【評価・レビュー】アドレナリンが止まらない!Need For Speed Rivalsの長所・短所を徹底解説!
【注意】
このレビューは2014年に発売された「Need For Speed Rivals」に対してのものであり、2015年11月に発売された「Need For Speed」とは別物です。2015年に発売された最新版「Need For Speed」のレビューはこちらをご覧ください。
・・・
ストレス社会の特効薬という言葉がしっくり来るようなゲームです。
とにかく広大なフィールドを時速300キロオーバーでドライブしてストレス発散をしたいという方にお勧めしたいのが今回紹介する「Need For Speed Rivals(ニード・フォー・スピード ライバルズ)」です。
警察とのカーチェイスをテーマとした海外発の人気レースゲームシリーズです。もうかれこれ20年も続く長寿作品となりました。2014年6月には実写映画も公開されますね。
そんな人気作品ですが実は私シリーズ初プレイです。
また、グランツーリスモ5を終えてからはレースゲームはプレイしていないので数年ぶりです。
人気シリーズということもあり、それなりの評価もあるので期待しつつ早速プレイ!
この記事の目次
ファーストインプレッション。プレイし始めてまず感じたことはグラフィックの美しさ!
本作はPS4発売と同時に買ってプレイし始めたので既に1ヶ月近く経っていることもあり導入部分がどんなものだったかはすっかり忘れているのでざっくりと(笑)。
美しい・・・。
舞い散る木の葉や雪、波打ち際の水しぶき、降りしきる雨、さらには風に吹かれ巻き上がる雪煙や土ぼこりなど等レースゲームと思えないくらい環境効果が凝っているのがまず最初の印象でした。特に雪の質感が凄くリアル今まで体感したことがないリアルさです。
さらに環境光もかなりリアルでとても写実的です。また、刻々と天候や時間も移り変わります。影もリアルタイムに計算され描画されている為その時その時で印象が全く異なります。夕方や朝方など日の出入りする時の美しさは特に必見です。
以前GTA5のレビュー記事でグラフィックの美しさを絶賛した私ですが本作は間違いなくその上をいきます。流石PS4といったところでしょう。なお本作はPC版も発売されていますが、一般的な作品はPC版が最もグラフィッククオリティが高くなるのですが、なんと本作はPS4版がもっとも高いとのことです。
また、マップの広さもオープンワールドということでなかなか広いです。マップの外周はちょうどGTA5と同じくらいです。曲がりくねったコースを実際に走ると1周50キロ弱といったところでしょうか。ショートカットなども豊富です。ただ、GTA5みたいなどこでも行ける自由度と比較してしまうと思ったよりも狭いと感じてしまうかもしれません。GTA5が異常すぎるくらい広大なだけなんですけどね(笑)
百聞は一見にしかずということで動画をご覧ください(画質は大分落ちてしまっていますが・・・)。HDをクリックしてくださいね。
操作に慣れてくると新たなる高揚感と一部の不満が
圧巻のエンジンサウンドとドライブフィール
ゲームに慣れてくるとまず感じるのがエンジンサウンド・エキゾーストノートとドライブフィールの良さです。
まずサウンドについて。
エンジン音やマフラーからの排気音を実車からサンプリングするのは今やゲーム業界では常識なので、大手ゲームメーカーのソフトでどれも同じ音になるはずなのですが、本作は痺れるくらいに高揚感を得られるものとなっています。ゲームなのでサンプリングしたデータをそのまま使うことは出来ないので、ゲーム用に加工しプログラムで音を組み合わせるわけですが、その技術とセンスが素晴らしいんでしょうね。
逆にエンジン音や排気音が強調されすぎていてBGMはほとんど聞こえませんが、耳にした事のある楽曲も流れるので結構力を入れているのではないかと思います。
そしてドライブフィール。
いわゆるグランツーリスモのようなシミュレーターよりの挙動ではなくアーケードゲームのようなカジュアルな操作性となっています。かといってリッジレーサーシリーズほど現実離れした挙動でもなく、例えるならシミュレーターよりのレースゲームにアシストを物凄くよく効かせた操作性でしょうか。この加減が絶妙で気持ちよくドライブ出来るんですよね。
さらにレースゲームといえばドリフト。これがまた最高に気持ち良い。ドリフトしている時のスキール音を始め、ドリフトそのものコントロール感覚最高です。アシストが良く効いているのでアクセルコントロールせずにドリフトを維持できるため、コツをつかめば誰でも爽快なドリフトを行えます。
ドリフトのコツは「アクセルは踏みつつハンドルを切りながら軽くブレーキを踏む」これだけです。急なコーナーは事前にスピードを落としておく必要がありますが、通常は時速200kmオーバーでのドリフトも難しくありません。
