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投稿日:2015年03月27日更新日:2019年01月15日

【評価・レビュー】昭和生まれ歓喜!『龍が如く0』はシリーズ最高のストーリーと80年代のレトロな繁華街が魅力!

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昭和50年代生まれならそれだけで遊ぶ価値あり!80年代のリアルな繁華街が再現されたゲームは唯一無二の存在。シリーズ最高峰のストーリーとゲーム性は必見!

国民的ヤクザゲームとして人気の龍が如くシリーズ最新作『龍が如く0』。シリーズ最高傑作と評価する声も多い本作ですが、先日やっとプレイし終えたのでレビューします。ネタバレはなるべくしない方向なのでご安心ください。

二転三転する息をつかせないストーリーは魅力的!

龍が如くといえばストーリーが魅力的ですが、今作は今まで以上にスリリングで刺激的な内容になっています。

シリーズ3作目以降は主人公である桐生が養護施設を運営したり、タクシー運転手をしたりして極道の世界から離れた姿を描いていたので「ぬるかった」んですよね。5作目なんかプレイヤーキャラがアイドルだったりしますからね。

一方で「龍が如く0」では桐生は極道世界の洗礼を受け、もがきながら生きる姿が色濃く描かれています。さらにもう一人の主人公である真島も本来拷問を受けて死んでいるはずが、組織によって生かされることになり、その代償として組織の言いなりになる毎日。まぁ、望んで極道になったわけだから自業自得なんですけどね(笑)

とにかく話が重いです。特に終盤。感動の再会が待ってるかと思いきや無残に殺されたり、仲間からの裏切りもあり結構エグいんですよね。「年齢制限18歳以上推奨だろこれ」みたいな。まだ日本が洗練されていなかった80年代が舞台なのもストーリーを引き立てます。あの薄汚れた感じが最高なんです。

シリーズの原点ということもあり大体の結末は予測が出来てしまうけど、ラストシーンの演出とか「おおっ!」ってなるし、真島がイカれた性格になった理由が判明するも良かったですね(「龍が如く0」の真島は紳士そのものです)。

メインストーリーだけでも20時間程のボリュームがあり、全17章構成と長編なので状況が二転三転したりとスケール感があって満足の内容でした。

サブストーリーは80年代ならではのネタが満載!思わずニヤリとしてしまう

龍が如くシリーズといえばサブストーリー。時事ネタ(5作目なら川越シェフが登場するなど)を盛り込んでいたりして思わずニヤりとしてしまう面白さがありますよね。

「龍が如く0」ではやり過ぎなくらいネタのオンパレードなんですよね。ある意味もう時効だからここまで出来るのかも知れませんがホント酷いです(笑) その代表的な物を紹介します。

たっちゃん、ミナちゃん
ブルセラを扱ったサブストーリーに登場する学生二人。元ネタは勿論あだち充の代表作「タッチ」の主役2人。

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マルサ・丸井
桐生のシノギに登場するマルサの丸井。元ネタは当時流行った映画「マルサの女」。
カーディガンを着たおかっぱ女子
ブルセラとマルサ絡みで登場する女子。元ネタは「ちびまる子ちゃん」のまる子。ブルセラネタで登場させるとか酷い扱いだ(笑)

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ミラクル・ジョンソン
「ポゥ!!」という発声とムーンウォーク、完全に「マイケル・ジャクソン」です。セリフでも「This is it」とか「Black or White」と言ったり、ディスコでプレイできる「I’m gonna make her mine」という曲はマイケルの代表曲「Bad」そのものだし。暴走が止まりませんね(笑)
24時間シンデレラ
真島吾郎がカラオケで歌う曲。イメージ映像にはローラースケートを履いて踊る姿。完全に「光ゲンジ」。曲の締めが「Hey!Hey!Hey!」なのも光ゲンジが1993年に出した「勇気100%」からもってきてますね。

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ポケットサーキット(ポケサー)
言うまでもなくタミヤの「ミニ四駆」がモデル。当時はミニ四駆を題材にしたアニメ「ダッシュ!四駆郎」が人気でしたね。
アラクレクエスト3
これはドラクエ3ですよね。当時行列で社会現象になりましたよね。
恋のディスコクイーン
ディスコでプレイできる曲の一つ。元ネタは荻野目洋子の「ダンシングヒーロー」。曲名も寄せてきていますが曲調が似ています。

おそらく他のも元ネタがありそうな気がするんですが、なにしろ当時5歳だったのでそれ以上は分かりません(笑)

というように元ネタ探すだけでも十分楽しめるんですが、話の内容もちゃんと面白いので安心してください!

