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投稿日:2023年03月17日更新日:2023年03月17日

【評価・レビュー】ウォーロンをクリアして感じた良い部分、悪い部分まとめ

3月3日、コーエーテクモゲームスから発売されたダーク三国死にゲー『Wo Long: Fallen Dynasty(ウォーロン)』、遊んでいますか?

私は先日無事クリアしたので、今回はウォーロンの良い部分・悪い部分を徹底レビューしていきたいと思います。

ウォーロンは化勁(パリィ)の楽しさを味わうSEKIRO&仁王のエッセンスを含んだ死にゲー

まず、最初にザックリと大まかな感想から話したいと思います。

一言で言えばウォーロンは『SEKIROに寄せた仁王』ですね。

『化勁(パリィ)』重視の立ち回りはSEKIROの『弾き』重視の立ち回りを彷彿とさせますし、世界観やキャラクターの挙動、ハクスラ要素なんかは仁王シリーズを連想します。

ちなみに、SEKIROはフロムソフトウェアのタイトル、仁王はウォーロンと同じくコーエーテクモゲームス(team NINJA)のタイトルです。

作品の完成度は粗削りな感じはありますが、死にゲーファンなら十分満足出来る作品だと思いました。フルプライスで購入して損はない作品だと思います。

ここからは、各要素について深掘りしていきます。

ウォーロンのストーリーは三国志を知らないとイマイチ楽しめない可能性アリ

まず、ストーリー面ですが、個人的にはイマイチだと思いました。

三国志好きな人だったり、三国志に関する知識がある人向けのストーリー構成だと思うんですよね。それに当てはまらない人は置いてきぼりになる可能性が高いです。

登場人物が多く、それぞれの人物に対する掘り下げもあまりないので、何が起きているか分かり難いですし、歴史物にありがちな難しい言い回しが多様されていて、世界に入り込めないんですよね。

その点、同メーカーが手掛けた仁王2のストーリーは、歴史を知らない人でも楽しめるよう、特定の人物にフォーカスされていて、『歴史よりも人を描いた作品』だったので、入り込みやすかったんですよね。

私は三国志について人物名ぐらいしか知らないので置いてきぼりを食らいましたが、三国志に詳しい人ならまた違った印象を受けるかと思います。

戦闘は楽しく高いポテンシャルを秘めているものの調整不足

冒頭でも触れましたが、ウォーロンの戦闘システムはSEKIROと仁王を組み合わせたようなものになっていて、素直に楽しいと思える仕上がりになっています。

アグレッシブな攻防が熱い!

ウォーロンの戦闘は他の死にゲーと比べるとかなりアグレッシブでテンポが良いです。

敵の猛攻を化勁(パリィ)でしのぐ爽快感はメチャクチャ気持ち良いですし、死にゲーでお馴染みのスタミナという概念が無いのでガンガン攻めていけるのも良いと思います。

スタミナの代わりにそれに近い『氣勢』という要素があるのですが、化勁に成功したり通常攻撃を敵に当てることで高まっていくので、アグレッシブな行動を取るほど有利になるシステムなんですよね。

逆に、従来の死にゲーのような慎重な立ち回りだと氣勢が減少して不利になってしまうので、その辺りの仕様をいかに早く慣れるかでウォーロンを楽しめるかが大きく変わってくると思いました。

1周目はゴリ押し攻略も可能。2周目からが死にゲーとしての本番

ウォーロンの難易度は死にゲーとしては低めだと思います。

マップを隅々まで探索することで『士気』を高めたり、装備を十分に強化したりすれば、大半のボスは数回リトライすれば勝てるぐらいの難易度です。

『神獣招来』のようなピンチを脱する大技もあるので、準備さえしっかりしておけばゴリ押し気味で攻略も可能です。

そういう意味では死にゲー初心者でも楽しめる作品だと思います。

しかし、2周目からが死にゲーの本番です。

2周目のボスの秘技(大技)はほぼ即死レベルなので、ゴリ押しは出来ません。

しっかり敵の技を見て対応していく立ち回りが求められるわけです。

個人的には1周目から2周目の難易度でプレイしたかったというのが正直なところですが、1周目で挫折する人を減らす為にも必要な配慮だったと言えるでしょう。

戦闘システムに対するいくつかの問題点

良く出来た戦闘システムですが、いくつか問題点もあります。

ターゲットロック機能の精度が悪い

ウォーロンでは複数戦になる場面がそれなりにあるのですが、ターゲットロック機能の精度がイマイチで、攻撃したい相手に上手くターゲットが切り替わってくれないんですよね…。

死にゲーでこれは致命的で、ターゲットの切り替えにモタついた結果そのまま死亡となるので、結構なストレスになります。

属性の相性が分かり難い

ウォーロンでは『五行相剋』といって、木、土、水、火、金の5属性があるのですが、「どの属性がどの属性に有利なのか?」が直感的に分からないんですよね。

さらに、5属性の他にも雷、毒といった属性があるのでややこしいんですよね(雷属性は木属性に含まれ、毒属性は金属性に含まれるという関係)。

結局、私は属性の相性は無視してクリアしてしまいました。もう少し分かりやすく出来たのではないかと思いますけどね…(;^ω^)

