『仁王3』開発者インタビュー徹底解析:「捌き」と「サムライ・ニンジャ切り替え」による戦闘の進化
全世界で高い評価を得たダーク戦国アクションRPGの金字塔、『仁王』シリーズの最新作『仁王3』がついに発表されました。プロデューサーの安田文彦氏をはじめとするTeam NINJAの開発陣への合同インタビューからは、前作までの醍醐味を継承しつつも、戦闘システム、探索、ストーリーにおいて大胆な進化を遂げた「新時代の仁王」の姿が見えてきます。
本作の戦闘の核となるのは、「サムライとニンジャのスタイルを切り替えながら戦う」という新しいアクションの機軸です。これは、『仁王』シリーズの根幹である「サムライ」の剛の力と、Team NINJAのアイデンティティとも言える「ニンジャ」の速の力を戦闘中にダイナミックに変化させる要素です。『仁王』シリーズ特有の高い難易度を保ちながら、いかにプレイヤーに新たな攻略の糸口と爽快感を提供するか。この記事では、数々のインタビューから判明した『仁王3』の主要な新要素と見どころを、情報ソースにある単語のみを用いて徹底的に解説します。
この記事の目次
新主人公と物語の舞台:戦乱終結後の混沌

『仁王3』の物語は、前作『仁王2』で描かれた戦国時代から時を経て、徳川家康による治世が確立されつつある江戸時代初期を舞台としています。しかし、一見平穏に見える時代も、各地には未だ妖怪が跋扈し、大きな因縁が残されています。開発陣は、過去の物語の因果を受け継ぎつつも、新たな視点で物語を描くことを重視しました。
主人公は、ウィリアムや秀のように実在の歴史人物に深く関わる存在でありながらも、プレイヤーの分身としてカスタマイズ可能な「新主人公」となります。今回は特に、日本の南西部、具体的には九州地方を物語の中心に据えていることが示唆されており、島津家などの西国の武将や、これまで描かれなかった地方の妖怪伝承に深く切り込んでいくことになります。これにより、プレイヤーは新しい地域、新しい文化、新しい敵と対峙することになり、新鮮な驚きが得られるでしょう。
戦闘システムの進化:サムライとニンジャの「転心」
『仁王』シリーズの代名詞である「気力(スタミナ)」管理と「残心」によるリカバリーシステムは健在ですが、『仁王3』ではこれらに加えて、「サムライとニンジャのスタイルを切り替えながら戦う」、すなわち「転心」と呼ばれる要素が導入されました。これは、サムライとしての武技と、ニンジャとしての俊敏な動きや術を駆使することで、攻防一体の戦略を生み出すシステムです。
新システム「技研ぎ」と「捌き(さばき)」による攻防の強化
従来の気力ゲージに加え、新たに「技研ぎゲージ」が導入されます。このゲージは「防御や捌き、または敵に攻撃をヒットさせる」ことで蓄積されていき、最大値に達すると「次に放つ武技の威力が強化される」効果があります。これにより、攻防を積極的に行うことで、火力を高める新たな戦略が生まれました。また、「捌き」は、ギリギリのタイミングで攻撃を防ぐことで敵を仰け反らせ、気力の消費も抑えることができるアクションであり、技研ぎゲージの蓄積にも貢献します。この新アクションによって、攻めの幅がより戦略的に広がっています。
常闇への対抗策:プレイヤー側の切り札
敵が展開する「常闇」の概念も進化しました。常闇の中では、プレイヤーの気力回復が遅くなるなど不利な状況に陥りますが、新システムである『転心』、『技研ぎ』、『捌き』を駆使することで、有利に立ち回ることが可能なはずです。安田プロデューサーは、このシステムにより「プレイヤーはより主体的に戦場を支配できるようになる」とコメントしています。
新奥義の追加と武器アクションの拡充(薙刀の導入)
『仁王3』では、既存の武器種に対する新奥義や新スキルが多数追加され、戦闘の奥深さが増しています。特に、シリーズファン待望の新たな武器種として「薙刀(なぎなた)」が導入されました。インタビューでは、中距離からの広い攻撃範囲と、素早い払いによる迎撃能力が特徴とされており、これまで近接戦闘が中心だった『仁王』の戦闘に、新たな距離感がもたらされます。
また、前作で好評だった魂代を使った「妖怪技」は仕様が変わりました。本作では代わりに「陰陽術」や「妖怪の召喚」を行う仕様となっています。
開発チームは、「サムライとニンジャの切り替え」を主軸とすることで、アクションの幅を広げることを重視していると考えられます。
探索とステージデザインの深化:立体的なマップ構造
『仁王3』では、戦闘だけでなく、ステージの探索そのものも大きな魅力の一つとなっています。開発チームは、前作までの入り組んだマップ構造をさらに推し進め、「立体的な繋がり」と「秘匿されたルート」を重視したデザインを採用しました。これにより、一見行き止まりに見える場所にも隠された道やショートカットが存在し、探索の達成感が格段に向上しています。
開発者が語る『仁王3』の目指すビジョンと難易度
Team NINJAは、『仁王3』においても「死にゲー」というアイデンティティを維持することを明言しています。しかし、その難しさは「理不尽さ」ではなく、「乗り越えるための戦略と達成感」に焦点を当てています。早矢仕洋介氏(Team NINJA)は、「難しいからこそ、新システムであるサムライとニンジャの切り替えを使いこなして敵を圧倒した時の爽快感が際立つ」と語っています。
また、本作は『仁王』シリーズの集大成としての側面も持ちますが、新規プレイヤーが安心して参入できるような配慮も施されています。初期のチュートリアルをより丁寧にし、基本アクションの理解を深めるための訓練場も充実しています。コアなファンを唸らせるやり込み要素と、新たなプレイヤーを迎え入れる間口の広さ、その両立が『仁王3』の目指すビジョンです。
まとめ
『仁王3』は、単なるナンバリングタイトルではなく、過去の資産を活かしつつも、現代のアクションゲームとして革新的な進化を遂げた作品です。新要素である「転心」、「技研ぎ」、そして「捌き」といったアクションの機軸が、戦闘の戦略性と爽快感をこれまでにないレベルに引き上げています。薙刀などの新武器種の導入、そして立体的な探索が可能なステージデザインも相まって、プレイヤーは戦乱後の混沌とした世界で、新たな強敵たちに立ち向かうことになるでしょう。
参考文献
※この記事は以下の動画を基に再構築しました。
https://www.gamecity.ne.jp/news/25467.html
https://www.famitsu.com/article/202506/43136
https://news.denfaminicogamer.jp/interview/250925h
https://dengekionline.com/article/202509/53253
https://www.4gamer.net/games/916/G091606/20250926054/
https://www.famitsu.com/article/202509/52822
https://jp.ign.com/nioh-3/81052/interview/3

