【評価・レビュー】多くのプレイヤーを苦しめたダークファンタジーRPGの金字塔が再び…『ダークソウル リマスタード』をプレイした感想
オリジナル版ダークソウルが発売されて7年が経とうとしている今、待望のリマスター版『ダークソウル リマスタード(DARK SOULS REMASTERED)』が発売されましたね。私自身ダークソウルはクリアして以降プレイしていなかったので、約7年ぶりのプレイになります。
簡単に感想を言うと、「古臭さは感じるものの、原点だけあって面白さが詰まった作品」だと思いました。
というわけで、今回はダークソウルリマスタードをプレイした感想や、オリジナル版との違いなどをレビューしていきます。
この記事の目次
剣と盾を駆使したスリリングな駆け引きが必要な戦闘が楽しい
7年ぶりに遊んだダークソウルですがやはり楽しいですね。盾を構えて敵に接近して、一瞬の隙を突いて剣を振るという感覚が実に気持ち良いのです。
ダークソウルは『間合い』が非常に重要なゲームです。
ゴリ押しでは敵を倒せない事が多いので、安易に敵の懐に踏み込むと手痛い反撃を受けてしまうんですよね(スタミナの概念があるので、ゴリ押しするとスタミナ切れで回避行動が取れなくなってしまうのです)。なので、適度に攻撃したら間合いを取って次の攻撃のチャンスに備えることが大切なんです。
間合いが重要な理由はもう一つあります。それは盾の存在です。
盾は多くの攻撃を無効化することが出来ます。そう書くと「だったら間合いなんて気にせず、攻撃が来たら盾で防げば良いのでは?」と思うかも知れません。でも、そうはいかないんですよね。盾で攻撃を受けてもスタミナを消費する為、ガードし続けてもスタミナ切れで無防備になってしまうのです。
なので、間合いを取って、『敵の攻撃がギリギリ届かない位置で攻撃のチャンスを伺う』という事が大切なんです。盾は『万が一の備え』ということです。しかし、盾の性能次第では間合いを取るよりもガンガン活用した方が良いというケースもあります。大盾でガードすれば逆に敵をよろめかせることが出来るからです。
こういった駆け引きがホント楽しいですよね。フィールドの要所要所には場違いと思えるレベルの強キャラもいるので、常に緊張感のある戦いが楽しめます。
死にゲーではあるものの、戦略を立てれば誰もがクリア出来る絶妙なゲームバランス
何回かクリアしたはずのゲームなのにゲームバランスが絶妙なので緊張感がしっかりと感じられるんですよね。ホント良く出来たゲームだと思います。
どんな雑魚相手でも無防備に突っ込めば簡単に殺されてしまうのがダークソウル。ゲームに慣れてきた頃に油断が生まれて殺られてしまうんですよね。
逆に、戦略を立てて慎重に進めばゲームがあまり得意でない人でもクリアが出来るはずです。なぜなら、ダークソウルは難しいものの操作は忙しくないからです。もしかすると、既存のアクションゲームに慣れている人ほど難しく感じるかも知れません。
攻略ルートは存在しない!未踏のエリアを探索するワクワク感と緊張感がたまらない
ダークソウルシリーズの特徴として挙げられるのが『攻略の自由度』。ホントに自由です。
プレイヤーには『二つの鐘を鳴らす』という目標が最初に課せられるのですが、順路を進み徐々にレベルアップしながら攻略する事も出来ますし、順路に逆らっていきなり高難度のエリアを攻略する事も出来ます。
そもそも、このゲームには順路らしい順路が無いんですよね。敵の強さを見てそう判断しているだけです。
つまり『二つの鐘を鳴らす』という目標だけが与えられ、「あとは好きにやってね」というスタンス、放任主義なんです。だから初見プレイヤーは、運悪く順路とは違うルートから攻略してしまったり、まだ行くべきでないエリアから攻略をしてしまって「難しすぎ。死のう…」と手痛い洗礼を受ける事になるわけです。
こう書くと一見不親切なゲームの様に感じるかも知れませんが、この放任主義なスタンスが『冒険している感』を上手く演出しているんですよね。特に思わぬ強敵に出会ってしまった時の絶望感はダークソウルならではだと思います。
何度も遊べる!武器やパラメーターの振り分けでゲーム性がガラリと変化
ダークソウルはリプレイ性、やり込み要素が多いのも魅力の一つです。ステータスの割り振りや装備する武器次第でプレイ感覚が全く違ってくるので、何度遊んでも飽きないんですよね。
西洋の騎士風装備でオーソドックスな戦闘をするも良し、特大剣を両手持ちして『ベルセルクのガッツ』になりきるも良し、バックラーと短刀を使ってアサシンの様な立ち回りをするも良し、杖と魔法で遠距離からチクチク攻めるも良しというように、とにかく多彩なんですよね。
また武器は鍛冶で強化出来るのですが、単純な強化だけではなく火や雷といった属性派生も可能なので、プレイスタイルは益々広がります。
プレイヤーの想像を掻き立てる、世界観の描き方が素晴らしい
