【評価・レビュー】『龍が如く極』は1作目からどう進化したのか?辛口レポートします!
PS4とPS3で発売された龍が如くシリーズ最新作『龍が如く 極』を早速プレイ&クリアしたので、このソフトをプレイした感想、良い部分、悪い部分などをレポートしていきます。
この記事の目次
『龍が如く 極』は1作目のリメイク作品なので目新しさは無いが良作には違いない
龍が如く1作目が発売されて10年が経ち、私も約10年ぶりに”初代”龍が如くの世界感を『極』を通して堪能しました。
グラフィックやゲームシステムは前作『龍が如く0』がベースになっているので、1作目のストーリーをリアリティのある空間で体験出来るのは単純に良かったと思います。また、オリジナル版の遊び難さ(カメラワークやインターフェース)が改善されているのも良かったです。
ただ、基本的な追加エピソードを除けば、グラフィックや音声が一新されている以外はほぼ変わらないので、新鮮な感じはしませんでしたね。これがPS2じゃなくPS1からの移植なら大分衝撃を受けたと思いますが、PS2からの移植だと元々グラフィックもそれなりに綺麗だから完全リニューアルのような一新された感は感じませんでした。
それでも、1作目のストーリーは兄弟対決ということで、全シリーズの中でも一番重いテーマで、1作目にしてクライマックス的なストーリーなんですよね。10年ぶりと言うこともあって、私は十分に楽しめました。追加エピソードで親友だった錦山が非道に堕ちていく様が描かれていたり、真島との因縁について知ることが出来るのも良かったです。
あと、有名人を実名で起用することでお馴染みの龍が如くシリーズですが、本作では柔道家の篠原信一が出演しています。サブイベントで登場しクリアすると闘技場で戦うことが出来ます。セリフの棒読みっぷりには驚愕しました。 笑
『龍が如く0』で登場したキャラクターの17年後の姿が見られるのは楽しい!
オリジナル版では無かった要素の1つとして、『龍が如く0』との繋がりがあります。
『龍が如く 極』は『龍が如く0』の17年後が舞台になっているんですが、『龍が如く0』で登場した一部のキャラクターが登場しているんですよね。17年ぶりの再会ということで、小学生は社会人になり、アラサー青年は初老を迎えました(笑) ポケサー(ミニ四駆みたいなもの)関連のイベントは特に楽しめましたね。
昔遊んだドラクエ5の奴隷生活によって長い年月が経過して10年ぶりに再会する演出に共通する熱いものがありましたね。「別れと再会」という演出の良さは普遍的なものだと感じました。
新要素『どこでも真島』は楽しいけど進行が遅いのが欠点
『龍が如く 極』で新しく追加された要素で一番の目玉は、桐生の宿敵である真島の兄さんが桐生をストーカーをする『どこでも真島』システム。
このシステムは文字通り「どこでも真島の兄さんが絡んでくる」システムです。多く絡むことで「因縁度」が高まり、格闘スタイルの一つである『堂島の龍』の力を取り戻していきます。
例えば、通行人に紛れて襲ってきたり、道路にある巨大なコーンやマンホールの中に隠れて奇襲してきたり、ボーリングやポケサー勝負に挑んできたり、さらにはキャバ嬢に扮したりと、ゲームシステムのあらゆる要素に真島の兄さんが絡んでくるんですよね。なので、単調になりがちなゲームに新鮮さが加わり良いと思いました。
ただ、メインストーリーにはほとんど関連しないので、意識的に進行させていかないと全く進まないんですよね。なので、普通にプレイしていると最強の格闘スタイルのはずの『堂島の龍』が全く強くならないというジレンマを多くの人が体験します。
新要素『メスキング』の楽しさは分からなかった
もう一つの新要素として一大ブームを巻き起こした『ムシキング』のパロディ『メスキング』をプレイする事が出来ます。これは前作にあったキャットファイトに代わりとなるものですね(このネーミングは人権団体の人が怒りそうな予感・・・w)。
