『Japanese Drift Master: JDM』というレースゲームがちょっとした話題になっているのを知っていますか?
JDMは日本の峠を舞台としたオープンワールドレースゲームで、トヨタAE86や日産シルビアS15のような車でドライブを楽しむことが出来るんですよね。
今回、こちらのデモ版を2時間ほどプレイしたのでレビューをしていきます。
この記事の目次
JDMは日本の峠を舞台にした唯一無二のオープンワールドレースゲーム
まずは、JDMが日本の峠を舞台にしたオープンワールドレースゲームである点にフォーカスしてレビューをしていきます。
『頭文字D』の聖地!群馬県の榛名湖をモチーフにしたハイカマ湖周辺の峠を走れる
JDMでは『ハイカマ湖』という日本に存在する架空の湖周辺が舞台となっています。
…そのはずが、上の画像を見ると分かるように『榛名湖(ハルナ湖)』の看板が確認出来ます。
榛名湖や榛名山は人気漫画『頭文字D』に登場する秋名湖や秋名山の元ネタで、群馬県に実在する走り屋の聖地なんですよね。
そして、榛名湖周辺の再現度かなりのものです。論より証拠ということで以下の画像をご覧ください。
上がゲーム画像、下がGoogleストリートビューの写真です。
リアルのほうが寂れている感は拭えないですが、建物の再現度ヤバくないですか?
ゲーム開発にUnreal Engineを採用しているので、グラフィックもフォトリアルでかなり美しく仕上がっています。
ちなみに、JDMを開発しているのはポーランドのインディーズメーカーとのことなんですが、このクオリティのオープンワールドゲームを作るのはヤバ過ぎですねw
細かい路地も走れる
走れる場所はメインストリートだけでなく、細かい路地だったり、駐車場やガソリンスタンドの敷地内にも侵入できます。
デモ版では走れる箇所は制限されているものの、それでも色々な場所が走れて楽しかったです。
『日本の地方感』を再現しているゲームなんてまず見かけないので、その場所に行けるだけで楽しいんですよね。
製品版でマップの広さはどうなる?
オープンワールドゲームで気になる点として『マップの広さ』があると思います。
デモ版をプレイした限りでは、比較的コンパクトな部類のマップになりそうです。
上の画像の雲で隠れている場所を全て走れたとしても、The CrewやForza Horizonのような広大さは感じませんね。
ただ、こちらのメディアの記事によると、製品版では数千キロに及ぶ距離を走れるらしいので(外周ではなく、主要道路・路地を合わせた総距離と思われる)、かなり密度の高いマップになるのではないかと思います。
看板の日本語や、フォントの使い方には違和感有り
とても良く出来たマップで、あちこち走り回りたくなる衝動に駆られるぐらいのクオリティではあるものの、看板の日本語表記やフォントの使い方が残念過ぎるんですよね…。
『安い寿司』なんて看板は実際の日本では見かけないですし、同じ看板に小さく『電子ストア』の表記があるのが謎過ぎます(”カード決済可能”という意味合いなんでしょうか…?)。
こちらの『クールなハリネズミ』というのも、どういう理由でこういう名称を付けたのか謎ですし、どういう店なのかもよく分かりません。
あと、同じ看板の流用が目立つのもイマイチな部分で、『安い寿司』店ばかりなんですよね…w
操作感は比較的カジュアルでゲームパッドでも操作しやすい。それでいて車の挙動はリアル。
レースゲーム、ドライブゲームとしては思った以上によく出来ていると思いました。
ゲームパッドでしかプレイしていませんが、カジュアルで遊び易く味付けされていてストレスを感じません。
それでいて、車の挙動はリアル寄りなので、操っていて気持ちの良い作りになっているんですよね。
ただ、デモ版の時点では振動機能には対応していないので、路面ギャップを感じることが出来ず物足りなさがあったのも事実です。
エンジン・マフラーサウンドにもこだわりを感じる
グラフィックだけでなくサウンドのこだわりもスゴイと思いました。
実車から録音しているそうなのでリアルですし、それだけでなく迫力が出るように上手く調整されていると思いました。
サウンドの良し悪しは実際聞いてもらった方が早いと思うので、以下の投稿の動画を見てみてください。
ドリフトゲー『Japanese Drift Master』の舞台になるハイカマ湖畔の町がマジで日本の田舎町でビビりました
ガソスタとか、ホテルとか、レストランとか、「地方都市あるある」が詰まっててドライブするだけで楽しい
まだデモ版で遊べる範囲は小さめですが、本編はかなり広そうhttps://t.co/4JYPBMDBqP pic.twitter.com/7qvIOa97ni— ポル之助はインディー・同人ゲーム大好き (@pornski_eros) October 10, 2023
アクセシビリティや動作安定性に課題アリ
ここからはJDMの不満点や課題点を話していきます。
まず一つは、PCの設定次第では4K表示できないことです。
Windowsには『拡大縮小とレイアウト』というオプションがあり、これを『100%』以外に設定して、ゲーム内で解像度変更をしようとすると、本来選択可能なはずの解像度が選択できなくなります。
私は4Kモニターの等倍表示だと文字が小さすぎてしまうので、200%にスケーリングして表示しているのですが、1080pまでしか選択出来なくなってしまい、4Kで遊ぶのにひと手間必要でした。
もう一つは、動作の不安定さですね。
合計3時間ほどプレイしましたが2回クラッシュしました。そのうちの1回は、ゲーム終了も出来なくなりPC自体を再起動することになりました。
あとは、UI周りの日本語表記も不自然なところですかね。結構ヒドめな翻訳なので、ゲームにストーリーがあるとするなら、そこも不安になってきます。
JDMのPS5/PS4版発売は難しそう…
JDMはPC版での発売が予定(発売日は未定)されていますが、PS5やPS4での発売を望む人も多いと思います。
しかし、PS5/PS4版の発売はかなり厳しいと思います。
というのも権利的な問題がクリア出来なさそうだからです。
デモ版ではトヨタAE86や日産シルビアS15を運転出来ますが、実は『トヨニハチ』と『イチバンシルバンナ15』という架空の車です。
架空の車とはいえ、外装・内装はそのままで、エンブレムだけ取り外しただけなんですよね…。
また、車だけでなく看板も実在するものを使っています。
上がゲーム、下がGoogleストリートビューです。
見て分かる通り、『伊香保温泉』の看板がそのまま使われています…w
プレイヤーとしては現実をリアルに再現してくれた方が楽しいのですが、実在する名前を使ってしまうとそこに迷惑がかかる可能性がありますからね…。
昔のそこそこ人気を博したレースゲーム『首都高バトル』も似たような事をやっていましたが、当時は色々と緩い時代でしたからね。2023年の現在に同じ事をやったらソニーの審査は通らないと思います。
JDMはプレイしていて楽しいが問題も多い期待作
というわけで話題のレースゲーム『Japanese Drift Master: JDM』のデモ版をプレイした感想でした。
権利問題や動作の不安定さなどの問題はあるものの、オープンワールド化された日本の峠を走れるのは唯一無二で、グラフィックの美しさ、サウンドの良さ、爽快な操作性など魅力が詰まった作品だと思います。
発売日はまだまだ先だとは思いますが期待したいですね。願わくは権利問題を解決してもらって、PS5版の安定した環境でプレイしたいです。