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投稿日:2023年10月14日更新日:2023年10月14日

【スクエニは何を間違えたのか?】7500円の紙芝居を販売!?インフィニティ ストラッシュ ダイの大冒険の炎上について

9月28日に発売された『インフィニティ ストラッシュ ドラゴンクエスト ダイの大冒険』が大炎上中であることを知っているでしょうか?

今回は、2年の発売延期を経て、遂に発売した話題作が炎上してしまった理由と、個人的な見解をまとめていきます。

インフィニティ ストラッシュ ダイの大冒険 発売からわずか2週間で51%の値下げ&稀に見る酷評

インフィニティ ストラッシュ ダイの大冒険ですが、9月28日に発売されたばかりの新作なんですが、10月13日時点で51%オフになっているんですよね。発売から2週間でここまでの値崩れは類を見ない速さかも知れません。

価格だけでなく評価もかなり低く、Amazonでは星1.8、世界中のレビューを統括するMetacriticのメタスコアは62点ユーザースコアは3.8点と滅多に見ないレベルです。

なぜ、こういった惨状になってしまったのかを、以降の項目で解説していきます。

インフィニティ ストラッシュ ダイの大冒険はシンプルにクソゲー。数多くの欠点を抱えている

インフィニティ ストラッシュ ダイの大冒険がクソゲーである理由をいくつかの項目に分けて解説していきます。

ゲームプレイの7割はアニメを切り抜いただけの”紙芝居”

各所で言われている事ですが、ゲームプレイ時間の7割が紙芝居を見ているだけです。

新規描き下ろしの紙芝居なら手が込んでいるのかも知れませんが、TVアニメを切り出しただけの手抜きなんです。それがプレイ時間の7割を占めるってヤバ過ぎですよね…。

なお、2割は戦闘、1割は3DCGムービーというバランスになっています。

ちなみに、3DCGムービーの出来は好評です。むしろ、ファンはこれを期待して購入した側面が大きいのです。

今作ですが、『ドラゴンクエスト』の派生作品でありながら、ドラクエならではの探索要素も住民との会話も皆無です。ほとんど紙芝居を見ているだけでストーリーが進行していくんですよね。

ストーリー展開を無視したキャラクターの能力

ドラゴンクエストと言えば、レベル1からスタートし、ストーリー進行に応じてキャラクターが成長していくのが様式美でもあります。当然、原作『ダイの大冒険』もそういう構成になっているんですよね。

しかし、今作では仲間の一人である魔法使いポップが最初から上級呪文『メラゾーマ』を使えてしまうんです。

師匠アバンの仇を討つために、駆け出しの魔法使いが徐々に成長していく過程を描くのがダイの大冒険の魅力でもあるのに、そういった部分がゲームに反映されていないのは残念です。

気持ち良くない。微妙過ぎるアクション

続いて、実際にプレイヤーが操作する部分であるアクション要素です。

今作の戦闘システムはシンプルなアクションとなっていて、ジャストガードやジャスト回避といった流行りの要素も取り入れています。良いように捉えればソウルライクに近いゲーム性でしょうか。