カラオケはリズムゲーとして普通に楽しいし、桐生や真島の豹変振りには笑えます。ディスコもリズムゲーとして面白いです。インターフェイスが特殊なので慣れが必要ですが。ディスコのミラクル・ジョンソンは流石キング・オブ・ポップだけあって強敵でした。

ポケットサーキットはミニゲームの中では特に力が入っていますね。様々なパーツを組み合わせて最速を目指すわけですがパーツの種類も多く楽しめます。後に自由にコースエディットすることも可能になるので長く遊べます。対戦出来たり、同じパーツでも微妙に性能差があればもっと良かったんですけどね。

また、人気キャラクターである堂島大吾や郷田龍司が登場したのは良かったですね。特に郷田龍司は当時小学6年生なのでランドセルを背負っているんですが、それを小学生だとは思わず桐生がボコボコにしてしまうのは倫理的に大丈夫なのかと不安になりました(笑)

24時間シンデレラ
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ミラクル・ジョンソン I’m gonna make her mine
I’m gonna make her mine

恋のディスコ・クイーン
恋のディスコ・クイーン

80年代の薄汚れた繁華街雰囲気と文化は懐かしくも新鮮!

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今回の舞台は1988年の新宿歌舞伎町をモチーフにした神室町と、大阪道頓堀をモチーフにした蒼天堀。フィールド自体はシリーズ2作目と同じですが、年代が違うので雰囲気が全然違います。

今と比べ80年代は下品でアングラ感が強いです。風俗の張り紙やら路上に散らばるゴミとか垢抜けていない日本がホント懐かしいんですよね。自販機だったり看板だったりネオンだったり、ちょっとダサくてレトロな感じが幼少期を思い出させてくれます。

ファッションもボディコンとか肩パッドが入ってたりして雰囲気が出ていて、携帯電話の代わりにショルダーフォンやポケベルを使っていたりするのもポイント。当時は今ほどキャバクラが浸透してなかったというのも時代を感じますね(当時はキャバレー全盛期)。

ベースはPS3版と共通なので一部荒く見えるところもありますが、写真かのように美しく見える街並みや60FPSで滑らかに描画されるグラフィックは圧巻です。

現在、30代から50代ぐらいの人はこの雰囲気を堪能するだけの為に「龍が如く0」を購入しても損しないですよ。昭和後期の繁華街をここまでリアルに再現した作品は他に無いですし、しかも自由に歩き回れるわけです。テンション上がらないワケがありません!

ただ、1点残念なのがせっかく主観視点に変更できるのに、その状態で歩けないということなんですよね。主観視点で移動も出来れば没入感凄かったと思うんですよね。

メインストーリー並みに充実!『シノギ』が楽しすぎる!

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メインストーリーとサブストーリーの他にもシノギと呼ばれる要素があります。シノギとはヤクザが収入を得るための手段のことを指すのですが、本作では桐生は不動産経営(神室町マネーアイランド)、真島はキャバクラ経営(蒼天堀水商売アイランド)が楽しめます。

これがホント楽しいんですよね。特にキャバクラ経営は最高の出来で、時間を忘れてプレイしてしまう中毒性の高さです。実際10時間以上ぶっ通しでプレイしていました(笑) 簡単に言うとキャバクラ嬢の「育成」「カスタマイズ」要素に、シムシティやエイジオブエンパイアのような「リアルタイムストラテジー」要素を加えた感じです。

