考察・まとめ
投稿日:2024年07月28日更新日:2024年10月25日

「UBIは日本や黒人を軽視・差別している!」が間違いである理由【弥助ヒップホップ/UBI擁護の意見/アサクリシャドウズ】

前回書いたアサクリシャドウズ騒動の問題の1つに『UBIが日本人や黒人を軽視・蔑視・差別している!』というものがあります。

大前提としてUBIが明らかに日本人や黒人を差別する発言は確認されていないので「差別している」と断定するような主張はデマという事になります。

ただ、捉え方によっては「軽視・差別しているのではないか?」と誤解を受ける発言があるのも事実です。

問題はUBIに「軽視・差別をする意図があったのか?」という話ですが、私の見解を言わせていただくとUBIに限ってそれは無いと考えています。

というわけで今回は、UBI擁護派としての一意見を話していきます。

UBIは日本を軽視しているどころか重視している企業である理由

まずはUBIが日本を軽視しているという疑惑について話していきます。

日本での販売本数が少ないにも関わらずローカライズには力を入れている

UBIが日本を軽視するどころか重視している理由が『日本語ローカライズ』にあります。

UBIのほとんどのタイトルが日本語音声に吹き替えされており、かつ、字幕も違和感が無いものに仕上がっているんですよね。

UBIのタイトルが日本で爆売れしているならローカライズに力を入れるのは分かります。でも、日本ではあまり売れていないのが実情なんです。

例えば、アサシンクリードシリーズは新作を発売するたびに世界で1000万本、2000万本と売れる人気タイトルですが、日本では10万~20万本ほどしか売れません(日本での売上は非公開ですが、ファミ通の週間売上だと5万本前後)。

つまり、アサクリシリーズにおける日本の売上は世界の売上の1~2%程度しかないので、日本の市場を切り捨ててしまっても良いぐらいなんです。それを手間暇かけてローカライズする海外メーカーって中々無いんですよね。日本が軽視などされていない証拠です。

四季や建物の再現度が低いのは日本軽視なのか?

日本軽視と言われる理由に、四季や建物の再現度の低さというものが挙げられています。

これは日本軽視というよりも『コスト的な問題』と思われます。

オープンワールドで四季を再現するには膨大な開発予算が必要になります。四季だけでなく時間や天候の変化といった要素もコストが飛躍的に増えます。

例えば、グランツーリスモというリアルさを売りにしたレースゲームがありますが、天候や時間の変化は限定的です(コースによって実装に差がある)。オープンワールド作品ですらないのに、開発コストの問題で取捨選択を迫られるわけです。四季の再現なんてもっての外というわけです。

しかし、日本において四季は魅力的な要素です。「どうしても四季の要素を取り入れたい」という思いと、コスト的な部分のせめぎ合いによって、四季がごちゃ混ぜになってしまったのだと思います。実際、ゴーストオブツシマにも四季がありますが、こちらも『エリアごとに四季を変える』という妥協案を選んでいます。

建造物についても同じ事です。限られた予算の中で制作する以上、どこかで妥協点が必要になるのは当たり前の事です。

また、過去作と違いアサクリシャドウズは文化圏が遠く離れた国ということで、余計にコストが掛かっていると予想されます。

生成AIの利用は日本軽視か?

前段のコストの話と重なりますが、限られた予算で開発するには生成AIの活用が必要になってきます。

今や個人が生成AIを使い、低コストでそれなりのものを作り上げてしまう時代なので、全てを一からコストをかけて作っていては割に合わない時代になってきてしまっているんですよね。

UBIに限らず日本の大手企業も生成AIを活用したCMを放映して話題になりましたし、今やそういう時代なのです。

ただ、生成AIを使った結果、著作権を侵害したアートが出来上がってしまうようなトラブルが起きてしまっては元も子もないので、その点は改善すべきところですね。

黒人侍 弥助を主人公にしたのは日本軽視?

黒人の弥助が主人公に選ばれたのが日本蔑視・日本人差別と考える人もいるようですが、私は違うと思います。

インタビューでも『私たちのサムライ』と言ってるように、欧米人がロールプレイしやすいように黒人の弥助を抜擢したに過ぎないと思います(そもそもインタビューで差別的な発言をするとは考えにくいですからね)。あくまでアサクリは欧米各国をメインターゲットにしたタイトルなので、そのターゲットが感情移入しやすい人物を主人公にするのは自然な流れです。

また、同じ戦国時代を舞台にした『仁王』の主人公も日本人ではなく白人です。だからと言って日本軽視とは言えないわけです。

UBI CEOが日本の批判者をレイシストといったのは本当か?