問題は操作レスポンスが悪いということです。

一般的に良く出来たソウルライクゲームは、『難しくありつつも納得感のある操作が可能』だから楽しいと感じるわけです。

一方今作は、操作レスポンスが悪いので納得感のある操作が出来ません。だから、操作していてストレスが溜まりますし、楽しさを感じにくいのです。

エンディングすら存在しない、唐突に終わるストーリー

レトロゲームを除けば、基本的に全ての作品にエンディングが存在します。

しかし、インフィニティ ストラッシュ ダイの大冒険にはエンディングらしいエンディングが存在しません。

主人公ダイが『鬼岩城』を真っ二つに斬り、唐突にストーリーが終わります。

流れ的にはこうです。

  1. ダイが鬼岩城を斬る
  2. マァム「巨人の城を、真っ二つに!」
  3. ポップ「ものすげーっ!」
  4. ダイが剣を掲げる

ストーリーが鬼岩城までしか描かれないことは事前に告知があったので、それは問題ではありません。

しかし、未完結の作品であっても1つの作品としての締めは必要です。本編のワンシーンを最後にぶつ切りで終わらせるのはどうなんでしょう…。

せめて、「こうして、ダイたちの冒険は続くのであった…」ぐらいのナレーションは入れるべきだったと思います。それすら入れないのは手抜きでしかありません。

インフィニティ ストラッシュ ダイの大冒険の動画レビューをいくつか紹介しますので、良かったらこちらもあわせてご覧いただければと思います。

ファン向けの作品なのに”紙芝居ダイジェスト”であることを隠して7,500円で発売したのは致命的な問題

ここからはゲームの評価というよりも、販売元スクウェア・エニックスの責任的な部分について話していきます。

ユーザーを騙すのは”クソゲー”では済まされない行為

インフィニティ ストラッシュ ダイの大冒険はクソゲーですが、クソゲーで済ましていい話ではありません。なぜなら、内容を誤魔化して販売したからです。

先ほど、ゲームプレイ時間の7割がテレビアニメを切り出した”紙芝居”を見ているだけと話したわけですが、スクエニはそのことを意図的に隠していました。

今作が発売されるまで、公式サイト、公式プロモーション映像、ゲームメディア(サイト、雑誌など)でこの”紙芝居”が取り上げられる事は無かったのです。

「たまたまじゃないの?」と思う人もいるかも知れませんが、機会は何度もあったはずなのにコンテンツの7割を占める部分を紹介しないのは明らかに不自然なわけです。

今作を購入した人の9割以上は『ダイの大冒険』のファンのはずです。

つまり、原作を知っている人に紙芝居ダイジェストを7,500円で販売しているという事になります。ファンでこれに納得出来た人は一体どの程度いるのでしょうか?

勿論、予め紙芝居ダイジェストが大部分を占めることを、公表しているなら何も問題ありませんが、そうではなかったわけです。

スクエニだけでなくゲームメディアの信用にも関わる

これは販売したスクウェア・エニックスだけの問題ではありません。ファミ通を始めとしたゲームメディアにも関係してくるのです。

ファミ通の『クロスレビュー』ではインフィニティ ストラッシュ ダイの大冒険を8点、8点、7点、8点の合計31点の良作判定となっているんですよね。

評価基準はレビュアー次第なので自由ですが、問題は紙芝居であることを誰も指摘してないということなんです。もちろん、ファミ通の特集記事にも紙芝居のシーンは載っていません。

ファミ通が忖度しているのか、スクエニが指示を出しているのかは分かりませんが、何らかの『大人のやり取り』があるのは確実でしょう。

そして、ここまでユーザーから反感を買っているにもかかわらず、スクエニはこれといったコメントを出していません。

  • なぜ紙芝居が大半を占めることを隠していたのか?
  • ファンを裏切ったことについてどう思っているのか?

最低でもこれらの事はユーザーに説明する責任があるはずです。7,500円出して購入しているわけですからね。

ダイの大冒険の”入門用”として発売すべきだったのではないか?

今作をこの内容で販売するのであれば、ダイの大冒険の”入門用”として宣伝すれば良かったのではないかと思います。

ダイの大冒険を知りたいけど、時間が無いからザっと知りたい」という人もいるので、それなら紙芝居でも構わないと感じるかも知れませんし、最初からそういう人をターゲットにしていれば開発費も低コストで済んでいたはずです。

今作は2年間発売延期しているのですが、当初は「今の内容ではファンの期待に応えられない」という理由だったと思われます。しかし、実際に延期してみたら予算が全然足りず、泣く泣く大部分を紙芝居にする事でコストカットをしたのでしょう。そして、ますますファンの期待には応えられなくなったということでしょうね。

3DCGムービーで原作再現はかなりの予算を必要とするので、そもそも企画として無理があったのだと思います。ドラゴンボールのような世代を超える超人気作なら予算が下りても、一部のコア層がターゲットのダイの大冒険では難しいわけです。

だったら、ターゲットを新規層に絞り、最初から紙芝居にして低予算で作っていれば、小さくても成功していた可能性はあると思います。

・・・

なお、原作は素晴らしいので「ダイジェストでも良いから遊びたい」という人なら、価格も手ごろになっているので購入してみるのもアリかも知れません。

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