【評価・レビュー】『選択』が現在・未来・過去を変える。『Life Is Strange』は神ゲーで間違いなし!
発売から半年以上経ってからのプレイになりますが、まさか「Life Is Strange(ライフイズストレンジ)」がこんなにも面白いとは思いませんでした。海外での評価が特に高くて数々の賞を受賞してるんですよね。Amazonでの評判もかなり良いです(”超”高評価ですね)。
いわゆる「タイムリープ」や「バタフライエフェクト」が題材の作品なんですが、これらの題材がゲーム性にも生かされているのは勿論なんですが、それ以上に”ベースとなるストーリーが秀逸”なんですよね。そして、ストーリーを盛り上げる音楽や効果音、そして声優の演技力が素晴らしくて、どんどんLife Is Strangeの世界に引き込まれていきました。
そして、プレイヤーの『選択』が現在・未来・過去に影響を与えるんですが、一つ一つの『選択』が重くて頭を悩ませるんですよね。良かれと思ってやったことが将来的には不幸を呼んだりもするので、あらゆる選択に覚悟が求められるんです。たかがゲームなんですが、ここまで選択で頭を悩ませたのは初めてかも知れません。
と言うわけで、今回はPS4版「Life Is Strange(ライフイズストレンジ)」をレビューしていきます。
この記事の目次
いじめ、ドラッグ、殺人、自殺等々…リアルなテーマを扱ったストーリーが深い
まず、Life Is Strangeを知らない人の為にゲームの内容をざっくり説明します。
本作の舞台は美術と科学に長けた名門校がある田舎町で、その学校に通う18歳(高校3年生)マックス・コールフィールドが主人公。
マックスは写真家を目指す少し内気なオタク少女なんですが、学校のトイレで親友が拳銃で撃たれてしまう事で、時間を巻き戻す(タイムリープ)能力が覚醒します。
タイムリープ能力に目覚めたマックスは力を駆使して、クラスメイトのいじめや失踪事件などに立ち向かったり、時間を巻き戻す事でコミュニケーションを図って人間関係を構築していく、そういうゲームです。
アメリカの学校が舞台なので日本人には馴染みが薄いですが、逆にそれが新鮮で色々と発見があるし、良質な海外ドラマの世界に入り込んだような感覚が味わえます。
いじめ、ドラッグ、殺人、自殺がテーマなので、心に刺さるものがありますし、映画とは違い『自分の選択』で結末が決まるので映画よりも圧倒的に没頭感が強いんですよね。
↑クラスメイトの自殺を止めることが出来ればお見舞い行けるが、止められなければ…(※このゲームにゲームオーバーはありません)
「見せ方」が上手くて世界に入り込める
タイプリープやバタフライエフェクトを扱った映画やドラマは結構ありますが、『自分で選択する』という体験はゲームでしか味わえません。
そして、これらの題材を扱ったゲームも数多くありますが、Life Is Strangeはとにかく「見せ方」が上手くて、プレイヤーキャラクターとシンクロする感覚が強く感じられます。他のゲームだと客観的に見ている感覚なんですが、Life Is Strangeはまるで自分がキャラクターになりきっているような感覚なんです。『選択』のリアリティがまるで自分の事の様に錯覚させるのだと思います。
また、誰にも信じてもらえなくて当然のタイムリープ能力を親友に証明する展開も心躍りますね(もちろんプレイヤーの手によって証明することになります)。
タイムリープによって『やり直し』が出来るからこそ『決断』に頭を抱える
「時間を巻き戻せるなら緊張感が無くてつまらないでしょ」と思うかも知れませんが、むしろ巻き戻せるからこそ決断することに悩むんですよね。
例えば、2つ選択肢があっても巻き戻せるので両方の結果が見られるわけです。しかし、その時は良かれと思って選んだ選択肢でも、それが原因で後々に災いが起こる事もあるわけなんですよね。先が見えるからこそ判断材料が増え、逆に頭を悩ませてしまうわけです。ちなみに、マックスが巻き戻せる時間は数分程度なので選択は非常に重要です。
また、マックスは『写真の中に入り込む能力』も覚醒します。具体的には写真の撮影日時と撮影場所に移動することが出来ます。これは普段の巻き戻しとは異なり、あくまでも写真が捉えた瞬間にテレポーテーションするようなイメージで、一定時間が経過すると強制的に元の時間軸に戻ります。
この『写真を撮った時間まで時を遡る能力』はストーリーの流れで使うだけなので自由に写真の中に入れるわけでは無いですが、写真の中で起こした行動次第で現在・未来が変わる感覚は純粋に楽しいですね。
味わいのあるグラフィックと密度の高いフィールドで探索が楽しい