UBIのCEOがアサクリ批判者をレイシスト呼ばわりしたと騒がれていますが、これはデマです。

けいじちゃんねるさんも指摘していますが、これは数年前から続く開発者への個人攻撃やハラスメントに対しての批判というのが真相です。

けいじちゃんねるさんは、他所のチャンネルみたいにアサクリ騒動を変に煽り立てず、冷静に指摘しているので非常にオススメです。

当時の日本では首切りは日常茶飯事という発言

また、UBIは海外向けのインタビュー記事で「当時の日本では首切りは日常茶飯事」と受け取れる発言をしています。

これも日本人差別だと受け取る人が多いみたいです。

ただ、これに関して言えば、”戦乱の世”と言われる時代の話なので、合戦で多くの戦死者が出たわけですし、野武士が追いはぎを行い犠牲者が出ていたという事実があります。

なので、UBIの主張は遠からず間違ってはいないと思いますし、仮に間違っていたとしても”戦乱の世”というイメージからの発言でしょうから、日本軽視・差別の意図は無いと考えるのが自然です。

「UBIは黒人を差別している」は誤りである理由

続いて、UBIが黒人を差別しているのかという話をしていきます。

黒人が日本人を切り倒すのは差別なのか?

黒人である弥助が日本人を切り倒すのが差別的だと主張する人も多いです(黒人差別という人もいれば、日本人差別という人もいます)。

私の見解は『アクションゲームなんだから仕方ない』です。

弥助を主人公にした以上は、戦いに参加することは避けられないからです。

先ほど話に出た『仁王』では、主人公のウィリアム・アダムスが日本人をバッサバッサと斬りまくりますが、同じ事ですよね。

戦闘でヒップホップを流すのは黒人差別?

戦闘BGMでヒップホップのビートが流れる事について、「【黒人=ヒップホップ】というステレオタイプ的な考えは黒人差別だ!」と主張する人もいました。しかも、その投稿には4000いいね付いて賛同者が非常に多かったです。

ある意味ステレオタイプは創作には欠かせない物なんですよね。

ユーザーが期待するキャラクター像』というものがあるわけで、それは言い換えればステレオタイプとも言えるわけです。例えば、「女性キャラは可愛らしくあって欲しい」といったものです。

日本が世界に誇る格闘ゲーム『ストリートファイター6』に登場するキャラクターもステレオタイプ全開ですからね。黒人のディージェイやキンバリーは「音楽好きの陽気なキャラ」というテンプレ的なキャラクターと言えます。

なので、こんなことで人種差別などと言われたら『表現の自由』は失われてしまいますよね。

また、アサクリシャドウズやストリートファイター6と真逆の事をしたのが『ラストオブアス2』です。

【女性=華奢・可愛らしい】といったステレオタイプとは真逆を行く、ゴリゴリの筋肉女を登場させたわけです。

差別をせず多様性を重視したわけですが、今度は「ポリコレに配慮するな!」とバッシングされる事態になりました。

結局、多様性に配慮しなければ「人種差別だ!」と騒ぎ、配慮すれば「ポリコレに配慮するな!」と騒ぐので、どっちが正解でどっちが間違いとか無いんですよね。難癖を付ける人は何をやっても騒ぐので。

要するに、ゲームメーカーは作りたいように作れば良いと思います。ステレオタイプ全開であろうとポリコレに配慮しようとメーカーの好きにすればいいのです。そしてゲームユーザーはクリエイターの意思を尊重すべきだと思います。

とはいえ、人の心の中は読めないのが現実である

というわけで、「UBIは日本人や黒人を軽視したり差別はしていない」というのが私の見解です。

勿論、人の心の中は読めないので、UBIの中にも差別的な人がいる可能性はありますし、それはどの企業・国籍・人種であっても同じ事です。

「日本が軽視されてる、差別されている」と感じるのは個人の受け取り方の問題ですが、「UBIは日本を軽視したり人種差別をしている!」と断定する行為こそが差別行為でありデマの流布なので、そういった行動は控えましょう。

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ちなみに、今回のアサクリ騒動をきっかけに16年ぶりにアサクリを購入しました。ここまで騒がれると無かったはずの興味も湧いてしまうものです。

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