カーライフ
投稿日:2023年12月02日更新日:2023年12月02日

【イエローカット】黄色実線のはみ出しが全て違反という誤解【自転車追い越し】

知っていそうで意外と知らない交通ルール。

今回は『黄色の実線(センターライン)のはみ出し(イエローカット)』について話したいと思います。

黄色の実線は『追い越しによるはみ出し禁止』だが…

運転免許証を持っている人なら知っている人が大半だと思いますが、黄色の実線(センターライン)は『追い越しの為のはみ出し禁止』と規定されています。

「じゃあ、追い越しじゃないはみ出しはOKなの?」というツッコミがあるかと思いますがダメです。なぜなら、センターラインを越えないように運転することは大原則だからです。

ただ、黄色実線が引かれている道路は道幅が狭く、車幅が広い車はどうしてもはみ出さないと走れないようなケースもある為、あえて”追い越しの為”と書かれているだけなんです。

自転車を追い越す為ならはみ出し可能

追い越しの為のはみ出しが禁止されている黄色の実線ですが、自転車に限っては許可されています。

その根拠となるのが道路交通法の第30条です。

(追越しを禁止する場所)
第三十条 車両は、道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、他の車両(特定小型原動機付自転車等を除く。)を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない。
一 道路の曲がり角付近、上り坂の頂上付近又は勾配の急な下り坂
二 トンネル(車両通行帯の設けられた道路以外の道路の部分に限る。)
三 交差点(当該車両が第三十六条第二項に規定する優先道路を通行している場合における当該優先道路にある交差点を除く。)、踏切、横断歩道又は自転車横断帯及びこれらの手前の側端から前に三十メートル以内の部分
(罰則 第百十九条第一項第五号、同条第三項)

第30条の最初の一文に『特定小型原動機付自転車等を除く』とあります。

特定小型原動機付自転車とは、定格出力が0.6kW以下で長さ1.9m、幅0.6m以下かつ最高速度20km/h以下の乗り物です。『フル電動自転車』や『電動キックボード』などがこれに当たります。

『特定小型原動機付自転車”等”』とあるので、当然それらよりも下位に分類される一般的な自転車も除外対象に含まれます。

というわけで、自動車の追い越しが禁止されている場所でも、自転車を追い越すぶんには問題無いわけです。

ちなみに、原動機付自転車・バイクについては、黄色実線をはみ出しての追い越すことは禁止されています。

また、この条文は、追い越し禁止に関する全ての道路標識等を対象としているので、以下のような標識も自転車は除外されます。

道交法 第30条は黄色実線のことを言ってるわけではない?

「道交法 第30条は黄色実線のことを言ってるわけではないから、やはり自転車の追い越しは禁止だ!」という意見もあります。

確かに、第30条の内容は『追越しを禁止する場所』であって『はみ出し』に対する言及はありません。

でも、『交通事情の実態』を考えれば、黄色の実線のはみ出しを許可していると捉えるほうが自然です。

『交通事情の実態』の例を挙げてみましょう。

例えば、数キロに及ぶ黄色の実線が続く道路で、大型車両の前方を自転車が走っているとします。当然、黄色の実線をはみ出さないと追い越せません。それが許されなければ、数キロもの間、自転車のペースで走り続けなければならなくなってしまうわけです。

そうなると大渋滞が頻発してしまうことになるので、第30条は「黄色の実線のはみ出しを許可する」という意味を含めていると考えるのが理に適っているはずです。

道交法を知らない自転車が通行妨害するケースも

SNSでは道路交通法知らなかったり、誤った解釈して、迷惑で危険な行為をする歩行者・自転車が目立ちます。

この撮影者(投稿者)は、黄色の実線をはみ出して追い越すことを悪と思い込んでいるようで、抜かせまいと追い越しを妨害しています。

この場合、本来なら自転車は後ろの車両に追いつかれた時点で、端に寄って道を譲るのが正しい対応です。これは道交法 第27条(他の車両に追いつかれた車両の義務)にも明記されていることです。

また、この撮影者は同じような迷惑行為を繰り返しているようですね。彼なりの正義感なのかも知れませんが、身勝手な正義ほど危険なものはありません。

歩行者の迷惑行為については以下の記事の最後で紹介していますので、興味がありましたらこちらもご覧ください。

【意外と見過ごされがち?】横断歩道走行のルールと事故時過失割合について【自動車教習の現実】

そもそも、道交法自体が分かりにくいという問題も…

こういったトラブルが起きている理由として、「そもそも、道交法が分かりにくい」という事があると思うんですよね…。

先ほど紹介した第30条だけでも、複雑な言い回しで「理解させる気があるのか?」と思ってしまいます。

今やデジタル化の時代なわけで、全ての条文を映像化して視覚的に分かりやすくすれば、正しい交通ルールがより広く浸透するのではないでしょうか?

こういう部分にはコストをかけて、より良くしていってもらいたいですね。

クルマをなるべく高く売却したいなら…

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