ライバル店に売上バトルに勝ちエリアを独占することが目的なんですが、じわじわと勢力を拡大する感覚が爽快なんですよね。

キャバクラ経営については別記事に詳細をまとめたので良かったらこちらの記事もごらんください。

龍が如く0のキャバクラ経営の中毒性がヤバイ!その魅力と6つの攻略テクニック

キャバクラ経営
キャバクラ経営

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一方で桐生の不動産経営はキャバクラ経営よりはゲーム性が低いですが、物件を購入し投資してエリアを拡大していく感覚はやはり楽しいです。何が良いかって、今までのシリーズでは大半の店は景色の一部でしかなかったわけですが、今作では物件として成り立っているので街がより活気付いているように感じるんですよね。

それぞれのシノギにはそれなりの規模のストーリーも用意されているので、メインストーリーだけしか遊ばないのは勿体無いですよ。

女性キャラはほとんどがセクシー女優!完全に男性向けに

「龍が如く0」は過去のシリーズよりもアダルト色が強く、街の貼り紙などもより直接的な内容になってますし、サブストーリーでは桐生が露骨な下ネタを妄想したり結構酷いです(笑)

個室ビデオを利用すると最後がティッシュの画だし、テレクラ遊びでホテルに直行みたいなこともやってるし、「絶倫君」なるキャラクターが登場するし。お茶の間で遊んだらかなり気まずくなること間違い無しです(笑)

最も驚きなのがサブストーリーに絡んでくる女性キャラクターのほとんどが実在するセクシー女優(AV女優)がモデルになっているんですよね。次回作では主役クラスに抜擢されそうな勢いですが世論はどうなのか気になるところです。面白い試みなので個人的にはありだと思いますけどね(演技力をなんとかすることが先決だけど。上原亜衣の棒読みは酷かった。一番扱い大きいのにw)。

アクションはより爽快・快適に!

アクション面も過去シリーズから進化しています。例えば戦闘スタイルの一つである「壊し屋」なら、今まで必要だった「武器を取る」という動作を省略して、素手での連続攻撃の流れで武器を取り振り回すといったことが可能になりました。つまり武器を使う機会が増えたということです。

またアドベンチャーパートではナンバリングタイトルでは初の×ボタンダッシュが可能になり移動が楽になりました。さらにPS4版では読み込みが早いので画面切り替えのストレスもありません。結構お使い要素が多い作品なのでこういった進化は嬉しいですよね。

個人的には他のゲームみたいにオートセーブ機能を搭載して欲しいですね。うっかりしてるとセーブしないでゲーム終了しそうになるのでそろそろ時代流れに合わせてもらいたいところです。

PS4版「龍が如く0」の得点

90 / 100

※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。

項目別評価

グラフィックス ☆☆☆☆☆
PS4の作品として見ると標準的ですが、80年代の繁華街がリアルに再現されて60FPSで動くのは感動ものなので補正付きで満点です(笑)
サウンド ☆☆☆☆☆
まるで80年代の繁華街に実際にいるかのような環境音が流れてきます。グラフィック以上にリアリティを感じるかも知れません。
熱中度 ☆☆☆☆☆
息をつかせぬストーリー展開と中毒性の高いミニゲーム、そして爽快な戦闘シーン。文句なしです。
ボリューム ☆☆☆☆★
遊びのバリエーションで言えばあり得ないくらい多いのですが価格が高めなのでマイナス1にしました。
遊びやすさ ☆☆☆☆★
過去の作品よりも大分遊びやすくなりましたがベースとなるシステムが時代遅れな感じがします。オートセーブが無かったり、アイテムボックスも必要だとは思えない

おわりに:龍が如く0はこんな人にオススメ

30代から50代ぐらいの人には無条件にオススメと言っても良いくらい素晴しい作品です。バブル期の日本がリアルに再現されてるのは感涙物ですよ。ホントに。歴史資料になるんじゃないかってくらい、資料的価値がある作品だと思います。

またシリーズファンは勿論オススメですが、マンネリ化して飽きてきたって人も楽しめると思います。とにかく話しに引き込まれるんですよね。購入しようか迷っている人は買いましょう!

最後に。セガさん、もしこの記事を見ていたら主観視点で移動できるようにアップデートお願いします。リアルな繁華街を主観で移動出来たらホントたまらないと思います。

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