迷いやすく直感的ではないマップデザインは改良の余地あり

これは人にもよるかも知れませんが、ウォーロンのマップデザインはかなり迷いやすいと思います。

同メーカーの仁王も迷いやすかったのですがウォーロンはそれ以上ですね。

その原因として挙げられるのが『ジャンプ』アクションの追加。これにより、立体的な移動が可能なり、道順もある程度自由になったわけです。

つまり、決まった道順が無いので逆に道を覚えにくくなってしまっているんです。

また、似たような地形が多かったり、目印となるものが少ないのも迷う原因となっていると思います。

それとは別の問題ですが、進むべき道が分かり難いというのも気になりました。

今作はジャンプで足場に飛び移る場面が多いですが、飛び移れる場所とそうでない場所の見分けが付きにくいんですよね。

飛び移れる場所を探すために無駄にジャンプを繰り返す作業が発生して少しストレスでした…(;^ω^)

ウォーロンのハクスラ要素は仁王より控えめ

基本的にはウォーロンは仁王シリーズの要素を踏襲してるので、好評だったハクスラ要素も引き継がれています。

しかし、だいぶ薄味だと思いました。

ダークソウルやエルデンリングから入った人には丁度良いと思うのですが、仁王シリーズから入った人は物足りなさを感じるはずです。

仁王シリーズだと装備のレベルが細かく設定されていたり、特殊効果のガチャがあったりして、次々と新しい装備に更新していく楽しみがあったのですが、ウォーロンはダークソウルのように強化素材で段階的に強化するシンプルな仕様となっています。

装備についた特殊効果のガチャ要素はほとんど無く、素材や資金を消費することで自由に付け替えが出来るので、ドロップした装備品を拾う楽しみがほとんど無いんですよね。

もちろん、ユニークな特殊効果が付与された装備がドロップしたり、2周目以降ではレアリティ上限が引き上げられたりと、ハクスラならではの要素は盛り込まれているのですが、ドロップ率がかなり低いので意欲的に敵を狩ろうという気にならないんですよね。

開発インタビューで「戦闘をより楽しんでもらうためハクスラ要素は控えめにした」という旨の発言があったのですが、ウォーロンのメインターゲットは仁王シリーズのファンだと思うので、仁王で好評を得たハクスラ要素をわざわざ縮小してしまうのはファンの要望と噛み合っていない気がしましたね…。

この辺りはDLCで改善してもらいたいところです。

UIやシステム面の調整不足感は否めない

UIやシステム面の調整もイマイチに感じました。

全体的なUIは仁王シリーズを踏襲しているのですが、仁王2で出来ていたことがウォーロンでは出来なくなっているのが気になりました。

ハクスラゲー特有の装備厳選の操作がし難い

ハクスラゲーなら装備品の厳選をする為の機能の作り込みは重要ですが、結構不便なんですよね…。

  • 装備品の比較が出来ない
  • アイテムのロックがワンボタンで出来ない
  • 検索機能も使い難い

といった感じで、仁王2ではこの辺りがブラッシュアップされていて結構快適だったのですが、何故かウォーロンは退化してしまっているんですよね。

仁王2のシステムをそのまま持ってくれば良いと思うんですけどね…。

ロードが長い

私はPS5版をプレイしているのですが、ローディングが割と長く10秒ほどかかります。

オープンワールドならまだ分かるんですが、ステージクリア型のゲームでこれは遅いと思います。

PS4版の仁王、仁王2でもかなりロードは早かったと思うんですが、それよりも遅いのは最適化不足な気がします。

なぜかステージセレクト画面を経由しない

ロードの長さだけでなく、ロードの多さも気になります。

その原因として挙げられるのがステージセレクト画面を経由しない事ですね。

仁王シリーズだとステージクリア後はステージセレクト画面に移動するのですが、ウォーロンはステージクリア後に強制的に他のステージに移動します。

ステージセレクト画面に移動するには、どこかしらのステージのチェックポイントまで行って、そこでメニューを開いて移動しないといけないんですよね。

つまり、行きたくもないステージをいちいち経由する必要があって、無駄にロード画面を挟むことになるので、ロードが頻発するんですよね。

開発スタッフやテストプレイヤーはこれで遊びにくいと思わなかったのでしょうか…?

ウォーロンの得点

82 / 100
82 / 100

※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。

項目別評価

グラフィックス ☆☆☆☆★
全体的なクオリティは高いものの、PS5のポテンシャルを発揮出来ているとは言い難い
サウンド ☆☆☆☆★
一部のボス戦の曲はキャッチーで良かったが、ほとんどは記憶に残らない印象
熱中度 ☆☆☆☆☆
死にゲーとしてのクオリティは高く夢中になれる
ボリューム ☆☆☆☆★
一般的なゲームボリュームであるものの、ハクスラ要素が物足りない印象。DLCで改善を期待
遊びやすさ ☆☆☆★★
UIやシステム面の不備だったり、戦闘面の操作性(ロックオン機能)にも一部改善の余地あり

ウォーロンは粗削りだが秘めたポテンシャルは高い。今後のアップデートやDLCに期待

というわけで今回は、ダーク三国死にゲー『ウォーロン』のレビューをしました。

率直な感想としては、価格相応には楽しめる良作だと思いました。

化勁を駆使したスピーディーなアクションは爽快ですし、1周目はある程度ゴリ押しも可能なライトな死にゲー2周目からは本格的な死にゲーということで、ユーザー層も広めだと思います。

UIやシステム面に調整不足な部分があることや、ハクスラ要素の薄さは気になりますが、この辺りはアップデートやDLCで改善されれば文句無しですね。仁王シリーズもDLCでだいぶ良くなったので期待して良いでしょう。

購入を検討している人の参考になれば幸いです。

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