【評価・レビュー】『Knack(ナック)』は見た目と違って硬派なゲーム性で意外と面白い!?
Knack(ナック)はPS4早期購入特典となっているゲームソフトです。今後、通常版PS4を買われた方の購入の参考にしていただければと思います(記事執筆段階ではAmazonでナックが単品では売られていない為Amazonのレビューで他の人の意見を参考に出来ないんですよね・・・不便)。
「ナックが早期購入特典とか誰得だよ」って思われた方は多いかと思います。わたしもその一人です。他のPS4ソフトに比べてグラフィックもパッとしないし、そもそも次世代感が無い。そういう印象でした。
PS4の一番の売りがグラフィック性能の高さなので、それがアピールできていないナックが売れるわけが無いということを見越しての早期購入特典だったのでしょうか?
前置きはここまでにしておいてレビューに入ります。
この記事の目次
ナックをプレイしてみて最初に感じたこと
海外レビューサイトであまり評判が良くなかったことや、冒頭プレイ動画を見てつまらなそうだと思っていたので発売前から正直あまり期待していませんでした。
「タダだからとりあえずやってみよう」
そんな気持ちでプレイをスタート。難易度は「普通」。
最初に画面に映し出されたのは、博士の研究所(?)。コレがまた、PS3(もしくはそれ以下)でも出せるようなチープな質感で何も期待させない導入部分でしたね。コレは失敗ではないでしょうか?
キャラクターの質感はPS4ならではのやわらかい質感だと思います(アンビエントオクルージョン効かせてるのかな?)。
雑魚敵を倒しながら最初のうちに色々操作を試していくわけですが、最近のゲームとしては珍しく使うボタンが少なくシンプルな操作性です。
- 移動(左スティック)
- 攻撃(□ボタン 3回まで入力可)
- ジャンプ(×ボタン 2回可)
- 必殺技(○ボタン→○ or □ or △)
- 回避(右スティック)
最近のゲームは使うボタンが多くて操作を覚える前に挫折することも少なくない中、すんなりゲームに入り込める操作性は最大の利点だと思います。単純なだけではなく、スウェイ(回避)と攻撃を組み合わせると複雑な立ち回りも出来て戦略的なアクションが楽しめます。
チュートリアル(チャプター1)を終えたところでは次世代感は一切なし。キャラクターもこの時点では小さい(ナックはアイテム(レリック)を取ることで大きく成長します)ので爽快感もほとんど無いし、グラフィックも見所がありませんでした。掴みとしては完全に失敗だと思います。
そして、この地味な展開はしばらく続きます・・・。
中盤以降はキャラが大きく成長し物理演算による破壊演出が気持ちよい!
物語がそろそろ中盤に差し掛かろうとする頃、初めて巨大ナック(最終的にはこの何倍もの大きさになります)が登場します。
といっても、イベントで急に巨大化とかするわけではなく、チャプターの最中にレリックを拾い少しずつ大きくなっていきます。いつの間にかここまで大きくなっているといった感じです。
序盤のパッとしない感じはなんだったのかというくらい面白くなります。基本操作は変わらないのですが、重量差がある敵を殴ると物凄い勢いで吹き飛びます。コレがかなり気持ちよい!特に必殺技で複数の敵を蹴散らした時の爽快感は最高です(動画の最後付近をご覧ください)。物理演算がいい味出してます。
ゲームクリア後の感想
プレイ前および序盤の印象が良くなかった反動もあってか、中盤から後半にかけては楽しめました。スケール感もPS4ならではという感じでしたね。グラフィックもステージによっては次世代感を感じられるものもありました。
各チャプターごとのギミック乏しいせいか、いささか単調だと思いましたがアクション自体は面白いので時間を忘れてクリアまでプレイに没頭しました。
可愛い見た目とは裏腹に戦略的な戦いが求められるもの個人的には良かったです。敵の行動を読んで隙を突くというのが楽しいです。先日のPS4購入レポートにも書きましたがダークソウルに通じるものがありますね(まもなくダークソウル2が発売されます。要チェック!)。
ゲームの合間に入るデモシーンは洋画のヒーローもののノリなので、制作は海外なのかと思っていたら日本製なんですね。総監督はマーク・サーニー。過去のPSのヒット作「クラッシュ・バンディクー」「ラチェット&クランク」や「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」の生みの親だそうです。ありきたりなストーリー展開ですが悪くないと思いました。
