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投稿日:2022年11月03日更新日:2023年07月21日

【評価・レビュー】神ゲー?クソゲー?グランツーリスモ7の進化と劣化を徹底解説

GT7ことグランツーリスモ7が発売から半年以上が経ちましたが、世間では評価が二分しているように見受けられます。

確かに、欠点はそれなりにあるのですが、『シリーズ集大成に相応しいクオリティ』というのが私の率直な感想ですね。

というわけで、今回は『グランツーリスモ7』のレビューを徹底的にしていきます。

なお、オンラインプレイが楽しい事は周知の事実なのでそこには触れません。今回はオフライン、シングルプレイの部分をレビューしていきます(‘ω’)ノ

この記事の目次

グランツーリスモ7は過去作をベースにクオリティを底上げした『シリーズ集大成的作品』と言える仕上がり

繰り返しになりますが、グランツーリスモ7がシリーズ集大成に相応しいクオリティに仕上がってる事は間違いないでしょう。その理由を深堀していきます。

透き通る空気感。より磨きがかかった美麗なグラフィック

もはやシリーズ恒例ですが、グラフィックの進化がスゴイです。

PS4からPS5にプラットフォームが移ったことで、ネイティブ4K解像度で動作するようになったので、ざらつきの無いクリアな映像に進化しました。

前作、GT Sportではダイナミック4Kを採用していましたが、43型の4Kディスプレイだと若干ざらつきがあったんですよね。このざらつきがGT7では無くなり、メチャクチャ鮮明になっているんですよね(*’ω’*)

グランツーリスモ7のモデリングはGT Sportをベースにしているので、パッと見はあまり進化が無いように感じますが、遊び比べると全く違うんです。ダイナミック4Kとネイティブ4Kの差は大きいと感じました。

また、膨大な気象データによるリアルタイムな天候変化や時間経過のおかげで、同じ曇天でもその時々で風景が違って見えるのがとても新鮮に感じました。

ひたすらやり込める膨大なコンテンツボリューム

グランツーリスモ7は久々のナンバリングタイトルという事もあり、シングルプレイ要素が大幅に拡充されました。

過去作の『GTモード』に当たる『カフェモード』、お馴染みの『ライセンスモード』、コースの攻略法を学ぶ『サーキットエクスペリエンス』、バリエーション豊富な課題に挑戦する『ミッション』、そして世界中のプレイヤーと競う『オンラインレース』といったモードでとことん走り込むことが出来ます。

さらに、膨大な数の車種を集めるのでコレクション性も高く、ファン待望の『ユーズドカー(中古車)』要素が復活したのも嬉しいですね。ユーズドカーの価格に現実世界の中古車相場が反映されているのは芸が細かいと思いました(そのせいで90年代のスポーツカーは高騰していますが…w)。

リアルタイムな天候変化と時間経過で戦略性が向上

リアルタイムな天候変化と時間経過は見た目だけではなく戦略性にも影響します。

特に、今回はレースの途中で雨が降ってくることがあるので、状況に応じてタイヤの履き替えが必要になります。

難しいのが、小雨だったり、すぐ雨が止んでしまうケースもあるので、タイヤを変えずに走ったほうが良い場合もあるということなんですよね。

また、夜間は視界が悪くなるので、より慎重なドライビングが必要になります。

この要素が導入されたことで、過去作よりも難易度が上がったと感じましたが、タイヤコンディションや時間経過による視界の変化を考えながら走るのは楽しいと個人的には思います(‘ω’)

気分を高揚させるリアルなエンジン音やマフラー音

グランツーリスモと言えば「サウンドがイマイチ…」というイメージが強かったと思いますが、本作では大幅に改善されましたね。思わずBGMをオフにしてプレイするぐらい気持ちの良いサウンドに仕上がっています。

エンジン音やマフラー音はかなり迫力があるものになっていますし、特に他車と混戦状態になった時のサウンドはエグいですw おそらく、PS5の3Dサウンド機能の効果もかなり効いているのだと思います。

また、スキール音なんかもより自然なものになっているので、ドリフト時の高揚感もたまらないですね(*’ω’*)

ディテールが強化されてよりリアルな表現に

グラフィックのディテールも強化しっかりと強化されています。

例えば、本作では新たに土や草を巻き上げるエフェクトが実装されていて、映像のリアリティが底上げされているんです。

書き割りの絵ではなく物理演算によって実装されているので、地面に砂や石が散らばる表現がかなりリアルなんです。思わずコースアウトしたくなる魅力があるんですよね(笑)

車の挙動を直感的に知ることが出来るフィードバック機能が地味にスゴイ

これはPS5版のみの機能ですが、次世代の振動機能である『ハプティックフィードバック』が結構プレイフィールに影響していると思いました。

最初は「まぁ、こんなものかな」といった程度の感想だったのですが、走り込むほどに「いや、やっぱスゴイかも…」と実感出来る手応えを感じたんですよね。

特に、タイヤの摩耗を意識しないといけないシビアな状況で効果を実感しやすくて、アクセルを踏み過ぎたりステアリングを切り過ぎると、タイヤに負荷がかかり、よじれるような感触があるんですよね。

