【評価・レビュー】神ゲー?クソゲー?「人喰いの大鷲トリコ」の良い点と悪い点をまとめました
7年もの開発期間を要してようやくリリースされたPS4期待の新作「人喰いの大鷲トリコ」。本作品の主役の一人である大鷲トリコのルックスはまるで犬。「大鷲じゃなくて犬鷲だろw」というツッコミ待ちをしているとしか思えないネーミングと言わざるを得ません(笑)
PVを見て個人的に結構期待していた作品だったので発売日に購入したんですが、正直な感想を言うと「色々と難ありなゲーム」と言わざるを得ません。独自の世界観だったり、技術的な挑戦であったり、色々と「こだわり」を感じるゲームであることは間違いありませんが万人にはオススメ出来ません。今回のレビューではその理由を詳しくにまとめていきます。
この記事の目次
人喰いの大鷲トリコの世間的な評価は?
このゲーム、Amazonのレビューを見るとかなり高評価なんですよね。
「トリコと次第に心を通わせていく過程が楽しい」、「ヒント無しの謎解きが楽しい」という点を評価している傾向にありますね。しかし、レビューをよく読んでみると「カメラワークが悪い」「ストレスが溜まる」という感想を大半の人が持っているんですよね。
おそらく過去作品である「ICO」や「ワンダと巨像」をプレイしている人は「耐性」があるため軒並み評価が高いのだと思います。しかし、私個人としては「カメラワークが悪い」「ストレスが溜まる」という欠点は致命的でした。Amazon風に採点するなら星2つ半ぐらいでしょうか。
「カメラワークの悪さ」と「トリコの頭の悪さ」は本当にストレスが溜まる!
いきなりネガティブな感想になりますが、これだけは言っておかなければならないと思うので言います。
「人喰いの大鷲トリコ」には数々のストレスがあるんですが、大部分はゲームに慣れれば解消されていくので良しとしましょう。しかし、「カメラワークの悪さ」と「トリコの頭の悪さ」だけはゲームの致命的な欠点だと思うんですよね。
どういうことかと言うと、本作品は「ノーヒントの謎解き」が特徴なので自分でカメラを操作して周囲を見渡す必要があるんですよね。しかし、カメラワークが悪いので見たい場所が見れないんです。だから、理不尽に難易度が上がってしまいストレスが溜まっていってしまうんですよね。さらに、本作の一番の魅力であろう「トリコの可愛らしいリアクション」もカメラワークが悪いので十分に堪能することが出来ません。非常に勿体ない。
「トリコの頭の悪さ」については、「動物なので言う事を聞かないのは仕方が無い」と考えることも出来ますが、運が悪いと「ひたすら言う事を聞くまで待ち続けて15分…」とか普通にあるんですよね。現実のペットであればその15分に様々な試行錯誤が出来ますし、無理に芸を仕込む必要すらありませんよね。しかし、ゲームの中ではその試行錯誤は無意味です。「この場合はこの行動を取るべき」というのが決まっているからです。そして、その作業が強制されるわけです。そういう事がクリアまでの20時間ずっと続きます。
また「トリコの頭の悪さ」は、「この攻略方法が本当に正しいのか?」という疑念を生む原因になってしまうんですよね。トリコが賢ければ「よし、この攻略方法は正しいんだな」と分かりますが、頭が悪いと攻略方法が間違っているのか、それともトリコの反応が悪いだけなのかが分からず無駄に時間を浪費してしまうんです。
個人的に「リアルな時間を無駄に消耗していく」のはホント「苦行」の一言でしたね(実は途中でプレイを投げたのですが「クリアしないと勿体ない」と思ってなんとかクリアしたという経緯があります…w)。
ノーヒントであるならカメラワークやキャラクターの挙動の快適さは必須だと思うんですよね。それらが疎かになってしまっているので十分に謎解きが楽しめないという状況になってしまっているんです。
この点については開発者の「調整不足」の一言に尽きると思います。開発期間7年を費やして基本的な部分が出来ていないのは正直ガッカリでしたね。
トリコのリアリティのあるリアクションと巨大さは魅力
このPV(トレーラー)を見て、「迫力すごい!」とか「トリコ可愛い!」と思った人は多いと思います。このゲームにおける一番の魅力はまさにこれだと思いました。
PVにもあるように、トリコはその巨大さゆえ行く先々を破壊しながら進むわけですが、その迫力は他ではなかなか体験できないので、この点は必見ですね。通常は少年の低い視点でゲームが進んでいくので、トリコに捕まってジャンプする時なんかは一気にビルの屋上までを飛び上がる様な爽快感があります。
そしてトリコの可愛さですが、中でも萌えるのが扉から顔だけ出すこの仕草!これだけでご飯3杯はいけますね(笑)
