【評価・レビュー】シリーズ完結作の序章『メタルギア ソリッド5 グラウンド・ゼロズ』の良い部分、悪い部分
先日投稿した「メタルギアソリッド5グラウンド・ゼロズ(MGS5 GZ)」紹介記事に続き、今回はレビューということでこのゲームの長所・短所を評価していきます。もちろんクリア済みです。
この記事の目次
ストーリー面:MGS5序章ということもありメインストーリーはかなり短い。
まず、ゲームを起動すると前作MGS4のように眠たくなるようなインストール時間も無くスムーズにプレイを開始できます。そして始まるオープニング。これは以前コナミが公開したものと同じですね。プリレンダムービーでは無い為、PS4版では60fps、1080pの美しい映像が堪能できます。
METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES – OPENING
本作、メタルギア ソリッド5 グラウンド・ゼロズでのスネークの任務は「捕虜であるチコとパスの救出」ですが、合間にちょっとしたイベントシーンが入るだけで、ほとんどプレイ中のストーリー進行はありません。ミッション終了後に少し長めのイベントシーンがあるだけです。序章なのでそんなものと言えばそんなものですが、全10話の連続ドラマで言えば1話で終わる感じです。しかも、その大部分がPVやCMなどで使われているシーンなので新鮮味は全くありません。というわけで本作のストーリーはおまけ程度ですね。PV見れば推測できる範囲です。
1話分の内容なのでイベントをスキップして最短ルートでチコとパスを救出するだけであれば20分でクリア出来てしまいます。
それと本作はPSPで発売したMGSピースウォーカーの流れをくむ作品なので、未プレイだと「チコ?パス?何それ?」って状態になります。一応、テキストの資料はありますが映像がないとイメージしにくいです。
アクション面:今までより柔軟なアクションが可能になりアクションゲームとしての面白さが向上
次にアクション面です。MGSはアクションゲームですからアクションが楽しくなくては本末転倒です。MGS5になってアクションの自由度が増しました。代表的なのが全力疾走(L3押し込み)が可能になったことがあげられます。フィールドが広くなった為重宝します。基本隠密行動にする必要があるので使いどころを考えないといけませんが敵に見つかった時に逃げ安くなりました。ある程度の遮蔽物であれば飛び越えるたり、倒した敵を敵を担いで素早く隠すこともできるようになっていたりと全体的にスピーディーで快適な操作性に進化しました。
また、MGS5では車両に乗れるのですがこれに関しては難ありですね。乗り物自体の操作性は普通なのですが遮蔽物がかなり邪魔です。他のオープンワールドゲームであればフェンスなど重量が無い物であれば壊せるのですがMGS5ではびくともしません。装甲車がペラペラのフェンスに道を阻まれるという不自然さ。この辺は結構ストレスでしたね。
そして、MGSシリーズの肝というべきステルス要素。本作は見つかりやすいです。本作は従来作品にあったレーダーは廃止されスコープで敵をマークしていくという方法になりました。マークすれば敵の距離と方角が分かるようになりますが、マークし忘れた敵の位置は不明なので出会い頭で敵と遭遇するということもあります。そして、見つかりやすくなった反面、逃げ切りやすくなりました。従来どおり人目の付きにくい場所に身を隠すほかにも、フィールドが広い為とにかく遠くに逃げてやり過ごすことも可能です。さらに、見つかった瞬間スローモーションになるのでその間に敵を倒すことでも回避可能です。
最大の魅力:ミッション攻略のバリエーション
本作の最大の魅力はミッション攻略のバリエーションが豊富な点にあると思います。このような攻略方法が可能です。
- 敵の少ないルートを探し安全に攻略
- マガジン(空の弾倉)などを投げて敵の注意をひいてその隙に攻略
- 車両を奪って敵地に侵入(車両に入れば敵に見つかりにくくなる)
- 先手必勝。目に付く敵を倒しながら攻略。
- 敵を脅迫したり人質にとったりして有利に攻略
などなど色々な戦略が可能でプレイスタイルは人それぞれです。最短ルートで進行するとあっという間にクリアしてしまう本作ですが、色々な方法で攻略すれば十分楽しめます。特に最後にある「敵を脅迫したり人質にとったりして有利に攻略」というのはMGSシリーズならではの要素です。他のゲームでは味わえない魅力です。
本編をクリアするとサブミッションがいくつか追加されますが、オープンワールド化したこともあってか同じマップでプレイをしているのにも関わらず不思議と新鮮な気分でプレイできます。
メタルギア ソリッド5 グラウンド・ゼロズの得点