コントローラーを通じて車と対話する感覚が新しく、かつ、車との一体感を感じられて操る楽しさが向上していると感じました。

一方、PS5の新機能『アダプティブトリガー』はそこまで劇的な効果は感じませんでしたが、適度にトリガーに手応えがあるのでパーシャル(アクセル半開)がしやすくなっていると思いました。

コンマ1秒を削るのが楽しい

今作はナンバリングタイトルという事で、チューニング要素もフルに楽しめます。

色々と設定を変えてタイムを削るのがメチャクチャ楽しいんですよね。

また、チューニング以外でも『ライセンス』や『サーキットエクスペリエンス』などのお題をクリアして、オールゴールドを目指すといったグランツーリスモシリーズお馴染みのやり込みも熱いです。

充実したアシスト機能で初心者でも楽しめる

アシスト機能の充実も初心者にはありがたいと思います。

サーキット攻略に便利な視覚的アシスト(ブレーキング位置や走行ラインの表示)、レースゲーム初心者向けの操作アシスト(オートステアリング、オートブレーキ)、現実にもある電子制御機能(トラクションコントロール、スタビリティコントロール)といったものがあり、プレイスキルに応じて細かくカスタマイズ出来るのは嬉しいです。

それ以外にも、敵車のレベルが3段階から選べるので、『あえて全アシストをOFFにして、敵車のレベルを下げる』という事も出来ます(ちなみに、本作は敵車がだいぶ速いので途中からイージーに下げました…w)。

グランツーリスモ7が一部でクソゲー扱いされて、値崩れしている理由

続いて、一部でグランツーリスモ7がクソゲー扱いされて値崩れしている件について触れていきます。

全車種コンプリートを目指すのはまず無理!

まず言われているのが、「登場車種の数に対してレースの賞金額が少ない」という事ですね。

これは個人的にはそこまで気になりませんでした。

というのも、『カフェ』モードを進めればプレゼントカーが次々と手に入りますし、『サーキットエクスペリエンス』を攻略すればかなり高額な賞金がもらえるからです(ただ、初期バージョンだとサーキットエクスペリエンスは無報酬だったようです)。

また、『カフェ』モード後半まで進めれば、1回のレースで高級車が1台買えるぐらいの賞金がもらえるようになるので、「欲しい車が買えない」なんて事にはならないので安心してください(一般的なプレイヤーなら課金は不要です)。

ただ、桁違いの金額が設定された『レジェンドカー』を入手したり、全車種のコンプリートを目指すとなると苦行になるので、そういうこだわりがあると「クソゲー!」となるかも知れませんね(;^ω^)

一部のチューニングパーツはガチャ仕様で入手困難

グランツーリスモ7ではチューニングパーツを購入出来るわけですが、通常の方法では入手できないレアパーツが存在します。

イベントクリア(初回のみ)やデイリーチャレンジを達成するともらえる『ルーレットチケット』で当たると入手出来るのですが、完全にガチャ仕様なので『どれだけ時間をかけても入手出来ない可能性がある』んですよね。しかも、ルーレットチケットは課金では手に入りません

しかも、このレアパーツは装着できる車種が決まっているので、ほとんどの場合は「入手しても使わずお蔵入り」になります。

これも意見が分かれるところだと思いますが、個人的にこういったお金や時間ではどうにもならないランダム要素がある程度有っても良いと思いました。運良く手に入った時の嬉しさはひとしおですからね。

個人的にグランツーリスモ7で残念に感じた部分

つぎに、個人的にグランツーリスモ7でイマイチだった部分を紹介します。

『ミュージックラリー』モードがクソつまらない

グランツーリスモ7を始めて起動すると最初にプレイさせられる『ミュージックラリー』が、控えめに言って「クソつまらない」と思いました(;^ω^)

簡単に言うと、「お題の音楽が終わるまで走り続ける」というだけのモード。

開発者が言うには「音楽を楽しみながら、リラックスしてドライブする」がコンセプトみたいですが、開発者がチョイスした曲を無理矢理聴かされてドライブとか苦行でしかないんですよね(最初にプレイ出来るのがゴリゴリのクラシックという…)。

また、普段のレースよりも音楽の音量が大きく設定されているので、MT操作だと音楽がうるさくてシフトチェンジのタイミングが分からないという本末転倒な状況になるんです…。

この欠陥だらけのモードを、一番最初に強制的にプレイさせるわけですから、「とんでもないクソゲーを引いてしまったのでは…?」と当時は本気でそう思っていました(笑)

PS5版のレイトレーシングの品質が酷過ぎる

グランツーリスモ7の製作発表がされた当時はレイトレーシングの採用を前面的にアピールしていましたが、実際にリリースされたものは正直微妙過ぎました。

まず、レイトレーシングが適用されるのはリプレイとフォトモード、そして一部の観賞用モードに限定され、レース中、自分が操作している時は適用されないということです。

そして、レイトレーシングの品質自体に問題があります。

車種やカラーリングで大きく変わるのですが、特にシルバーやメタリック系の車だとぼやけた感じになるんですよね。これならレイトレOFFの方が全然綺麗です(私が現実でも乗っているS15シルビアのシルバー色だとご覧の有り様です…)。

唯一、フォトモードだけはレイトレーシングの恩恵が感じられるクオリティにはなっていますが、これも撮影条件によっては品質の低下が感じられました。

ちなみに、フォトモードのベストショットはこちら。

ロードスターのボディに86が美しく映り込んでいます。こういう表現はレイトレーシングならでは!

