、ライズオブローニンは、『石火で敵の攻撃を弾いて気力を削らないとダメージが通り難い』という仕様上、味方が複数いてもバランスが破綻し難いのです。
逆に、敵が複数いる場合は、「1人はプレイヤー、1人はNPC」というようにターゲットが上手く分散されるので理不尽さもありません。
唯一無二の江戸時代のオープンワールド
幕末(江戸時代)を舞台とするオープンワールドゲームは唯一無二なんじゃないかと思います。
昔の日本を舞台にしたオープンワールドと言えば『ゴーストオブツシマ』が有名ですが、年代や地理的にライズオブローニンとは全然違うんですよね。
当時の横浜、東京、京都の賑わいを堪能できるのは本作だけです。
歴史的偉人が大勢登場
本作は幕末の話ということで、坂本龍馬を始め様々な歴史上の偉人が登場します。
1万円札でお馴染み福沢諭吉の剣術が見れたり、かつて存在した100円札の伊藤博文も登場します。もちろん新選組の面々もストーリーに関わります。
面白いのが、これらの偉人とは『因縁』を結べて、それぞれに好感度があり、恋愛関係になったり、サブストーリーが発生したりする点です。そして、その量が膨大で約60人にも及ぶんですよね。
CERO:Z版はまさかの表現規制無し!?
ライズオブローニンはCERO:D版と、Z版が発売されています。
Zバージョンでは四肢切断表現もあるので、それが爽快感に繋がっていると思います。
充実のボリューム
ボリュームもしっかりあって満足感が高かったです。
最初、横浜から物語が始まるのですが、まさか、江戸、京都と舞台が移るとは思っていませんでしたね。
コンテンツ自体はシンプルでサクサク進んでいくのですが、それでも全部達成するまで80時間はかかりました。
クリア後も飽きさせないエンドコンテンツ
クリア後のエンドコンテンツもしっかりしていて満足度が高いです。
- 難易度:暗夜の追加
- 新しいレアリティ装備の追加
- 本編にはいない強敵が配置
- さらなる高難易度ミッションの追加
といったものが追加されるので、じっくりやり込みたい人はここからが折り返しとなりますね。
ライズオブローニンの悪い部分8つ
続いて、ライズオブローニンの悪い部分を紹介していきます。
移動、カメラワーク等、一部の操作性に不満あり
一部操作性に改善が必要だと思いました。
まず、馬での移動で直進し難いことですね。
例えば、エルデンリングの馬での移動は、若干スティックが傾いていても(1~2度ぐらい)直進するよう補正がかかるのですが、ライズオブローニンは補正がかからず、ほんの少しでもスティックが傾いていれば馬もそちらに曲がって行ってしまいます。フラ付きやすいので画面酔いに繋がるんですよね。
また、戦闘時のカメラワークにもクセがあります。
敵ロックオン時は、プレイヤーは画面下側中央左寄り、敵は画面上側中央右寄りに配置されるのですが、この左右位置が割と頻繁に入れ替わるので、視点が安定せずこれも画面酔いの原因になります。
あとは、一部操作の先行入力の効きがオカシイと思いました。
今作では複数の敵を暗殺することが可能ですが、1人目を暗殺した後、素早く2人目のところに行きたいのに、ダッシュボタンの先行入力が効かないことが多く、2人目の暗殺に失敗することが多かったです。
『閃刃』のタイミングが分かり難い
ライズオブローニンには刀に付いた血を払う『閃刃』というアクションがあります。これをすることで気力(スタミナ)を回復出来るのですが、『攻撃後タイミング良く』ボタンを押す必要があります(実は連打でも可能)。
しかし、そのタイミングが武器や流派によって変わってくるので、タイミングを掴みにくいのです。
仁王シリーズにも『残心』という似たような要素がありましたが、あちらは視覚的にタイミングが分かるようになっていたので、同じ仕様にして欲しかったですね。
エンチャントやバフが消費アイテムなので使い難い
ライズオブローニンはあくまでリアル寄りの世界観なので、魔法や術といったファンタジー要素はありません。なので、エンチャントやバフは消費アイテムで行います。
