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投稿日:2017年07月31日更新日:2019年01月15日

【評価・レビュー】楽しい?面白い?PS4版ドラクエ11をクリアした感想&15つの特徴

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5年ぶりの新作という事で遂にドラクエ11が発売されましたね!一人プレイ(シングルプレイ・オフラインプレイ)専用タイトルとしてはドラクエ8発売以来なので13年ぶりという事になりますね。

一人プレイ専用という事で、私も久々にドラクエを購入・プレイ(9、10は未プレイです)!70時間ほどかけて一通りクリア(クエストは半分ほど達成)したのでレビューを書きます。

ちなみに、たった発売2日で200万本が売れたようで、その人気の高さは流石ドラクエって感じですね(しかもDL版は含まれていない売上なので、実際はもっと売れています)。

そして、ドラクエ11はシリーズ最高傑作という声も非常に多いです(クリア後の展開は賛否両論ありますが、個人的にはそれを含めシリーズ最高傑作だと思いました!)。

それではドラクエ11のレビューをご覧ください。

1. ストーリー展開はシリーズ最高の出来!驚きと感動の連続でマジで面白い!

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ドラクエ11がシリーズ最高傑作と多くの人から支持される一番の理由はストーリー展開なんですよね。これから購入を考えている人の楽しみを奪うことになってしまうので大きなネタバレは避けますが、中盤以降の展開がヤバいです。

ザックリ言うと、ドラクエなどの王道RPGの定番でもある『魔王復活・降臨』。もちろん本作にもあるのですが、ここからの展開がホント楽しい。苦境を乗り越え仲間が覚醒していく様子だったり、その一方でシリーズ屈指の悲劇の別れがあったり…。

また、記事後半でも触れますが、魔王討伐後(クリア後)の世界が過去最高に面白いです(ここは賛否両論ですが)。クリア後の世界がここまで面白い理由は、クリアするまでの過程がとても良く出来ているからなんですよね(ネタバレになるので言えませんが、実際プレイしたら分かります)。

そして、クリア後の裏ストーリーをクリアすると、ドラクエ11はドラクエシリーズの原点であることをプレイヤーは確信する事になるんですよね。是非プレイして確認してみてください!

2. 一人プレイ専用の昔ながらのドラクエが帰ってきた!

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これぞ我々昭和世代が待ち望んだドラクエという感じですね。やはりドラクエは一人黙々と旅をするのが楽しいです。

グラフィックこそ各段に進化していますが、プレイした感覚は「ドラクエってこうだよな!」と思わせてくれます。

ドラクエはいわば『伝統芸能』みたいなものなので、『目新しさ』は無いんですが『期待通りの面白さ』があるんですよね。昔のドラクエが好きな人は間違いなく楽しめると思います。

ただ、昔のドラクエと比べると難易度は若干易しいですね。ただ、クリア後の裏ストーリーは手応え抜群で、様々なスキルを駆使しないと攻略は難しいでしょう。

3. 戦闘の絶妙なバランスは流石だと思う

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ドラクエと言えば戦闘ですが、連携技やゾーンといった新要素はあるものの、基本は昔ながらのドラクエを踏襲しています。

特筆すべきはバランスです。
ドラクエの戦闘バランスってホント絶妙なんですよね。低レベル・装備不十分だと結構苦戦するんですが、少しレベルを上げて装備も整えれば誰でもクリア出来るバランス。職人芸だと思います。

社会人になると「レベル上げとか面倒くさくてやってられない」と思うのが普通ですが、ドラクエのレベル上げって楽しいんですよね。少しのレベルの違いや、装備の違いだけで格段に成長を感じるからなんでしょうね。

ただ、過去作品よりは易しめなので、上級者はゲーム開始時に設定できる『公式縛りプレイ』で『防具装備禁止』、『買い物禁止』などの縛りを入れてプレイすると抜群のスリルを味わえますよ。

なお、PS4版と3DS版で戦闘システムが若干異なります。お馴染みのコマンドバトルである点は共通ですが、3DS版が従来のターン性であるのに対し、PS4版はそのキャラの行動順が来たらコマンドを入力する方式を採用しています。ターン性だと敵味方の行動を予測して全員分のコマンドを入力する必要がありますが、PS4版は予測の必要が無いので臨機応変な行動が可能です。