普通に謎解きを攻略してクリアを目指すのではなく、トリコの可愛い仕草を堪能することに比重を置いた方がこのゲームを楽しめると思いました。また、単純に「トリコの可愛い仕草が見られるだけで満足!」という人は言うまでもなく買いでしょう(笑)
より迫力のシーンを楽しみたいという人は、アンチャーテッド4やライズオブザトゥームレイダーもオススメですよ。トータルのクオリティではこの2本の方が圧倒的に高いので未プレイの方は是非遊んでみてください。
ストーリー面は序盤は微妙だが中盤からは面白くなる
ストーリーに関しては前半は全く魅力無しです。というよりストーリーを読み取ることが不可能なんですよね。なぜなら序盤ぐらいまではひたすら地味な謎解きをするだけだからです。
また、同じような謎解きだったり、同じようなシチュエーションだったり、同じような場所だったりが続くのでしんどかったですね。
しかし、中盤からは派手な演出が増えたり、変わったロケーションが登場したり、ストーリーの全体像が見えてきたりするので、「先の展開を知りたい」という衝動に駆られプレイを進める意欲が湧いてきました。特にラストの展開は涙なしではいられませんでしたね(涙が出たかは定かではありませんが)。ラストの展開だけで「あぁ、いい作品だったな」と思わせてしまうぐらいの魅力がありました。
おそらく序盤だけやって「しんどいし、つまらないから止めよう」と思った人が多いと思うんですよね(私がそれで1回ドロップアウトしましたからね)。序盤にもっとストーリーを感じる展開だったり、迫力のイベントを盛り込めば評価も違ったと思います。「つかみ」って大事ですからね。
ノーヒントの謎解きは評価が分かれる
今ある大半のゲームは「次にやるべき事」が指示されるのでプレイヤーは迷うことなくゲームを進めることが出来ます。しかし、本作品にはそういった「親切さ」は一切無しです。
謎解き自体は難しくはないのですが、ちょっとした「見落とし」をして行き詰ることがよくあります。
例えば、他のゲームでは「ここ絶対進めないだろ」という場所が進むべき場所だったりするんですよね。なので、今までのゲームの固定観念がある人ほど苦労すると思います。逆に、現実世界を探索するような感覚で攻略出来れば楽しめると思います。ただ、前述した「カメラワークの悪さ」と「トリコの頭の悪さ」がネックになるんですけどね…。
人喰いの大鷲トリコの得点
※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。
項目別評価
- グラフィックス ☆☆☆★★
- 主役であるトリコの作り込みは凄いが、元々PS3向けに製作していたこともあり全体的に荒さが目立つ。特にプレイヤーキャラクターの少年はもう少し何とかならなかったのだろうか…。
- サウンド ☆☆☆☆★
- 特に不満なし。ただ印象に残るものも無かった。
- 熱中度 ☆☆★★★
- 終盤の盛り上がりは良かったが、そこに辿り着くまでに何度挫折しそうになったことか…。
- ボリューム ☆☆☆★★
- 大体20時間くらいでクリアできるボリューム。トロフィー以外これといったやり込み要素は無いので一度クリアしたら十分。価格を考えるとボリュームは少ないかも。
- 遊びやすさ ☆★★★★
- PS4タイトルで1,2を争う遊び難さ。とにかくストレスが溜まるので長時間連続プレイには注意。ここさえ改善すれば良ゲーだったかも知れないだけに残念。
個人的には低評価になってしまいましたが、Amazonのレビューを見れば分かるように、私は少数派なのかもしれませんね。点数に惑わされずにレビューの内容で購入を検討した方が良いかと思います。
人喰いの大鷲トリコはオススメか?
かなり評価が難しいゲームですね。
クソゲーか?神ゲーか?と問われたら、「あと一歩で良ゲーになりそうでなれなかったクソゲー」と言えるかもしれません。あくまで主観ですけどね。
私の様に「攻略を楽しみたい」という人には正直オススメ出来ません。ひたすらストレスが溜まるからです。しかし、トリコの可愛さや迫力のシーンにおける魅力が前述した欠点よりも上回っていると感じたのであればこのゲームは買いだと思います。また、これまでのゲームとは一風変わった作品なので、「これまでとは変わった作品を楽しみたい」という人にもオススメかも知れません。
単純にトリコとの触れ合いを楽しみたい、迫力のイベントシーンを見たい、けど、謎解きは面倒って言う人は攻略サイトを見るのもアリだと思います(実は私も途中から心折れて攻略見ました…w)。また、確実にストレスはたまるので、一気にプレイするのではなく1日1時間と時間を決めて遊んだほうがストレスを溜めずに楽しめると思います(それが一番の攻略方法かもしれません)。