ミラーの表現が現実に忠実なのもレイトレーシングならではですね。レイトレOFFだとミラー部分は『はめ込み映像』風になるのですが、レイトレONだとキチンと計算して反射しているので、自車のボディが映り込んでいます。

画面の切り替えのテンポが悪い

本作ではあらゆる場面で『画面がゆっくりとフェードアウトして暗くなり、フェードインしながら次の画面に切り替わる』という演出を採用しています。

これ自体は『上質感』を演出する為だと思うので仕方ないと思いますが、画面の切り替えがあまりに多過ぎるんですよね。そのたびにフェードイン・フェードアウトを繰り返すので、結構ストレスになります。

しかも、ローディングとは関係無さそうな部分もそんな調子です。

もう少し画面の行き来を減らすようなUI設計に出来なかったのかと悔やまれますね…。

『カフェ』モードを軸にしたゲーム進行には好みが分かれる

本作のシングルプレイのメインモードである『カフェ』ですが、RPGで言うところの『クエストを受注して、達成したら報酬をもらう』というお決まりの流れを取り入れた感じです。

「次々とタスクをこなしていく」というのは一定の楽しさがあるにはあるのですが、メインモードとしては地味過ぎるんですよね。

もっとこう、『トップドライバーを目指す』感を演出した内容であって欲しかったですね。

一通りシングルプレイのレースは全てクリアしましたが、あまりにも淡々としているので達成感も盛り上がりも無くて寂しいと思いました。

新コースがもっと欲しい

私のプレイスタイル的に『気に入った車種をひたすら乗り続ける』ので、車種よりもコースをもっと充実させてほしいのが率直なところですね。

コース数自体は十分多いのですが、大半は前作『GT Sport』の流用となるので、あまり新作をプレイしている感が無いんですよね。

個人的にはナンバリングタイトルでは1作目から皆勤賞の『グランバレー・スピードウェイ』や、国道246号線の東京・青山一丁目付近を再現した『東京・ルート246』をPS5クオリティで再現してほしいですね(‘ω’)ノ

車種ラインナップがレースカーに偏りがち

今作に限った話ではありませんが、シリーズを重ねるたびに車種ラインナップがレースカーに偏っていってるのが気になりました。

現実でも乗ってる普通車をレース仕様にカスタマイズする』というのが、グランツーリスモの楽しさの1つだったと思うので、もう少し車種の幅を広げて欲しいですね。

個人的にはMAZDA3を出してくれれば文句無しですね(年末あたりにリアル納車するため…w)。

あと、今、現実で乗っているS15シルビア スペックSが無いのも解せないですね。スペックRはあるのに…(´・ω・)

グランツーリスモ7の得点

90 / 100
90 / 100

※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。

項目別評価

グラフィックス ☆☆☆☆★
最高峰のグラフィックなのは間違いないが、アピールしていたレイトレーシングの品質に問題あり
サウンド ☆☆☆☆☆
これまで弱点だったサウンドが大幅進化!BGMをOFFにしてエンジン・マフラー音を聞きたくなる
熱中度 ☆☆☆☆★
レースゲーム、レースシムとしての面白さは一級品だが、メインのカフェモードがやや単調な作り
ボリューム ☆☆☆☆☆
タスクやコレクション要素は無数にあり延々と遊べる。
遊びやすさ ☆☆☆☆★
画面の切り替えが多く、ストレスが溜まるUIだと感じた

【結論】グランツーリスモ7は残念な部分もあるが、レースシムとしては神ゲーと言えるレベルに達している

というわけで、今更ですがグランツーリスモ7のレビューでした。

個人的には『レイトレーシング品質』や『新コースの少なさ』といった不満点はあるものの、レースゲーム・レースシムとしてのクオリティはかなり向上していて、『走る楽しさ』は最高レベルに達したと思いました。

コースや車種を定期的に追加していけば今後10年は遊べるタイトルだと思います。

幸か不幸か値崩れしているので、遊ぶかどうか迷っている人は買いましょう! 全然、フルプライスでも元が取れるクオリティなのでオススメですよ(‘ω’)ノ

ちなみに、予算があるならフォースフィードバック機能のあるハンコンは買った方が良いです。私は3、4、5、6をハンコンでプレイしていますが別ゲーってぐらいゲーム性が変わりますよ(今買うならロジクールのG29辺りがオススメ)。

また、グランツーリスモ7は2023年2月22日発売のPlayStation VR2(PSVR2)にも対応していて、自分で運転する以外にも観客や関係者視点でレースを楽しむことが出来るので、VR酔いしやすい人でも満足できるVR体験が出来るはずです。グランツーリスモ7を骨の髄まで味わいたい人は是非購入を検討してみてはいかがでしょうか?

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