トリップしそうになるくらいのスピード感
このゲームの魅力・特徴の一つが圧倒的なスピード感です。車種によってはナイトロ・ターボを使用することで時速400kmに到達します。
残念なことに本作のフレームレート、レースゲームでは標準的である60fpsは出ていません。体感的には30~40fpsですね。
ちなみにfpsとはFrame Per Secondの略で1秒間に何回画面が切り替わるかという数値です。これが大きいほど滑らかに感じます。例を挙げるとTV番組が30fps、映画だと24fpsです。なお、人間の目には60fps以上は違いがほとんど分からないとされています。
PS4版ではフレームレートを犠牲にしてモーションブラーを適用しています。CG制作している方なら知っているかと思いますが、この処理はかなり負荷がかかるんですよね。これが無ければ60fps余裕で出せると思うのですが、それを犠牲にしてモーションブラーを優先したということはそれだけ意味があるということです。
以下のスクリーンショットと動画(特に最後付近)を見ていただければ、モーションブラーの効果が分かると思います。背景部分が大きくぶれていますよね。これがモーションブラーです。カメラの撮影テクニックでも意図的にこのようにしスピード感を演出することがありますよね。これが有ると無いでは感じるスピード感や映像の重みが全然違います。PS3版ではモーションブラーが適用されないので若干迫力に欠けます。
UI(ユーザーインターフェイス)の悪さと理不尽なゲーム展開
ここまで結構べた褒めですが欠点もあります。
まず始めに、UI(ユーザーインターフェイス)つまりメニュー周りの不親切さです。
この本作は各スポットのミッションをこなしてゲームを進めていくわけですが「レベルHARDのレースでゴールドメダルを取れ」といった指示をされます。本作はマップ上の任意の位置からスタートさせることが可能なので、その条件を満たすミッションを探すのも楽かと思いきやトラップが。ミッション開始地点の一覧は表示されますが、レベルまでは表示されないのです(カーソルを合わせて初めて表示されます)。これはテスト不足かなと思いました。
そして一部に理不尽なミッションが存在すること。
基本的にはどのミッションも何度かこなせば達成できるのですが、「1セッションで250000ポイント達成でクリア」といったものが有ります。ガレージから出てから戻るまでが1セッションです。これが本当に難しい。10000ポイントになる頃には警察の追跡もかなりのものになるので逃げ切ることが困難になります。私はインターセプターというミッションを利用(原則このミッションでは警察は1人しか来ないため)してやり過ごしました(笑)
さらにマニュアルが簡素すぎるということもひっかかります。
PS4になってダウンロード販売が主流になりつつあるので、パッケージ版を買っても紙のマニュアルが付いてきません。これは他のメーカーでも共通していて紙からオンラインマニュアルにシフトしつつあります。しかし、本作はさらに上を行っていてオンラインマニュアルすらありません。ゲーム内にちょっとしたテキストだけの説明があるだけです。レースゲームなのでそこまで重要では無いですけどね。
シームレスな展開には評価が分かれそう
本作は一旦フィールドに出てしまえば全てがシームレスに展開します。
オフラインとオンラインの境界が一切無いんですよね。オフラインミッションをやっている最中に路上で他のプレイヤーを発見しそのままバトル(その間画面切り替え一切無し)といったことが当たり前に行えます。他のゲームではバトル前に待ち時間が必要だったりするのでスムーズな展開とはいい難いものですが、本作ではそういう待ち時間が一切無いので常に緊張感が感じられます。
ただ、このシステムにもデメリットがあり、シームレスであるが為にミッションに集中出来ないということです。例えばタイムアタックをしている最中に他のプレイヤーに追われたり、さらには警察にまで追われる始末。スリリングですがストイックにタイムを縮めるという遊びには向きません。レーサー同士でレースをしてやっとゴールしたと思ってもそのまま警察とカーチェイスが続行みたいな展開もあります。警察に捕まるとポイントが没収される為気が抜けません
しかもこのゲーム、一旦フィールドに出るとゲームを一時停止できません。他のプレイヤーとフィールドを共有してるから当然なのですが。人目が付くところに停車しているといつの間にか警察に逮捕されてるなんてことも珍しくありません。おちおちトイレにも行けません(笑)
ゲームの難易度は結構高めかも
ドライブ自体は初心者でも馴染みやすいのですが、ゲームの難易度は結構難しいかも知れません。ミッションごとに難易度は決まっているのですがどの難易度もそこそこ難しくあまり差が無いように感じます。ゲームクリアした私でもEASYで負けることがあります(笑) スピードだけで競うと結構辛いのでガジェット(いわゆる武器)を駆使して相手を妨害するのが攻略の鍵になるかと思います。