※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。
項目別評価
- グラフィックス ☆☆☆★★
- 60fps、1080pということでPS4でないと実現できないグラフィックスではありますが、他のゲームと比べてテクスチャがあまり綺麗では無い、スネーク以外のキャラクターモデルのポリゴンが荒い(特にチコとパスは本作の主要キャラなのでもう少し作りこんで欲しかった)ということもあり、驚くほど凄いとは感じませんでした。あと、遠景がすかすかなのが気になります。ライティング(特に晴天の昼間や夕方)は自然でフォトリアルだと思います。
- サウンド ☆☆☆★★
- 可もなく不可もなくといったところでしょうか。
- 熱中度 ☆☆☆☆★
- 自分なりの攻略方法を考えるのが楽しいです。繰り返しプレイを楽しむ為のゲームだと思います。
- ボリューム ☆☆☆★★
- メインストーリーは完全におまけでPV見れば事足りる内容です。しかし、サブミッション攻略、達成率100%を目指したり、ランキングを競ったりとやれることは多いです。
- 遊びやすさ ☆☆☆★★
- 従来シリーズよりも確実に遊びやすくなっています。軽快です。車両の操作に不満あり。GTA5のように建物の屋根などどこでも行けることを期待しては駄目です。
メタルギア ソリッド5 グラウンド・ゼロズの長所・短所まとめ
長所
- 快適な操作性。より自然なアクションが行えるように
- オープンワールド化。攻略のバリエーションが多彩に
- 迫力のイベントシーン
- サブミッションやランキングなどのやり込み要素
短所
- ストーリーがほぼ既出情報と変わりなし。短い。
- メインストーリーのみ目当てで買うと後悔する
- 壊れない建造物
- オープンワールドと呼ぶには狭いフィールド
- キャラクターモデル・テクスチャが荒い
メタルギア ソリッド5 グラウンド・ゼロズはこんな人にオススメ
- オープンワールドの広大なフィールド(といっても本作は基地敷地内だけですが)を自由に動き回りたい。
- スニーキング(隠密行動)で他のアクションゲームとは異なる緊張感を楽しみたい。
- 敵を脅迫したり、人質を取ったりといった多彩な行動をしたい
- スニーキングも良いけど普通にTPS・FPS的な遊び方もしたい
- 前作MGS4でムービーばかりで遊べる部分が少ないと感じた方
- MGSシリーズファン(特にピースウォーカーのファン)
難しくて進めないという人にプチ攻略情報
先述しましたが本作は今までよりも敵に見つかりやすいため難易度が高く感じるかもしれません。しかし、スコープで敵をマークし位置を把握することで大幅に進めやすくなります。敵と遭遇しやすい場所ではしゃがみながら移動しましょう。姿勢が低いほど敵につかりにくくなります。また敵が多いところでは、マガジンを投げて敵を一人ずつおびき寄せて倒しましょう。とにかく慎重に行動し見つからないようにすることが攻略の秘訣です。
プロローグ版を有料で出す必要性について
何度も言うように本作は1話だけを納めたプロローグ作品。メインストーリーだけであれば体験版と言われても仕方がないボリュームです。「体験版を有料で販売する必要があるのか」という議論がネット上でされていますが、私はやむを得ないと思います。
前作MGS4の開発費が50億円弱と噂されていますが、本作はスケールが大きくなった為さらなる費用が必要になることが予想されます。数年にわたる製作期間を要する作品ですから発売されるまではそこからの収入は発生しないわけです。しかし社員には給与を支払わなければなりません。そこで登場する苦肉の策が有料体験版ってことです。
有料体験版の他にも過去作のリメイク、スマホゲームは少ない開発資金で多くの利益を得られるため手を出すメーカーが多いわけです。皆生きる為に必死なわけです(笑)
まとめ
ゲームとしては普通に楽しめますが、次世代感が感じにくい作品だと思いました。逆にPS3版のほうが感動できたかも知れません。
ボリュームのほうもサブミッションやランキングなど楽しみたい人であれば値段相応に楽しめると思います。メインストーリーやっておしまいって人だと厳しいです。
また、本編MGS5ファントムペイン発売まで購入を待つという人もいると思いますが、本編には本作は含まれる可能性は少ないと思います。おそらく本編と本作のツインパックは出そうですが。いずれにしろ、本作は連続ドラマの1話目にあたる作品ですから、100%MGS5を楽しみたいという人は本作の購入は必須です。本編が出るのは1年以上先でしょうから先行体験という意味で今のうちにプレイしたほうが良いかも知れません。1年後にプレイしても感動は薄いでしょうからね。
今なら本編MGS5 TPPとセットになってお得に買えるのでオススメです。