厳密に言うとPS4版の戦闘も実はターン制です。行動順が来たらコマンド入力をするわけですが、敵・味方全員が行動したら1ターンとするのは3DS版と同様です。つまり、違うのはコマンド入力のタイミングだけです。要するに、どんなに素早さを上げても1人だけ何回も連続で行動する事は出来ないという事です。

4. グラフィックは美しい。実写的ではないけど丁寧に作られている

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グラフィックは実写的では無いもののかなり美しいです。細かく丁寧に作り込まれていると感じました。上の画像を見て頂くと分かる通りスケール感が凄いんですよね(これはPS4版だからこそ成せる業です)。

生い茂る草木の表現だったり、流れる水の透明感や滝の躍動感、ストーリーを感じさせる建築物など、日本人の「細かい部分にこだわりを持つ国民性」が良く表れている作り込みです。

あと、イベントシーンのカメラワークやキャラクターのアニメーションも出来が良かったですね。PS4版はキャラクターの表情も細かく作り込まれているので、しっかりとストーリーに感情移入出来ますよ。

5. 過去のドラクエを連想させる演出・表現が散りばめられている

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まず、『ロトゼタシア』という世界がドラクエ11の舞台ですが、これはドラクエ1~3のロトシリーズと関係を臭わせます。どのように過去作品と関係してくるかは真のエンディングで解明されるのでお楽しみに!

BGMも過去作品のものがいくつか取り入れられていますね。とあるイベントバトルではドラクエ4の戦闘曲だったり、感動の再開ではドラクエ5の曲が使われています。悪く言えば使い回しですが(笑)

また、ストーリー序盤に主人公が牢獄に入れられたり、過去にタイムスリップして幼少期の自分と対話したりするんですが、ドラクエ5でもこういう展開があったなと懐かしい気持ちになりました。

またシリーズお馴染みの『ぱふぱふ』は今回も登場し、色々なバリエーションが存在します。ちなみに『ぱふぱふ』が何か知りたい方はドラゴンボールを読みましょう。

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さらに、登場する街にも過去作品を思い起こさせるものもあります。例えば、上の画像の街『ホムラの里』はドラクエ3に登場した『ジパング』をオマージュしていると思われます(ここで起きるイベントがまたなかなかエグいのです…)。

6. BGMには過去の名曲も採用!ただ多用し過ぎな一面も…

先ほども触れましたがドラクエ11には過去作品の名曲が多く採用されているので、シリーズのファンは懐かしさを感じながらプレイ出来るはずです(個人的にはクリア後のフィールド曲と空飛ぶ乗り物の覚醒後の曲が感涙ものでしたw)。

しかし、名曲が沢山採用されるのはファンにとって嬉しい事なんですが、明らかに多様し過ぎなんですよね。例えば、形勢逆転する様なシーンでは、ドラクエ6のオープニングで使われてる曲が採用されているんですが、この曲が色々なところで使われているんですよね。こういうのは「ここぞ」という時に使って欲しかったです。

こうした使い回しが多いのは、ドラクエシリーズの作曲を手掛ける『すぎやま こういち』さんが今年86歳とかなりのご高齢であるという事情があったのでしょう。

7. 女武道家マルティナが最高にエロい

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主要メンバーの一人マルティナはおそらく男性人気ナンバー1のキャラでしょう。ドラゴンボールの人造人間18号を彷彿とさせるツンとした雰囲気と抜群のスタイルとそれを強調する衣装はたまらんですわ!