クリアまでにかかったプレイ時間
クリアまでは10時間程度かかりました。こういった純粋なアクションゲームにしては結構長く感じました。
ゲームの難易度
難易度普通以上であれば攻撃を2、3発(強力な攻撃であれば即死)くらえばやられてしまうので、よく考えて行動しないといけないという点では「難しい」と言えます。
しかし、ダークソウルのように「死亡すると経験知消滅」といったデメリットが無いため(必殺技ゲージは蓄積される為むしろメリットがある)、気軽にリトライできます。リトライ時の読み込み時間が無いのもありがたいですね。また、昔のゲームのようにリトライ回数制限もありません。そういう意味では難しいけど遊びやすいといえます。
ちなみに難易度によって異なる部分は「受けるダメージ」以外はほとんど変化が無いように感じました。「易しい」が他のアクションゲームの「普通」と考えて差し支えないでしょう。
ちなみに「普通」でも即死することが多いので「難しい」でも大差ないと思いました。
やり込み要素・クリア後の特典など
このゲームにはナックを強化するための「ガジェット」と、特殊なナックでプレイする為に必要な「クリスタル」というものがあります。ステージ各所に隠されているのですが、1周目だけでは数が足らないので、全てを解放するには周回プレイが必要となります。
また、クリア後の特典としてこの手のゲームの定番である、チャプターセレクト、タイムアタック、サバイバルといったものが遊べるようになります。タイムアタック、サバイバルはランク付けされるので熱いかもしれません。
ゲームが難しくてなかなか進めない人へ攻略・ヒント
上記のプレイ動画を見れば分かるようにあまり上手ではないのですが一応クリアしたので難しくて進めないという方は参考にしてみてください。
このゲームは受けるダメージが大きい為、ゴリ押しで進もうとしても返り討ちにあって進めないかと思います。
基本は動きの遅い敵には先手必勝で一気にたたみかけ、動きの早い敵は攻撃を避けてからの反撃が有効です。
「敵に囲まれ攻撃してる途中に背後から攻撃を受けてしまう」というケースもあるかと思います。その場合は位置取りが重要になります。敵陣の中心に入ってしまえば四方八方から攻撃を受けてしまいます。なるべく端を陣取りましょう。
敵が4、5体いる場合は必殺技を惜しみなく使いましょう。その為の必殺技ですからね。
二段ジャンプ、回避行動、ダッシュ攻撃を多用していませんか?
これらの行動の後は隙が大きく次の動作が遅れてしまいます。これらの動作は必要最小限に留めておくだけで生還率は大きくアップします。
ナックの得点
※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。
項目別評価
- グラフィックス ☆☆☆★★
- 次世代感を感じる部分とそうでない部分が見られました。物理演算による破壊演出は爽快ですね。
- サウンド ☆☆★★★
- 特に印象に残らず。
- 熱中度 ☆☆☆☆★
- 遊びやすいのでストレスを感じることなくラストまで一気にプレイできました。
- ボリューム ☆☆☆★★
- ステージクリア型アクションゲームとしては長めです。クリア後の特典はありきたりで育成要素なども無い為、そういうのを求めていると物足りないかも。
- 遊びやすさ ☆☆☆★★
- 操作がシンプルで読み込みも起動時にあるだけなので非常に快適です。
ナックの長所・短所まとめ
長所
- シンプルな操作性でありながら戦略性のある操作性
- 物理演算を駆使した破壊表現
- 巨大キャラを操る爽快感
- 期待を裏切らない安定のストーリー展開
- 最近ヌルゲーばかりにつまらないって人は楽しめる
短所
- 導入部分が地味で面白さを感じるまで時間がかかった
- 次世代感を感じにくい地味なグラフィック
- 単調なステージ展開
- アクションゲー初心者には難しいかも
ナックはこんな人にオススメです
- シンプルな操作性のアクションゲームがしたい
- 絶妙な難易度で繰り返し遊びたくなるようなゲームをさがしている
- アメリカンヒーロー映画のようなベタなストーリー展開が好き
まとめ
結果的に「面白かった」のですが、他のゲームと同価格帯で売られていたら買わないと思います。やはりどこか内容に薄っぺらさを感じてしまいます。3800円くらいでリリースされる内容だと思いました。いずれベスト版が出る気がするのでその際に手を出してみると良いかも知れませんね。