【ロストジャッジメント】桑名は許され相馬は許されないのは何故か?【ネタバレ】
ロストジャッジメントの第2の主人公とも言える桑名仁、そして黒幕の一人でもある相馬和樹ですが、両者に感じる印象は正反対だと思います。
桑名の殺人に対しては「復讐はダメだが理解できる」、相馬の殺人に対しては「ただのサイコパスだから理解できない」という考えが一般的ではないでしょうか?
しかし、桑名も相馬もやっている事はほぼ同じなんですよね。
桑名も相馬も秩序を守るために殺人を行っている
桑名は表向きには「イジメによる被害を無くす」という目的でイジメ加害者への殺人を繰り返しています(桑名の本心についてはこちらの考察をどうぞ)。
その一方で、相馬は「ヤクザ・半グレによる被害を無くす」という目的で半グレ組織RKをコントロールし、その障害となる人物を殺しているわけです。
つまり、二人とも世の中の秩序を守るために行動しているんですよね。イジメ加害者か?ヤクザ・半グレか?の違いだけなんですよね。
”楠本玲子を守る”という目的も同じ
厚労事務次官である楠本玲子は息子をイジメた相手に復讐殺人を行ったわけですが、その復讐をさせた張本人が桑名です。
復讐を手引きした桑名にはイジメ被害者の遺族である”楠本玲子の秘密を守る”という信念みたいなものがあったわけですが、同様に相馬にも公安の職務的に楠本玲子の秘密を守るという使命があったわけです。
本作のヒロインである澤陽子先生は、そのいざこざに巻き込まれて殺されてしまったわけですが、ここでプレイヤーに「相馬は許せない!」という感情を植え付けました。
しかし、相馬が澤先生を殺してなければ、いずれ桑名が殺していたはずです。なぜなら、桑名にとっても澤先生は”楠本玲子の秘密を守る”には排除しなければならない存在だからです。
桑名は許され相馬は許されない理由
というように、桑名と相馬はやってる事も目的もほとんど同じです。でも、世間的には桑名は許され、相馬は許されないわけです。何故でしょうか?
その答えは「人は情に流されるものだから」です。
桑名は人間的な感情を見せますが、相馬は冷酷でサイコパスな印象です。
人間的な感情を見せれば「この人の気持ちも分かる」と理解を示しますし、冷酷な態度に対しては「この人の気持ちは理解できない」と拒絶するのが人間です。
それが、桑名と相馬の違いです。
もし、相馬にも”過去にヤクザや半グレに身内を殺されていた”といったエピソードがあれば、プレイヤーが受ける印象は全く違ったものになっていたかも知れません。
ちなみに、現実世界で脅威となり得るのは相馬ではなく桑名ですね。
なぜなら、桑名の方が世間の共感を得やすい為、彼の行動を支持する人が次々と現れ、復讐殺人が頻発するようなことになりかねないからです。一方で、相馬の行動は共感されないので模倣する人も滅多に現れないでしょう。
ロストジャッジメントのストーリーが成立したのは”情”のおかげ
ロストジャッジメントのストーリーは法の欠点を突いた内容になっています。
「裁かれるべき者が裁かれない」という法の不完全さが桑名を動かしているわけです。
つまり、桑名に法律は通じません。
いくら八神が「復讐は犯罪だから止めろ!」と正論を言ったところで桑名には響かないわけです。桑名だけでなくプレイヤーに対しても響かない可能性が高いです。当然これではストーリーが成立しません。
そこで、登場するのが澤陽子先生の死です。
これにより、澤先生の死に憤怒する八神に対してプレイヤーは感情移入出来るようになるわけです。
最終的に八神と桑名は法律ではなく「イジメ被害者の遺族を重視するか」「復讐殺人による第三の犠牲者を重視するか」という感情論で戦う事になります。
この時プレイヤーは「どちらの気持ちも分かるな…」という感情になり、それこそが本作が描きたかったストーリーなんですよね。
一部のプレイヤーは「八神は澤先生に執着し過ぎ!」と言いますが、むしろ澤先生の死が無くてはロストジャッジメントのストーリーは成立しなかったという事です。
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ロストジャッジメントのストーリー全体の考察記事も投稿しているので良ければどうぞ!
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