PS5の期待する機能の一つに『レイトレーシング』という表現技法がありますが、これについてネットでちょっとした問題になっているようです。
ローンチタイトルとして期待されている『デモンズソウル』のリメイク作品も当初は「レイトレーシング対応」とソニー公式アナウンスがあったのですが、つい先日デモンズソウルの開発者がレイトレーシングには対応しないことを公表したんですよね。
これについて「普通に詐欺だろ!?」とか「レイトレーシング非対応とか低スペックだな」といった否定的コメントが多くついてしまったわけです(;^ω^)
この記事の目次
ソニー公式とデモンズソウル リメイク開発者の主張が異なった原因を解説
デモンズソウル リメイクのデビュートレーラーが公表された当初、確かにソニー公式サイト(プレイステーションblog)にはデモンズソウル リメイクがレイトレーシングに対応するという表記が有ったことは事実です。ではなぜ開発者と主張が異なる事態になったのか、その原因を解説します(あくまで個人的な考えです)。
そうなった原因は以下の2つあると考えます。
ソニー広報が高画質な『シネマティックモード』をレイトレーシング対応だと勘違いした
1つはデモンズソウル リメイクの美しいグラフィックを見て、レイトレーシング対応だと勘違いした可能性ですね。
デモンズソウル リメイクには2つの動作モードがあり、1つは画質に特化した『シネマティックモード』、もう1つはフレームレートに特化した『パフォーマンスモード』があります。
デモンズソウル リメイクに限らず、多くのPS5タイトルは画質とフレームレートのどちらを重視するか選べるようになっていて、画質を重視するモードにはレイトレーシングが適用される例も少なくありません。
そういうこともあり、「画質重視のシネマティックモードはレイトレーシングに対応している」と思い込んでしまい、間違った情報を公開してしまったのではないかと思います。
ソニー側がレイトレーシング対応を要望したが、開発側が必要無いと判断して実装しなかった
もう1つは、「レイトレーシングはPS5の売りだから実装して欲しい!」とソニー側が開発側に要望していた可能性ですね。
広報側からすればレイトレーシング対応を大々的に宣伝できれば売り上げに繋がるわけですから、そういう要望が出るのは当然だと言えるでしょう。
その要望が出された頃には既に開発がかなり進んでいて、「レイトレーシングに対応しなくても十分なクオリティを出せる」と開発側は思っていたのかも知れません。
そして、出来上がった作品はまさに『次世代機にふさわしいグラフィック』だったので、「レイトレーシングに対応してもらえた」と広報が勘違いして、そのまま公式サイトに掲載してしまったのではないでしょうか?
・・・
というように、この騒動にはこういった背景があったのではないかと思います。
広報が美しいグラフィックを見てレイトレーシング対応と勘違いしてしまうのは仕方ないと思いますが、誤情報は信用問題にも関わると思うのでキチンと連携を取ってもらいたいですよね・・・(;^ω^)
デモンズソウル リメイクがレイトレーシングに対応しなくても問題ない理由
誤報はともかくレイトレーシング非対応という事実ですが、ガッカリした人は多いかも知れません。実際に、「レイトレーシング非対応なら買う価値無いな…」という人もいますからね…。
しかし、私はレイトレーシング非対応にガッカリはしませんでした。むしろ、「PS5ってスゴイんだな」という感想を持ちました。その理由について説明します。
レイトレーシング非対応なのに圧倒的な画質を実現
レイトレーシングはよりリアルな表現を実現するための技法ですが、デモンズソウル リメイクのゲームプレイトレーラーを見れば分かりますが、レイトレーシング非対応でも圧倒的なクオリティのグラフィックを実現しているんですよね。なんならレイトレーシング対応のタイトルよりも画質が良いぐらいです。
先日発売されたWatch Dogs Legionを4K&レイトレーシング対応でプレイした映像と比較してみてください。4K画質で見ると、デモンズソウル リメイクの方がディテールが細かく美しいと感じるハズです。
ちなみに、Watch Dogs Legionの動画はGeforce RTX 3090というグラフィックカードを使っていて、単純性能だけならPS5の3倍以上の化物なんですよね。しかし、ゲームプレイ映像を見る限りデモンズソウル リメイクのほうが優れているように感じます。
つまり、レイトレーシングに対応したからと言って必ずしもグラフィックが美しくなるわけではありませんし、レイトレーシングに対応するコストを別の部分に使った方がクオリティ向上に繋がることもあるという事なんです。
なお、上のデモンズソウル リメイクのゲームプレイトレーラーはフレームレート重視の『パフォーマンスモード』で撮影したものだそうです。それでもこの画質は凄すぎですね(*’ω’*)
デモンズソウルの世界観的にレイトレーシング対応する必要が無い
そもそもなんですが、デモンズソウル リメイクは世界観的にレイトレーシングの恩恵を受けにくい作品です。
レイトレーシングの効果として最も分かり易いものが鏡やガラスなどの反射表現です。オリジナル版のデモンズソウルをプレイしたことがある人は分かると思いますが、本作には鏡もガラスも全くと言っていいほど存在しないんですよね。
なので、レイトレーシングに対応しても動作が重たくなるだけで見た目はほとんど変わらないという事態になってしまうんです。
デモンズソウル リメイクがレイトレーシングに対応しない代わりに、ディテールを徹底的に作り込むという方針で制作されたのは非常に良い判断だったと思います(・∀・)
おわりに
というわけでデモンズソウル リメイクのレイトレーシング非対応についての個人的な見解でした。
必ずしもレイトレーシングが画質向上に繋がるわけではなく、必要に応じて適用するのがベスト。デモンズソウル リメイクの開発者は最適な選択をしただけというのが私の考えです。
今のところ私はPS5の予約戦争に敗北しているので購入は先になりそうですが、デモンズソウル リメイクには今から期待して待ちたいと思います(‘ω’)ノ
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