年明け早々に発生した、JAL旅客機と海上保安庁の機体と接触し炎上した事故ですが、不幸中の幸いかJALの乗客は全員無事でした。しかし、貨物室に搬入されていたペットは犠牲になるという事態になったわけです。
これに対し、女優の石田ゆり子さん、元フィギュアスケート選手の村上佳菜子さんと言った有名人らが「ペットと同伴して飛行機に乗れるようにして欲しい」といった要望を出しました。
これに対して、SNSでは「石田ゆり子とか村上佳菜子とかバカなんだね」「もはや、バカ発見機だな」といった誹謗中傷とも言える仕打ちを受けています。
石田ゆり子とか村上佳菜子とかバカなんだね💦イメージ悪くなった😰
ペット同伴の飛行機を!って、脱出時は手荷物同様置いていくんだけど出来るの?絶対連れていくでしょ。それを何人もすると脱出に何分かかる?
シューターも破損する。それで乗組員含め人間も逃げ送れ死亡よく考えろ😡周りを殺す気?
— yu@ (@succmass_mtm1) January 5, 2024
もはや、バカ発見機だな
なんで、小型犬だけの話なんだよ(笑)
グレートデンとか、土佐犬が乗ってきたらどーするんだよ
家族だから乗せていいんだろ?
ニシキヘビや、カミツキガメでも、家族だから、問題なしなんだよな?
ほんと、リトマス紙として最適よね
— kanmani@浦和から世界へ (@kanmani) January 6, 2024
今回はこれに関する個人的な自論・見解を述べていきたいと思います。
この記事の目次
ペットに対する価値観は人それぞれであり尊重すべき
まず、最初にペットに対する価値観について話したいと思います。
上で紹介したツイートの方は、そこまで動物に興味がないか、ペットはペットとして割り切っている人だと思います。
つまり、『人間の命が優先される』という考えの人です。
私もペット愛好家ではないので同じ考えです。
しかし、ペットを家族や我が子同然のように考える人も最近は多いんですよね。
一般論として「私よりも子供を助けてほしい」と考える親は多いと思います。これと同じように、ペットを我が子同然に扱う人は「私よりもペットを助けてほしい」と思うわけです。
家族・子供を貨物室に入れて運ぶなんて耐えがたいでしょうし、家族・子供なら旅行にも連れていきたいと思うのは当然です。
そういった価値観の異なる相手に対し、バカ呼ばわりするのは恥ずべき行為ですし、思考の放棄だと思うんですよね。
誰の目から見ても実現不可能な事を「実現しろ!」と騒ぎ立てれば批判されても仕方ないですが、石田ゆり子さんや村上佳菜子さんはそうではないですからね。工夫を凝らせば実現可能と思われることを、あくまで要望として言ってるだけです。価値観の異なる相手の意見を尊重しましょう。
現状でもペット同伴で飛行機に乗ることは可能。しかし…
意外に思う人もいるかも知れませんが、既にペットと同伴出来る旅客機が存在します。
スターフライヤーの国内線向けサービスで『FLY WITH PET!』というものですね。
ケージに入れる必要はありますが、乗客と一緒にフライト出来ます。
ただ、緊急時はペットを機内に残して脱出する必要があるんですよね。
つまり、現状では石田ゆり子さんや村上佳菜子さんが言うような、ペットの命を救うための同伴は出来ないという事です。
あくまで『人間の生命を最優先』という考えが根底にあるサービスなので、そうなるのは仕方ないと思います。
ただ、その根底を変えることは不可能というわけではありません。
ペットを犠牲にしない!ペット同伴に特化した旅客機を作ることは不可能ではない
先ほど言った通り、ペット同伴可能な旅客機は既に存在しますが制約があるわけです。
しかし、同意書の見直しだったり、専用設備開発にコストをかけることで、その制約を緩く出来るはずです。
『人間とペットの命を同等に扱う』という同意
『人間の生命を最優先』という航空会社のポリシーは法律で決まってるわけではないので、『人間とペットの命を同等に扱う』と変更することも出来るわけです。
「そんなの人権侵害だ!人の命を軽んじている!」と考える人もいるかも知れません。でも、実際にそれが実現しているケースがあります。
例えば、バンジージャンプ。
バンジージャンプは「あなたの生命に不都合があっても保証しません」という同意書を書かされるわけです。
『人間とペットの命を同等に扱う』ということを乗客に強制したら人権侵害に当たる可能性が高いですが、同意を取って契約に基づいた内容であれば問題無いのです。
ペット同伴だと脱出に時間がかかり、機長やCAも危険に晒される?
緊急時にペット同伴で脱出する場合、間違いなく脱出に時間がかかるでしょうし、一緒に脱出シューターを使うためにケージから出せば、暴れて収拾が付かなくなる危険もあります。
でもこれは、既存の枠組みで考えた場合の話なんですよね。新しく枠組みを作れば良いのです。
例えば、定員を従来の4分の1に減らせば、ペット同伴でも脱出にかかる時間は大幅に減らせます。人間だけの場合よりも早く脱出することも可能でしょう。
また、ケージから出さなくても脱出出来るよう、専用シューターを開発すれば、ペットが暴れて収拾が付かなくなることもありません。
「ペットを助けて機長やCAが犠牲になったらどうするんだ!」と言う人もいるかと思います。
しかし、機長やCAは『自分の命が最優先』です。「全員は助けられない」と判断すれば断念します。これは一般的な旅客機でも同じ事です。
問題はコストと料金設定
緊急時の脱出リスクは定員数と専用設備導入でコントロール出来ますが、そうなってくると問題になるのがコストと料金設定です。
専用設備あるいは専用機体を開発すればかなりの費用が掛かりますし、定員数が少なくなればなるほど1人の客が負担する費用が大きくなるわけです。
あくまで航空会社はビジネスでやっているので、採算が合わなければ実現しないですが、「高い料金を払っても乗りたい」というニーズもあるはずなので、検討する価値はあると思います。
飛行機の歴史はまだまだ浅い。進化の余地はある
飛行機の歴史はまだ100年あまりですが、当時は人が空を飛ぶなんて絶対にあり得ない事だったわけです。
それと比較すれば、乗客とペットが一緒に脱出できる仕組みを実現することは、だいぶイージーだと思うんですよね(もちろん数年単位で掛かるでしょうけど)。
まだまだ進化の余地はあると思うので、要望は出すに越したことはないと思います。口に出さないことはいつになっても実現しないですからね。