【評価・レビュー】空に落ちる快感再び。GRAVITY DAZE 2の良い点6つ、悪い点6つ
発売を心待ちにしていた人も多いであろう「GRAVITY DAZE 2(グラビティデイズ2)」が1月19日に発売されたという事で、早速私もプレイしました。
率直な感想は「正統進化した作品」ですね。前作のゲームシステムはそのままに様々な要素を追加したイメージ。ただ、ベースが前作のままなので若干マンネリ感を感じたのも事実です。
ということで、今回は GRAVITY DAZE 2 を前作との比較を踏まえ良い点、悪い点をレビュー・評価していきます。
その前にグラビティデイズ2の特徴を表現した実写プロモーション動画が面白かったので紹介します。まさにこんな感じのゲームなんですよね。どうやって撮影したのか非常に気になりますよね。
この記事の目次
まずは前作プレイを推奨する理由と内容の比較
まず、ストーリー重視で楽しみたいという人は前作プレイは必須になります。ストーリー的な繋がりや登場人物などは前作をプレイしていることが前提になっている為です。
また、本作は前作プレイ済みの人向けに作られているので難易度は高めに設定されています。難易度設定イージー、ノーマル、ハードの3段階に設定出来ますが、「独自の操作」に慣れておくという点ではあらかじめ前作をプレイした方が快適に遊べるはずです。
前作の方が本作よりも優れていると感じた点は遊びやすくシンプルだということです。成長システムも簡潔で、純粋に「空に落ちる感覚」を楽しむことに特化していると感じました。欠点は本作よりもボリュームが少ないということぐらいでしょうか。
映像が綺麗なPS4版で前作をプレイするのもオススメですが、VITAを持っているならVITA版を強くオススメします。ベスト版が発売されているので安く買えますし、VITAのジャイロ機能を使った操作は直感的でめっちゃ気持ち良いのでこれを体感しないのは勿体ないです。
前作のレビュー記事も書いていますので良かったらこちらも参考にしてみてくださいね。
さて、ここからは本作 GRAVITY DAZE 2 のレビューになります。
GRAVITY DAZE 2 の6つの良い点、メリット
1. 「空に落ちる」のが爽快な重力アクションが進化
前作をプレイしたことがある人なら分かると思いますが、本作の重力を操り「空に落ちる」という感覚は他では体験出来ない唯一無二の存在です。
この驚きを例えるなら、初めてスーパーマリオブラザーズが発売された時に近い感覚ですね。当時はあの軽快なジャンプアクションは衝撃的で世界中でブームを巻き起こしたわけです。本作の重力アクションはそれに匹敵するぐらいの発明だと思います。
重力アクションのベースは前作から引き継がれていますが、本作では特性の異なる3種類の「チューン」(武術における「型」の様なもの)が用意されていて、好きなタイミングで切り替えることが可能なんですよね。それぞれのチューンは一癖あるので使いこなしは難しいですが、状況に応じて自在に切り替えられるようになると、とてもスタイリッシュでカッコいいプレイが可能なので上達のし甲斐があります。
重力を自在に操りカッコいいプレイをするのも本作の魅力だと思うので、「チューン」によるバリエーション増加は嬉しいですね。あえて「魅せプレイ」にこだわる遊び方なんかをすると非常に楽しめると思います。。
2. 前作の2.5倍に広がった色鮮やかなオープンワールド
前作でもそれなりにマップは広く探索のし甲斐がありましたが、本作では大幅にスケールアップして2.5倍もの広さになりました。単純に横に広がっただけではなく縦にも広がっているんですよね。空に島が浮かぶファンタジー世界だからこそ出来る拡張ですね。
前作のマップはエリアごとに色調が統一されていたので見た目が単調でしたが、本作は色彩豊かな都市を飛び回る事も出来るので視覚的な満足感は非常に高かったですね。
3. 進化した破壊表現はストレス発散に持ってこい
トレーラーを見た時から思っていましたが破壊表現が大幅にパワーアップしましたね。市場に陳列された様々なものを重力で吹き飛ばすのは快感の一言です。
これだけ爽快に破壊出来ると、大した事はやっていなくても「激戦を繰り広げている感」が感じられるので、ゲームがあまり得意な人じゃなくても楽しめそうですね。
重力アクションによる破壊表現は2015年に公開された以下のトレーラーで存分に堪能することが出来るので気になる人は是非ご覧ください!