ちなみにマルティナは某国の姫なんですが、特技には「ぱふぱふ」などお色気を駆使した技が多く、どんな英才教育された姫様なんだよとツッコミたくなりますね(笑)

また、マルティナはワケあって一時的に敵対するのですが、『ぱふぱふ』を主人公に使ってくることがあるんですよね。これは攻撃なのか、それともご褒美なのか…。16歳の主人公にはたまらんでしょう(笑)

そしてマルティナの同行者であるロウと呼ばれる老人は完全に亀仙人の枠ですね。エッチな本を持ち歩いてる事がバレれたり、なにかとスケベ要素が絡んできます。こんなスケベ爺さんがセクシーなマルティナと同行とか大丈夫なのか心配になります…。

8. 田舎育ちの主人公の髪型がサラサラストレートは不自然

主人公の髪型は結構不評だと思います。個人的に昔の武田鉄矢や90年代のナルシスト男みたいな感じがするので苦手ですね。

そもそも、主人公は山奥の小さな村で育った純朴な少年なのに、どうしてこんな髪型になるのか不思議です。「村で一人だけ目立ちすぎだろ」とツッコミいれたくなりますね(笑)

なぜこの髪型なのかは主人公の生い立ち理由があるんですが、生い立ちだけで髪型を決めてしまうのはどうかと思いました。

9. メニュー画面はそろそろ一新した方が良いと思う

メニュー画面も昔ながらのドラクエなんですが、さすがにこれは一新した方が良いと思いました。時代遅れというか使い勝手が悪いんですよね。

特に面倒だと思ったのがアイテムの売却。一つずつしか売れないんですよね。しかも、1つ売るたびに恒例の「これでよろしいですか?はい/いいえ」という選択をすることになるので、たくさん売る時はホント地獄。

売りたいアイテムにチェックを入れて『まとめて売却』出来るようにして欲しいですね。

あとは街の外にボタン一つで出られるようにして欲しい。PS4版は建物が広いので出口まで行くのが大変なんですよね。

10. ジャンプの効果音が酷い

「マリオかよ!」ってツッコミを入れたくなるような効果音がジャンプすると鳴るんですよね。「ぴょーん」みたいな。これがドラクエ11をプレイして一番最初に感じた不満です。

ただ、ストーリーが進むとコミカルなギャグ展開(堅物なあのキャラが〇〇な本に食いついたりw)が結構多いので、「意外とこのジャンプ音は合っているのでは?」と錯覚してしまうんですよね(笑)

11. 戦闘の『フリー移動バトル』システムは不要

デフォルトでは『フリー移動バトル』により、戦闘中に主人公を自由に移動させることが出来ます。敵の後ろに回り込んだりすることが出来ます。

そう書くと「戦略性が高くて楽しそう!」と思うかも知れませんが、「あくまで移動が自由に出来るだけ」なんですよね。しかも、他のキャラは棒立ちです。公式にも書かれていますが、このシステムによる有利不利は一切無いんです。

歩き回りたい人以外は『さくせん』で『フリー移動バトル』を『オートカメラバトル』に変更しましょう。そうすることで、移動は出来なくなりますが迫力のあるカメラワークになります。

12. 新システム『連携』は手が込んでいるが多用できない

戦闘の新要素として『連携』があります。

連携は複数のキャラクターが『ゾーン』と呼ばれる状態になる事で発動する事が出来ます。連携人数が多いほどより強力な技を発動する事が出来ます。ドラクエ5で初めて登場した『ミナデイン』も連携の一つです。

連携は思った以上にバリエーションが多く、演出もかなり凝っているので、どんどん使っていきたいところなんですが、ゾーン状態にするには結構長いターンを待たないといけないので、安易には使えないんですよね。

終盤になればアイテムでゾーン状態に出来るんですがそれも非常に高価なんです。なので全種類のうち半分ほどしか連携技を使えませんでした。

もう少し効果を弱体化してでも使用する機会を増やした方が良かったのではないかと感じました。

13. オープンワールドではないが街の作り込みは凄い

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『ドラクエ11オープンワールド説』は結構ありましたが、残念ながらオープンワールドではありません。一つ一つのフィールドはそれなりに広いですが、エリアごとに分割されています。

まだ中盤までしかプレイしていませんが今作も船が登場します。船に乗っている時はミニチュア化されたフィールドを移動することになります(FC、SFC時代のフィールドのイメージ)。