ぱっと見グラフィックが微妙かと思ったんですが、これは”味”ですね。映画的な演出と声優さんの上手さでグイグイ引き込まれていきます。もし、Until Dawnみたいな実写的なグラフィックだと逆に感情移入し難かったと思うんですよね(リアル過ぎると少しの粗でも際立ってしまうので)。
それに建物内部のグラフィックはなかなか綺麗ですし、様々なギミックが隠されていて作り込みが凄いです。ホント色々な部分が調べられるので探索が楽しいんですよね。探索して見つけたもの次第で会話の内容・選択肢が変わってきたりもするので探索し甲斐があります。
良質なサウンドが世界観を盛り上げる
Life Is Strangeを遊んで真っ先に思ったのが音楽や効果音の良さなんですよね。
エピソードの始まりや重要な展開の際には印象的な音楽が流れるんですが、どれもクオリティが高くて心に染みます。ホント。
特に中盤以降に展開される悲しみに暮れるシーンで流れる曲はヤバイです。曲聴くだけで涙腺崩壊しそうな勢いです(笑)
そして、声優さんの演技が上手い。特に終盤の切迫した感情表現がホントやばいです。英語がペラペラでもない限りは日本語音声でプレイすることをオススメします。
『最後の選択』の消失感は半端じゃない
ネタバレになるので詳細は書きませんが、『最後の選択』はヤバいです。まさに『究極の選択』といった感じです。
マックス(プレイヤー)は様々な人達と人間関係を構築していくわけですが、『最後の選択』はどちらを選んでも半端じゃない消失感を感じるんですよね。けど、けしてバッドエンドというわけでは無くて、長々とプレイしてきたからこそ感じる事の出来る消失感なんです。
この感覚は『ニーア レプリカント』という作品で話題になった「セーブデータを消さないと見られないエンディング」に通ずるものがあるかも知れません。
この感覚は他人のプレイ動画を見るだけでは味わえないと思います。ご自分でプレイすることをオススメします。
繰り返しプレイし難いのは欠点だけど2周は遊ぶべき
個人的にLife Is Strangeは神ゲーだと思います。特に1周目の楽しさは異常。
ただ、欠点があります。とにかく繰り返しプレイするのが面倒なんです。
実質会話をスキップ出来ない作りなので同じ会話を何度も聞く羽目になります(※時間巻き戻した後の会話はスキップ可能)。
そして、ストーリー序盤での選択がストーリー後半に影響してくる事も当たり前のようにあるので色んな選択を試したくなるのですが、チャプター選択で途中からプレイした場合はその後のストーリーに影響を与えない仕様なので、様々な展開を楽しみたければ最初から始めないといけないんですよね。
「選択を変えることによる変化を楽しむゲーム性」であるはずなのに、システム上の問題でそれが活かせていないのは非常に残念だと思いました。
しかし、2周目までは新鮮な気持ちで遊べるので、1周目とは全く違う選択を選びシチュエーションの変化を楽しむことをオススメします。逆に全てのシチュエーションを網羅するのはシステム上かなりしんどいので止めておきましょう…(笑)なお、1周目は抜群に楽しいですよ!
Life Is Strangeの得点
※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。
項目別評価
- グラフィックス ☆☆☆☆★
- キャラクターのモデリングは旧世代機を思わせるが、建物内部の作り込みや演出の良さは評価
- サウンド ☆☆☆☆☆
- 文句無しに素晴らしい!特に音楽と声優の演技力に脱帽
- 熱中度 ☆☆☆☆☆
- とにかく先が気になるストーリー展開で最後まで没頭できます
- ボリューム ☆☆☆★★
- 選択肢のバリエーションは豊富だがシステム上すべてを網羅するのは困難なのでマイナス
- 遊びやすさ ☆☆☆★★
- 基本システムは良好だが2周目以降の繰り返しプレイがとにかくしんどい。ここだけ改善してくれれば文句無しだった
点数に関係なく一度は遊んでもらいたい作品です。
Life Is Strangeはオススメか?
若干辛口な事も言いましたが、「1周目の面白さは100点満点」ですね。それぐらい面白かったです。そして、『選択』の重要性はゲームの中ではなく現実にも通ずるものがあるので色々考えさせられる作品でした。
オススメ出来るかどうかは世界観に入り込めるかどうかによりますね。ただ、Amazonのレビューを見る限り大半の人が高評価なので、以下の公式プレイ動画やPVを見て面白そうだと思ったら買いだと思いますよ。
ライフ イズ ストレンジ: 日本語吹き替え版ゲームプレイ動画1
ライフ イズ ストレンジ: 日本語吹き替え版ゲームプレイ動画2