遊び方はいわゆる『じゃんけん』方式のカードバトル。運の要素が強く、ほとんど見ているだけなのでゲーム的な楽しみは薄いですね。
このゲームの楽しみ方は、神室町各地に落ちているメスキングカードを収集し、昆虫に扮した女性達がキャッキャッする姿を堪能するというものなのでしょう。
かつて『ムシキング』が子供達の間でブームになったこともあるので、ハマる人はハマるのかも知れませんが、私はイマイチだと思いました。
グラフィックは綺麗になったけどカメラワークは流用なので既視感が強い
グラフィックや音声は一新されサブイベントなども大きく変更されているので、一見すると別ゲーと言えるくらい変わっているのかなと期待していたのですが、メインストーリーイベントのカメラワークが全く同じなんですよね。
なので、別ゲーと言えるぐらい綺麗になっているけど「なんか見覚えある」、そんな感覚なんですよね。
個人的には音声はそのままで良いからカメラワークは一新して欲しかったですね。その方が変わった感が感じられたように思います。詳細は以下の画像を見比べてみてください。
いかがでしょう。
間違いなく格段に進化しているものの、全く同じカメラワークなので、新鮮さは薄いと感じたのではないでしょうか?
『龍が如く0』と比べるとボリューム不足感は否めない
『龍が如く 極』はオリジナル版『龍が如く』よりも格段にパワーアップしている事は間違いないのですが、前作『龍が如く0』と比べると大分物足りない印象ですね。
『龍が如く0』は東京と大阪の2箇所が舞台であり、主人公も桐生と真島の2人、戦闘スタイルも2人分あり、更に『不動産経営』、『キャバレー経営』という1本のゲームとして成立するぐらいのコンテンツも用意されていました。それに対し『龍が如く 極』は舞台は東京のみ、主人公は桐生のみ、戦闘スタイルも一人分、経営コンテンツは無しという寂しさです。
その分価格は安めで(Amazonだと2,000円ほど安い)、予約特典で『龍が如く6』の体験版も付くことも考えれば、許容範囲内の価格設定だと思います(1作目をプレイした事が無ければ普通にお買い得ですよ)。
PS4版『龍が如く 極』の得点
※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。
項目別評価
- グラフィックス ☆☆☆☆★
- 基本は美しく滑らかなグラフィックだが、一部オブジェクトが汚さが目立った
- サウンド ☆☆☆☆☆
- リメイクに際して音声をリニューアル。より臨場感のあるものに進化しています。
- 熱中度 ☆☆☆☆★
- オリジナル版経験者が楽しめる要素が少なめだと感じた
- ボリューム ☆☆☆★★
- 前作と比較するとサブコンテンツに物足りなさを感じる
- 遊びやすさ ☆☆☆☆★
- 安定のシリーズ物なので大きな不満は無いが、アイテムボックスは廃止したほうが良いと思う。
『龍が如く 極』をオススメ出来る人、出来ない人
良くも悪くも『龍が如く 極』は1作目のリメイク作品です。ゲームシステムは『龍が如く0』がベースになっていて遊びやすくなっています。新要素もあります。
ただ、メインストーリーのイベント演出はほぼ同じなので、最近1作目を遊んだという人にはフルプライスでの購入は強くはオススメ出来ません。私は10年ぶりなことと、体験版目的だったので買って良かったと思っていますが、本編のリニューアルに期待しすぎるとガッカリするかも知れません。
逆に、1作目をまだプレイした事が無いという人は、間違いなくオススメです。
つまり、過度なリメイクを期待して購入しない限りは損は無いと思うので是非遊んでみてくださいね。
もし、『龍が如く0』を遊んでいなければ是非遊んでみてください。これぞエンターテインメント!っという言葉がピッタリ当てはまる最高の作品です。