ダークソウルはドラゴンクエストやファイナルファンタジーと違って多くを語りません。NPCとの会話はあるものの必須ではありませんし、なんならNPCを殺害する事も出来ます。つまりプレイスタイル次第では終始無言でエンディングを迎える事もあるのです。
しかし、ダークソウルの世界観や設定は非常に重厚で魅力的です。
「多くを語らないのにどうやってそれを知るのか?」と思うかも知れませんが、その方法はこうです。
ダークソウルには道具、武器、防具、魔法といったあらゆるものに世界観を知る為の説明文が書かれていて、そこからプレイヤーが想像を膨らませていくんです。これが謎解きをしている様な感覚で実に楽しいんですよね。
また、NPCの存在も魅力的です。
ダークソウルは混沌とした世界観なので、ドラクエやFFのような善良な市民ばかりではありません。良くも悪くも人間の本性だったり『過酷な現実』を突き付けられるんですよね。例えば、ストーリー冒頭で絶望に打ちひしがれていた人物が、プレイヤーの行動によって希望を見い出し行動した結果、悲惨な結末を迎えたりですね…(笑)
先ほどNPCを殺害できると書きましたが、要するにプレイヤーは善人にも悪人にもなれるということです。プレイヤーもNPCと同じく、『この世界の住民の一人』でしか無いんですよね。こういう自由の高さも世界観にトリップ出来る理由だと思います。
ダクソ3と比較すると理不尽さが目立つ
これはプラスでもマイナスでもあるんですが、ダークソウル3と比較すると理不尽に難しい箇所が多いように感じました。
特に視界ゼロの中に強敵がウジャウジャいて、さらには落下死の危険もある『巨人墓場』なんかは二度も遊びたくないレベルですね。とあるアイテムを使えば多少は遊び易くなるんですが、それを知らないプレイヤーは絶望することでしょう…。特に序盤にこのエリア迷い込み篝火(休憩ポイント)に触れてしまったら脱出は相当困難なんですよね。この過酷さは魅力でもあるんですが、挫折するプレイヤーも多いと思います。
あとはファストトラベルもストーリーを半分以上進めないと出来ず、出来るようになっても行き先が限定されているので、徒歩であちこち歩きまわらなければならないんです。初回プレイ時は『冒険している感』があって良いんですが、繰り返しプレイになると移動が面倒臭くなります。
フルHD、60fpsの精彩で滑らかな動作で快適に。しかし、画面が暗くなった?
リマスター版の最大の特徴はフルHDの高画質、60fpsの滑らかな映像ですね。オリジナル版は処理落ちにより動作が不安定で遊びにくいエリアもありましたが、終始安定して快適に動作するようになったのは嬉しいポイントです。
しかし、マイナスポイントもあります。PS4版になってライティングの方法が変わったせいか、暗いエリアがオリジナル版よりも更に暗くなったように感じます(全体的にコントラストが強くなり明暗がハッキリした感じでしょうか)。なので、『病み村』や『巨人墓場』といった薄暗いエリアの難易度が上がった様に感じました。
内容はオリジナル版とほぼ同じ。オリジナル版が遊べるならあえて購入する必要無し
グラフィック以外の変更点以外はリマスター版もオリジナル版もほぼ同じです。オンラインプレイの人数が増えたり、消費アイテムをまとめて使えるようになったりとシステム面で細かい修正はあるものの、新要素と呼べるものはありません。
なので、PS3版やPC版を持っている人はわざわざダークソウルリマスタードを購入する必要はありません。私はPS4だけでダークソウルシリーズ全てを遊べることに魅力を感じたので購入しました。
ダークソウル リマスタードの得点
※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。
項目別評価
- グラフィックス ☆☆☆☆★
- PS3版の焼き直しなので驚くようなグラフィックでは無いものの、重厚な世界観が上手に描かれている
- サウンド ☆☆☆☆★
- 金属がぶつかり擦れる音が戦場のリアリティを演出している。
- 熱中度 ☆☆☆☆☆
- 難しいけど何度もリトライしたくなる絶妙なゲームバランスは素晴らしい
- ボリューム ☆☆☆☆★
- リマスター版という事で新要素が皆無だったのは残念だが、初プレイの人にとっては十分満足できるボリューム
- 遊びやすさ ☆☆☆☆★
- 理不尽に難しいエリアがあったりするので遊びやすいとは言えない。ただ、基本的な操作性は直感的でよく出来ている
まとめ
まとめると、何だかんだ言ってダークソウルは楽しいですね。7年ぶりのプレイとはいえ、一度はプレイしたことのがある作品をここまで楽しめるのは、ゲームの基本的な部分が優れているからなんだと思います。
難しいゲームですが『攻略する楽しみ』を強く感じることが出来る数少ない作品だと思います。ダークソウル未プレイの方は是非一度は遊んでもらいたいですね。