4. 収集、合成、サブミッションなど大幅に充実したやり込み要素
前作でよく言われていたのが「ボリューム不足」。本作ではここが大幅に改善されてかなり長時間遊べるようになりました。
本作ではキャラクターに能力強化の装備品を三つまで身に付けることが出来るんですが、その素材収集専用のマップがいくつか存在します。納得いく素材が見つかるまでひたすら探索することも出来ますし、素材は合成してより優れた特性にすることも可能です。また、オンライン要素としてトレジャー探索や強敵の討伐なんかもあるのでじっくり腰を据えて遊ぶことが出来ます。
サブミッションもかなりの数が存在します。メインストーリーをクリアした時点でストーリー達成度は40%だったので、全体のボリュームかかなり多いと思います。前作に物足りなさを感じていた人にとっては嬉しい改善だと思いますね。
5. 前作よりも熱い展開が多い
これは本作が続編であり完結編であるからこそなんですが、前作と比較して展開が熱いですね。特に終盤の展開(後述するエンディング後のストーリー)はスケール感が一気に拡大するのでテンション上がります。
また、ドラゴンボールの様な「死の淵からパワーアップして蘇る」ようなベタな展開があるんですが、ありがちな展開だと分かっていながら熱いんですよね。
6. エンディングの後もストーリーに続きがあるのは嬉しい
若干ネタバレになってしまうかも知れませんが、GRAVITY DAZE 2にはエンディングが2つ存在します。マルチストーリーというわけでは無く、本編のエンディングと終章(エピローグ)のエンディングというイメージですね。
終章(エピローグ)と言うと一般的にオマケっぽいイメージですが、実はここからが盛りあがる所なんですよね。
- 遥か上空にまで伸びる巨木のてっぺんには何があるのか?
- 主人公キトゥンの過去に何があったのか?
- あのキャラクターの正体は?
こういった事が終章では明らかになるので、最初のエンディングで「クリアした」と勘違いするとすごく勿体無いです’。ご購入の際は気を付けてくださいね(笑)
GRAVITY DAZE 2 の6つの悪い点、デメリット
1. 前作をプレイしていないとストーリーに付いていけない
本作はFFやドラクエと違い、ストーリー的に完全に繋がっている為、前作をプレイしていないと置いてけぼりを食らいます。
「ストーリーなんてどうでもいい。アクションが楽しめればそれでいいんだ!」という人であれば前作をプレイする必要はありませんが、そうでなければ前作から遊んだほうが良いですね。
2. シーンによってはカメラワークが悪く遊びにくい
本作は前作よりも多数のオブジェクトでフィールドが豪華になりましたが、それがゆえカメラワークが悪くなったと感じました。閉所やボス戦だと特にカメラが荒ぶりやすいですね。このせいで難易度が理不尽に跳ね上がっていると感じました。
3. 一部ワケも分からずゲームオーバーになる箇所も
確実に前作よりも難易度が上がっていますね。前作はほとんどゲームオーバーになりませんでしたが、本作ではメインストーリーをクリアするだけでも20回ゲームオーバーになりました(難易度ノーマルです)。
一部ワケも分からずゲームオーバーになる箇所があるのは調整の必要があると思いました。重力操作で上下左右の方向感覚が分からなくなるゲーム性なので、ある程度は親切設計じゃないとプレイヤーはシンドイと思います。
4. 育成・強化をするならしっかりと探索する必要がある
本作では獲得したジェム(経験値)を好きなスキルに割り振る事で育成・強化が出来ます。