プレイヤーの性格にもよると思いますが、私の場合、消費アイテムをケチりがちなので(いわゆるエリクサー症候群)、なかなかエンチャントやバフを利用する機会が無いんですよね…。
回復アイテムと同じように、休憩地点で最小限補充されるような仕様が良かったと思います。
オープンワールドである必然性が薄い
オープンワールド自体のクオリティは悪くないのですが、オープンワールドの必要性が感じにくいと思いました。
ストーリーの演出的にも『マーベル スパイダーマン』のようにシームレスに展開されるわけではないですし、ハクスラ要素との相性もあまり良いとは思えないんですよね。
ハクスラ要素とボスの相性が良くない
ハクスラが楽しい本作ですが、育て上げたビルドを活かせる敵がいないんですよね。
本作の敵は全て人間であり、石火による弾きを駆使したテクニカルな立ち回りが基本となります。なので、武器や防具の性能を活かすような戦い方がし難いのです。
仁王みたく妖怪を出せとは言いませんが、単純に火力をぶつけるような戦い方の出来るボスも出して欲しかったですね。
ボスが攻撃が積極的過ぎる
難易度:宵闇での感想ですが、ボスの攻撃が積極的過ぎると感じました。
敵の攻撃を受けたら距離を取って回復したいのに、積極的に距離を詰めてくるのでなかなか回復のチャンスが無いんですよね。今作はNPCと協力して戦うのが基本で、操作キャラの切り替えも自由に出来るので、危機をしのぐこと自体は可能なんですが、どうもスッキリしません。
また、今作には戦闘中自由に切り替えられる『流派』があり、流派には相性があります。つまり、ボス戦はまず流派を切り替える事から始まるのですが、そんなことをしていると敵に先制攻撃を貰ってしまうんですよね。
なので、戦闘開始時やダウンした後は、攻撃の手を少し緩めて欲しいと思いました。
ストーリーの整合性が微妙に合わない
今作は幕末が舞台ということで、倒幕派(幕府を倒そうとする側)と佐幕派(幕府を守ろうする側)が存在し、主人公はどちらに加勢するか選べます。
ただ、敵対している側のサブストーリーも進行できるので、違和感が結構あるんですよね。例えば、池田屋事件で新選組と敵対して斬り合ったのに、その直後にその面々と普通に会話したりですね。
個人的には『友好ルート』『敵対ルート』みたいに完全に分けてしまって、敵対する人物に関わるサブストーリーもその周回中はプレイ出来ないようにした方が良いと思いました。
ビルドの幅が仁王シリーズには劣る
本編クリア後に本格化するハクスラ要素ですが、これはちょっと残念でした。
仁王シリーズは『属性攻撃特化』、『状態異常特化』、『防御特化』というような色々なビルドが組めたのですが、ライズオブローニンは装備の部位毎に付けられる能力が結構細かく決まっていて、特化したビルドはほぼ作れないんですよね。もう少し自由にやらせて欲しかったと思います。
ライズオブローニンの得点
※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。
項目別評価
- グラフィックス ☆☆☆☆★
- 粗い部分もあるが作り込まれ幕末の街並みは見応えあり!
- サウンド ☆☆☆☆☆
- キャストの演技、BGMなど文句無し。敵の攻撃を弾く音が気持ちイイ!
- 熱中度 ☆☆☆☆☆
- 軽快でテンポが良いのでストレス無く遊び続けてしまう
- ボリューム ☆☆☆☆☆
- マップの規模感、コンテンツ量、クリア後の楽しみなど、やることが山ほどある
- 遊びやすさ ☆☆☆☆★
- 馬での移動、戦闘時のカメラワークが地味にストレスに感じた
買うべき?ライズオブローニンをオススメ出来る人、出来ない人
というわけで、ライズオブローニンのレビューでした。
個々の要素は良く出来ていて、戦闘もハクスラも楽しく、幕末の広大な日本を走り回れるのも唯一無二の存在だと思いました。
ただ、目新しさや革新性は無いに等しいので、評論家目線だと厳しい評価になるのも納得の内容だと思いました。
ソウルライクゲーが好きな人や、幕末の日本をカジュアルに体験したい人にはとてもオススメ出来る作品だと思います。ぜひ遊んでみてください!