本作ではレーサーと警察のツーサイドでプレイが可能ですが初心者はまずは警察でプレイすることをオススメします。何故なら警察の場合、余計な妨害が入らない為です。レーサーの場合オーバースピードで走行しているだけでも警察に追跡されるため気が休まらないですが、警察の場合はそういったことも無いので自分のペースでゲームが進められます。しかし終盤ともなると両方とも難しいのですが。
また、レーサーはレーサーで楽しみがあります。スコア稼ぎがとにかく熱いです。レーサーは路上で危険運転をするとヒートレベル(警察の手配度のようなもの)がたまっていき、ヒートレベルが高いほどスコアの倍率が上昇します。つまりより危険なプレイをするほどハイスコアが狙えるというわけです。大抵は最終的にミスして全ポイント没収されるんですけどね・・・w
難しいなら無理かも・・・。って思う方安心してください。
このゲームは最初から全ての場所をドライブできます。本作はバトルなんてしないで自分のペースで走っているだけでも時間を忘れ楽しめます。というか自分がそういう遊び方ばかりしているんですけどね(笑)
PS4版と PS3版との違い
気になる人も多いであろうPS4版と PS3版との違いざっくりとまとめます。PS3版も十分美しいので一見するとたいした違いは無さそうに見えますが結構有ります。PS3版は実際にはプレイしていないのでプレイ動画と比較しての感想です。
- モーションブラーの有無
- 先述しましたがPS4版にはモーションブラーが適用されます。これによりスピード感向上や映像の厚みが増します。
- 環境効果の加減
- こちらも先述しましたがPS4版では舞い散る雪や水しぶきがよりリアルです。パーティクル数が増えています。
- テクスチャの品質
- PS4はPS3の10倍以上のメモリを搭載しているためかなり高精細なテクスチャを表示できます。アスファルトや岩の質感がくっきり分かります。
- 画面の解像度
- PS4版はフルHD1080p対応です。小さな画面でプレイする分には大差がありませんが、32インチ以上のモニタでプレイすると大きな違いが感じられます。ドット感を感じなくなるのでよりリアルに感じられます。
- ライティングの品質
- PS4版のほうがコントラストがはっきりしていて重厚な印象です。
- オブジェクトの量
- PS4版は周辺に覆い茂る木々をはじめとした数々のオブジェクトをより多く表示可能です。
Need For Speed Rivals の得点
※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。
項目別評価
- グラフィックス ☆☆☆☆★
- とにかく環境効果・ライティングが美しい!しかしレースゲームで60fps出ていない(PC版もそのようです)のはマイナス。
- サウンド ☆☆☆☆☆
- エンジン音、スキール音、クラッシュ音どれをとっても最高。
- 熱中度 ☆☆☆☆☆
- フリーランで適当に流しているだけでも時間を忘れて楽しめるほどドライブフィールが気持ちよい。
- ボリューム ☆☆☆☆★
- 警察・レーサー2つの立場でプレイできるためミッション数は豊富。アンロックする必要のある項目も多い。ただミッションのバリエーションが少ないためドライブそのものを楽しめる人でないと物足りないかも。
- 遊びやすさ ☆☆★★★
- UIの不親切さと理不尽なミッションこれはマイナス。ここだけ改善するだけでかなり良くなる。
Need For Speed Rivals の長所・短所まとめ
長所
- Need for Speed 世界観に没頭できる圧倒的なグラフィック
- 圧倒的な高揚感が得られる迫力のエキゾーストノート
- ただ走らせているだけでも楽しいドライブフィール
- オフラインとオンラインのシームレスな融合
- 路上に出れば緊張感の連続
短所
- UI(ユーザーインターフェイス)の不備
- 理不尽な展開
- ライティングの不具合によるちらつき
- いい加減なダメージ計算
- タイムを競う遊びには向かない
- 無いに等しいストーリー
- フレームレートが60fpsでない
Need For Speed Rivals はこんな人にオススメ
- とにかく実写のような美しいグラフィックを堪能したい
- ちょっとした時間に気軽にPS4のゲームやりたい
- 圧倒的なスピード感を体験したい
- ストレス発散したい
- ドライブが好き
- 箱庭(オープンワールド)が好き
この内一つでも当てはまる人は買いです!
まとめ
とにかくレースゲームやドライブ好きにはたまらない作品だと思います。PS4だからこそ表現可能な映像やサウンドを是非体験してみてください!
最後は40キロに及ぶレースイベントの動画でお別れとなります。是非お楽しみください(下手なプレイですみません)。