ジェムはフィールドに落ちているものを拾ったり、スコアアタックなどのミッションを達成した時に手に入りますが、ストーリーミッションやサブミッションのクリアでは手に入らないんですよね。
なので、ひたすらストーリーのクリアを目指すようなプレイをする人の場合は、全くと言っていいほどジェムが集まらず、ほとんどレベルアップすることなくエンディングを迎えることになってしまうんですよね。
本作では収集要素(やり込み要素)が充実したこともあり、その分レベルアップに必要なジェムが増えました。良く言えば「じっくり育成を楽しめる」、悪く言えば「レベルアップがしんどくなった」という事ですね。
ちなみに私はストーリークリア時点で育成・強化の達成率は20%程度でした…(笑)
5. 重要なシーンが漫画チックにあっさりと済まされてしまう
前作はそれほど気にならなかったのですが、映像表現がパワーアップした本作では漫画チックに進行するイベントは物足りなさを感じました。
なんと言うか、数ページ程度の漫画演出で場面がガラリと切り替わるので唐突に感じてしまうんですよね。個人的には場面と場面の中間部分をしっかり描いて欲しかったですね。
6. 新たなマップがストーリー中盤までしか活用されない
本作では大まかに2つのマップがあり(最終的に1つに融合します)、一つは新たに追加された色鮮やかな都市、もう一つは前作でお馴染みの都市なんですが、ストーリー中盤以降は前作のマップで展開されるんですよね。
前作のマップでストーリーが展開されるのは、ドラクエ3でアレフガルドに降り立った時みたいな感覚で一時的にはテンション上がりますが、すぐに変わり映えしない風景にマンネリ感を感じてしまったんですよね。
GRAVITY DAZE 2 を期待していたい人は、「新マップを存分に楽しみたい」という人が多いと思うので、中盤以降メインストーリーに新マップが絡んでこないのは残念でした。
GRAVITY DAZE 2 の得点
※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。
項目別評価
- グラフィックス ☆☆☆☆☆
- 新たな舞台の色彩感は美しい。そして、重力アクションによって宙を舞う無数のオブジェクトの物理演算による表現は圧巻!
- サウンド ☆☆☆☆☆
- 前作に引き続き豪華なサウンド・BGM。GRAVITY DAZE 2の世界観を上手く引きたたている
- 熱中度 ☆☆☆☆★
- 爽快な重力アクションは時間を忘れてプレイしてしまう。しかし一部に理不尽に難しい場面でモチベーションが落ちる
- ボリューム ☆☆☆☆★
- 収集・合成・育成といったやり込み要素により100時間以上は楽しめるはず。しかし、バリエーションには乏しい印象があり
- 遊びやすさ ☆☆☆★★
- 慣れれば最高の体験が出来るが、初心者には若干とっつきにくいゲーム性。カメラワークの改善の余地あり
GRAVITY DAZE 2 はオススメか?
元々がとても良いゲームなのでオススメには間違いないのですが、良い部分と悪い部分で相殺されてしまった感じですね。
前作は「さっくり手軽に遊ぶ」ゲームでしたが、今作は「じっくり長く遊ぶ」ゲームになりました。一本のゲームを長く楽しみたいという人にはオススメですが、限られた時間で色んなゲームをやりたいという人には面倒くさい仕様になってしまったかも知れません(私も面倒くさいと感じたうちの一人。バイオハザード7が発売を控えているので。 笑)。
とにかく、基本システムである重力アクションは一度は遊んでもらいたいぐらい良く出来ています。「空に落ちる」という感覚はとにかく新鮮ですよ(その為に自分はVITA本体を買いましたからね)。
↓ストーリーを知る為にもまずは前作を。VITA版が圧倒的にオススメ!