完全なオープンワールドにしてしまうと、3DSとのマルチが難しくなりそうですし、開発費も膨大なものになりそうなので、今の形に落ち着いたのでしょうね。

しかし、オープンワールドでない代わりに街一つ一つの作り込みは半端じゃないです。目を見張る表現とはまさにこの事ですね。

14. ボイス無しは個人的にアリ

3DSに移植されたドラクエ8にはキャラクターボイスがあったので、ドラクエ11にもあるものだと思っていたのですが、今作はキャラクターボイス無しです。

最初は、グラフィックや演出がリアルなのにボイスが無いのは違和感を感じたんですが、少しプレイしているとテキストが流れる「テレレレ…」という効果音があってこそのドラクエだと思うようになりました。

おそらく、若い世代はボイス有りの方が良いと思うかも知れませんが、昭和生まれのファミコン世代にはボイス無しの方がしっくりくると思います。

ちなみにドラクエの生みの親である堀井雄二さんによると「ボイスを付けてしまうとストーリーの変更が難しくなるから」とのこと。ストーリーに妥協したくない、ギリギリまで調整したいというこだわりがボイス無しという仕様になった理由だそうです。

15. クリア後に驚きの展開が待っている!

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先ほど少し触れましたが今作もクリア後の要素があります。ネタバレになるので詳しくは言いませんが、今作のクリア後の要素はメチャクチャボリューム満点です。

過去作だと隠しダンジョンや裏ボスがいる程度ですが、今作はストーリーに続きがあり本編以上の怒涛の展開があるんですよね。例えるなら、『ドラゴンボール』が終わったと思ったら『ドラゴンボールZ』が始まった、みたいな感覚です。

また、サブタイトルの『過ぎ去りし時を求めて』の意味が明かされるのも、クリア後のストーリーなんですよね。つまりクリア後が本編みたいなものなんです。もちろん、最初のエンディングで”1つの”ストーリーは完結しています(なぜ”1つの”と強調したのかはプレイすれば分かります)。

今作は『原点回帰』がテーマとのことで、ファミコン・スーファミ時代のドラクエの要素が色々とオマージュされていて、とにかく満足度は過去最高でしたね。昔からドラクエを遊んでいる人にこそオススメしたい一本です!

PS4版ドラゴンクエスト11の得点

95 / 100

※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。

項目別評価

グラフィックス ☆☆☆☆☆
実写的ではないものの、とても丁寧に細かく作り込まれたグラフィック
サウンド ☆☆☆☆★
過去の名曲は感涙もの!使い回しの多さや新曲の印象の薄さで減点
熱中度 ☆☆☆☆☆
先が気になるストーリーと飽きさせないゲームバランスが最高!
ボリューム ☆☆☆☆☆
メインストーリーのボリューム感、やり込み要素の多さに満足
遊びやすさ ☆☆☆☆★
古臭いUIと素材収集のマップ表示が若干煩わしかった

昔ながらの王道RPGで非常にシンプルな作りであるからこそ、面白さやストーリーの良さを追求する事が出来たのだと感じました。さすがドラクエ!さすが堀井雄二!

不満はあるけど、昔ながらのドラクエが好きな人にはオススメ

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中盤辺りまでは「こんなものかな・・・」と思いましたが、全てを終えて「これはシリーズ最高傑作!」という印象に変わりました!ドラクエ好きなら買って間違い無いです!特に初期から遊んでいる人!

いくつか挙げた不満点も「古臭さ」からくるものなので、良く言えば「昔ながら」なので、人によっては欠点も利点になるかと思います。

「とことんプレイヤーを楽しませよう!」という製作スタッフの気持ちがひしひしと伝わってきて、「ドラクエは売れるべくして売れたんだな」と感じずにはいられませんでしたね。

ストーリー的にも『集大成』なのでドラクエファンは是非遊んでみてください!

なお、美しいグラフィックにこだわりがなければ3DS版の方がオススメです。価格も安いですし、PS4版の等身を低くした3Dモード以外にも、SFC時代を彷彿とさせるドットで表現された2Dモードでも遊べますからね。他にもマップの構造や戦闘システムもPS4版とは若干異なったり、独自の要素もあるので両方遊んでみるのもありかも知れませんね。

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